【漢籍】『群書治要』

文庫>善本・貴重書

50巻25冊 原闕3巻 林羅山増補2巻
 唐・魏徴等奉勅撰 尾州本鈔本 藤澤南岳重校批評
 泊園文庫蔵(LH2*3.02**181)

『群書治要』は唐の太宗の勅令にもとづき編纂されたもので、先秦から晋代に至る67種の文献から政治に参考にすべき文章を抜粋している。なかには今日現存しない文献の引用もある。本書は中国では早く失われたが、日本の金沢文庫に伝存しており、徳川家康が駿河で銅活字を用いて出版して以来、世に重んじられるところとなった。

本文庫所蔵本は、尾張藩が天明7年(1787)、整版により出版したテキストを抄写したもので、林羅山による増補がなされている。これに南岳の校訂と批評が書き加えられ、巻末に南岳の識語がある。

本書について石濱純太郎はつとに関心を持ち、大正9年(1920)11月14日の「泊園書院学会」第6回例会で『群書治要』諸版本の展示会を開いている。『泊園書院歴史資料集』206頁参照。また石濱純太郎『支那学論攷』には同書に関する詳細な論考数篇が収められている。