システム理工学部

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機械工学科 佐藤知広助教ならびに化学・物質工学科 丸山徹教授が一般財団法人素形材センターにおいて第31回素形材産業技術賞奨励賞を受賞

氏名

佐藤 知広、 丸山 徹

所属

システム理工学部 機械工学科、化学生命工学部 化学・物質工学科

受賞年日

2015年11月06日

大会・団体名

一般財団法人素形材センター

受賞名

第31回素形材産業技術賞奨励賞

研究テーマ等

しゅう動部材用硫化物分散鉛フリー銅合金の開発

賞の概要

「硫化物分散鉛フリー銅合金材料」について
 従来、しゅう動部材としての銅合金は、相手材を鋼材とした場合のなじみ性、耐摩耗性などに優れることから、鋳造部材、焼結部材としてすべり軸受やスライドなどとして多く使用されている。実用的には、摩擦による焼付きや異常摩耗などのトラブルを防ぐために、オイルによる潤滑、黒鉛、鉛や二硫化モリブデンなどの固体潤滑材が利用されている。特に高負荷環境の下で使用される場合は、オイル潤滑に加え、鉛青銅が用いられ境界潤滑状態や潤滑不足の状況においても焼付きの発生を防ぐよう設計されている。一般に鉛の固体潤滑性能は良く知られており、環境規制に対応する代替材料の開発が望まれている。代替材料としては、鉛の代替としてビスマス(Bi )、銀(Ag )などの希少金属を使用した材料や、黒鉛の固体潤滑性に着目したもの、しゅう動面に樹脂コーティングしたもの、あるいは、予め潤滑油を含浸させる技術と組み合わせたものが提案されている。しかし希少金属使用では材料コストの上昇により、黒鉛や樹脂では耐熱性など摺動性能に課題を有するなどの理由から普及には至っていない。新規に開発した「硫化物分散鉛フリー銅合金材料」は、銅スズをマトリックスとした青銅合金に、硫化物を分散配合し、固体潤滑性能を付与している。一般に硫化物は、二硫化モリブデン、硫化スズ、硫化銀などとして固体潤滑性能を有することが知られている。開発材は、青銅合金中にCu ,Fe ,Sの硫化物が晶出され、微細に分散しているこれまでに無い材料であり、希少金属を用いず、従来の部材コストと性能を維持しながら鉛フリー化が可能な材料である。
 素形材センターについて:昭和42年に財団法人綜合鋳物センターとして設立、その後、昭和59年に財団法人素形材センターとして、対象分野をそれまでの鋳造分野から、塑性加工分野なども加えた素形材分野全体に拡大。さらに、平成22年2月には(財)次世代金属・複合材料研究開発協会を合併し、次世代材料研究開発の実施を含めて、技術開発体制の強化にも取り組む。創設以来40有余年にわたり、素形材に係わる唯一の財団法人として、「素形材に関する技術の試験・研究・その他、わが国素形材産業の振興に関する共通的施策を推進 することにより、素形材産業の総合的な発展を図っている。
 素形材産業技術賞奨励賞について:概ね過去5年以内に開発され,ある程度の実用化の実績がある優秀な素形材産業技術の開発者を表彰する.対象とする素形材産業技術とは,鋳造,ダイカスト,鍛造,金属プレス,粉末冶金,型,金属熱処理に関する技術や鋳造機械,鍛圧機械,工業炉に関する技術,素形材及びその製造に密接な関連を持つ3Dプリンティング等の加工技術,材料技術及びソフトウェア技術などがある.(昨年は経済産業大臣賞1件,中小企業庁長官賞1件,製造産業局長賞1件,素形材センター会長賞4件,奨励賞8件)

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