台湾マイノリティ予備調査報告
「市民権とマイノリティ」研究班
主幹 孝忠延夫
3月15日から19日にかけて、私と辻雄一郎さん(PD)、金玲さん (RA)の3名で台湾マイノリティ研究のための予備調査をおこなった。「予備」調査としたのは、台湾におけるマイノリティの実態についての調査の前提としての法制度および裁判事例などに関するヒアリング、資料収集を主としておこなうものだったからである。多民族「国家」としての重層性をもつ台湾には、人口比約2%の「原住民」(「先住民」ではなく、「原住民」とされるのは、その「台湾文化の源泉」としての地位が認められているからである)が存在する。この原住民は、憲法上もその存在が明記され、2005年には「原住民族基本法」が制定され、関連法令の数多く制定されている。 以下、台湾マイノリティに関する、この予備調査の内容を簡単に報告しておきたい。
(なお、本文中にお名前を明記させていただいた方以外にも多くの方々にお会いし、お話しをうかがい、ご協力いただきました。ここに深く感謝いたします。)