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教育内容

思考力を大きく伸ばし、
確かな学力と豊かな人間性を育てます。

「自ら考える力」の育成を教育の柱に、総合学習を中心に「世界とつながる力」を大きく育て、
さまざまな教科で「確かな学力の形成」をめざしています。
同時に、人を思いやることの大切さや、社会を生きるためのルール・礼儀などを学び、
人としての基盤となる人間性や感性を育てていくことも大切に考えています。
同一キャンパスにある初等部・中等部・高等部の12年間を貫く
計画的なカリキュラムを開発し、子どもたちを大きく伸ばします。

教育理念

関西大学は「学の実化」を教育理念としています。これは、学理と実際の調和を図る ─ 学んだことを実際の生活や生き方に活かす─ ことを目指すものです。
関西大学初等部・中等部・高等部においても、この教育理念を基本として12年間の一貫教育を同一キャンパスで実践し、高い倫理観と品格を持った、たくましく、しなやかな「高い人間力」のある人材を育成します。

校訓

考動 ─学びを深め 志高く─

初等部が育てる児童像

感性豊かな子 考える子 挑戦する子

一人ひとりの児童が、知的好奇心をもとに問いや疑問を持ち、自分なりの方法で学ぶことができるよう支援します。また、自分も友だちも大切にし、社会に関心を持って主体的に行動しようとする心と、その基盤となる健康でたくましい体をはぐくみます。

初等部の教員は、笑顔を大切に、一人ひとりの成長を見守り、支援します。

思考力の育成

行動レベルで「思考」を捉え、
思考力を育成する

本校では、「思考」という漠然とした行為を、できるだけ具体的な動詞で表すことで「何をすれば考えたことになるのか」を明らかにして指導にあたっています。
このような具体的な思考の方法、思考の技術が「思考スキル」です。本校では、この「思考スキル」を行動目標として設定し、思考の仕方を習得させることで、思考力の育成をめざしています。

授業時数

2019年度 授業時数

総授業時数 外国語活動
本校標準授業時数 標準授業時数
(学習指導要領)
本校授業時間 標準授業時数
(学習指導要領)
1年 923 850 56 0
2年 985 910 58 0
3年 1165 945 105 15
4年 1207 980 105 15
5年 1249 980 140(外国語) 50
6年 1249 980 140(外国語) 50

「考える力」を養う学び

ミューズ学習

生涯使える「思考スキル」を身につけます。

考える力の養成に特化した授業、それがミューズ学習です。何を手がかりに、どのように考えたらいいのか、「考え方」を1年次から段階的に学びます。「比較する・分類する・多面的にみる・関連づける・構造化する・評価する」という6つの思考スキルを自由に使いこなせるよう、繰り返して問題に取り組み、双方向型の授業スタイルで丁寧に指導していきます。

図書

図書室を拠点に、学びの土台となる力を構築。

「本の読み方」と「情報を活用するスキル」の養成を目的に、週1回、図書の時間を設けています。本を読んでみんなでお話ししたり、クイズやゲームをしたり、細切れの文章をストーリーに沿って並べ替えたりする学びなどを通して、読書力を高めていきます。また、百科事典や国語辞典を使いこなしてレポートにまとめるといった取り組みも行っています。

ICT環境

思考力・発想力・表現力を高める情報教育。

コンピュータやネットワークなどを活用し、情報を収集する力・整理する力・批判的にみる力・創造する力・表現する力などを養う情報教育を行っています。電子黒板やコンピュータを教室に備えて授業で活用するほか、1・2年生のフロアにはiPadを40台、その他のフロアにはノートパソコンを各40台設置するなどして学習ツールに利用しています。

世界とつながる力を養う学び

英語

英語コミュニケーション力の基礎を育む6年間。

英語を聞く・話す・読む・書くことができるように、6年間一貫して英語活動を実施します。1・2年生では、毎朝15分間、楽しく英語に触れる機会を設けています。英語を聞いて体を動かしたり、歌を歌ったり、絵本の読み聞かせを聞いたりする中で、英語の音声に慣れ親しみます。
3・4年生では、45分の授業を週3時間実施しています。英語でやり取りをするだけでなく、簡単な英語を読んだり、書いたりする学習も少しずつ行っていきます。TV会議システムを活用して、オーストラリアの小学校の子どもたちと英語で交流しています。
5・6年生では、45分の授業を週4時間実施しています。英語を読んだり、書いたりする学習が本格的に始まります。6年生では、オーストラリアへの海外研修旅行(5泊7日予定)を実施し、学んだことを現地で実際に活用する場面を設けます。

総合学習

世界の人と協働できる力を身につけます。

国際理解学習を軸に、社会への参加・貢献の態度の養成をめざしています。韓国、中国、台湾、フィリピン、インド、カンボジア、オーストラリアなど、各年次に対象国・地域を設定し、それらの社会や文化のあり方を調査します。また、関西大学への該当国からの留学生と交流したり、テレビ会議で現地の人たちと交流したり、異文化交流の実践にも積極的に取り組みます。

研究発表会

思考力の形成につなげる授業の成果を公開。

子どもたちの「思考力」をいかにして伸ばすのか、ミューズ学習などを通して蓄積してきた本校の授業の方法論などを、学校関係者の方々を中心に広く社会に公開。初等教育の授業デザインに役立てていただくとともに、さらなる教育の進化を目的とした発表会を年1回開催しています。公開授業のほか、協議会やシンポジウムも実施します。

確かな学力の形成

国語

言葉と楽しく、一歩ずつ

国語科では、言葉とじっくり向き合う経験を大切にしながら、伝え合う充実感・伝える喜び・表現する楽しさを感じる子を育てます。また、「分かる」から「使える」言葉の力をつけることもめざしていきます。豊かな感性や言語感覚を育み、論理的な思考力も鍛えられるよう、テキストの開発や授業展開の工夫に取り組んでいます。

算数

他者と学び自己を磨く、思考を愉しむアクティブな算数

初等部では、子どもたちが自ら学び続け、算数・数学の本質的な魅力を実感できる授業を進めます。子どもの問いから出発し、子どもたちが創り出す主体的・対話的な深い学びの授業です。
2年生では、どうしてmやcmなどの長さの単位が必要となったのかという疑問を解決するために、一人ひとりオリジナルの単位を考え、ものの長さを互いに伝え合い、先人たちが辿った道のりを体験しました。このような活動を通して、数学的に考える力を育成しています。

理科

考える楽しさを学ばせ、科学的な思考力を育成します

授業では、実感を伴った理解ができるよう、充実した観察・実験を行います。
観察・実験は、単なる作業とならないよう、常に目的意識を持って行い、科学的思考力を育てます。
また、これからの情報化社会を見据え、情報機器も積極的に活用します。学んだことを情報機器を使ってまとめることで、より多様で豊かな表現力も身につきます。

社会

自分たちの生活と社会的事象をつなぎ
主体的・対話的な活動で問題を解決します

中学年では、警察や消防、ごみ処理センターや浄水場の見学、高学年では稲作体験や自動車工場の見学、そして、京都・奈良、被爆地である広島へフィールドワークに出かけます。既有知識と生活経験をつなぎ、多様な価値観を認め合いながら問題解決をめざします。
あって当たり前の社会の仕組みや事象に対して、違う視点や違う立場というフィルタリングを通して見ることで、社会的な見方・考え方がみがかれていきます。ズレや疑問を感じたことから学習問題を立て、資料から根拠を導き出しながら、主体的に解決へと向かっていく。それが関西大学初等部社会科の特長です。

生活

自身の生活を見つめる様々な体験活動

生活科では、様々な体験活動を重視しています。実社会や実生活とかかわる活動に子どもたちは夢中で取り組みます。その中で、自分自身の生活を見つめる目が養われます。
例えば、1年生・2年生ともに、年間を通じて自然指導員の方に関わっていただき、自然のすばらしさや不思議に出合っています。本物との出合いから得た気づきは、子どもたちにとっての宝物です。

音楽

音楽を通して豊かな表現力を身につける

歌うことや聴くことが一体となった活動の中で、「音楽で遊ぶ」楽しさを知り、自然に感覚的な要素を育てます。そして、感覚的に把握したものを知的理解に結びつけるため、ソルフェージュ(読譜及び視唱)を通じて基礎的な拍子感・リズム感・音感を育成し、「音楽を理解する」楽しさ、「音楽を自ら表現する」楽しさへと導きます。

体育

仲間と楽しく運動して、より高いめあてを達成していく喜びを

体育では、子ども一人ひとりが挑戦課題を持って取り組める学習を大切にします。もちろんできる、できないは重要ですが、それより大事にしたいことは、あきらめずに挑戦すること、どうしたらできるようになるのか考えることです。その姿勢は他の教科や、これから先の子どもたちの人生に繋がるからです。
本校の体育では、人工芝、アリーナ、武道場、そして1年間使用できる温水プールがあり、年間を通して様々な運動に親しめる環境があります。これらの施設の中で、仲間と励まし合い、楽しみながら運動する喜びを味わい、将来にわたって運動に親しむ態度を育てます。

図面工作

創造活動の基本的な能力を育成

図画工作では、一人ひとりの感覚や感じ方を大切にしながら、楽しく表現活動や鑑賞活動を行います。感じたことや思ったこと、考えたことを形や色などのイメージとして捉え、試行錯誤を重ねながら自分の思いを表現していきます。鑑賞活動では、良さや美しさを感じ取ったり、自分と他者のものの見方や感じ方の違いを話し合ったりしながら、発想力、表現力、鑑賞力を相乗的に高めていきます。
楽しみながら創造活動を行うことにより、生涯にわたって造形や美術に主体的に関わっていく態度を培い、豊かな人間性を育みます。

家庭

自立した生活を送ることができる生活者を育成

「家庭科では「家庭生活をより豊かに」をモットーに、家庭生活に直結した具体的・実践的な事柄について学びます。裁縫実習では基本技能を応用した制作に取り組みます。調理実習では調理法を身につけるほか、家事を意識して献立を立て、制限時間内に仕上げるという実習も行っています。

道徳

自己の生き方をみつめる道徳科

2019年度から道徳科となり、「考え・議論する道徳」を展開しています。友だちとの対話から多様な考えがあることを知るとともに、自分ごととして捉えることにより、主体的な学びを引き出します。そして、自分なりに納得できる解を導き出す深い学びを追求します。
道徳科での学びにより、自己の生き方を考え、道徳的な判断のもとに主体的に行動し、他者と協働する自立した人間としての育成をめざします。

モジュール学習

朝の15分間を使って、国語や算数、英語の学習に取り組みます。1・2年生はネイティブスピーカーの教員を中心としたレクチャーで英語を楽しみながら学習。足踏みしたりジャンプしたり、身体を動かしながら学んで頭を活性化させます。3年生以降も、音読や読み聞かせ、また小テストなどで知識の定着をめざします。

宿泊体験学習

2・3年生は、高槻キャンパスにある高岳館で、仲間づくりやハイキング、川遊びなどの体験活動を実施。4年生は鳥取県・奥大山でスキー体験学習を行い、5年生は徳島県・南阿波で漁業体験や農業体験などを行いました。6年生はオーストラリアでの異文化交流を行うなど、さまざまな体験に挑戦します。

異年齢学習

学年や学級の異なる子どもたちが、給食や遊び、縦割り活動、集団下校などで触れ合い、交流を図ることによって、人間関係をより深められるようにしています。例えば、6年生がお昼休みに1・2年生と遊んだり、初等部中等部対抗百人一首大会や中高等部吹奏楽部のクリスマスコンサートなど、中等部や高等部の生徒たちとも触れ合う機会を設けています。

教頭より

考動力を高めて

関西大学の教育理念「学の実化」の精神のもと、初等部では「考動 - 学びを深め志高く- 」を校訓としています。
その理念と校訓のもと、開校当初より「思考力育成」を教育の柱として掲げ、子どもたちが日々の学習や生活の中で主体的に考動できるように、全国から集まった教員たちが日々教育活動に取り組んでいます。
これからの時代をより積極的に生きていくためには、教科等で学んだ知識や技術だけではなく、自ら考え主体的に考動できる力が必要です。毎日の生活の中で実践できるように、これからも教員一丸となって取り組みます。

初等部教頭
田渕 良二