「国際関係とマイノリティ」研究班
――マイノリティの包摂と排除をめぐる国際標準の研究を行う。
本研究班では、まず第1に、いかなる標準によって国際社会は、ある特定の集団にマイノリティとしての地位を承認し、また別の集団には承認してこなかったのかを検討する。
それをもとに、第2に、現在の社会において、国際法はいかなる標準によってマイノリティを承認すべきか(あるいは、承認すべきではないのか)を考察する。従来のマイノリティ問題の扱い、あるいは研究アプローチには、政治的・法的な言説において、いかにマイノリティ問題を「主流化」させるかという、運動論や政治力学に力点をおいたものが多かった。
本研究は、かかる動向とは一線を画し、法学を中心とする規範論的アプローチを採用するところに独創性がある。このアプローチをとることによって、はじめて、「かけがいのない生を育む」マイノリティと真摯に向き合う学問的成果を得ることができると思われる。