「国家形成とマイノリティ」研究班
――国家形成、国家による動員の客体と主体としてのマイノリティに関する研究を行う。
国民国家形成の歴史は、国家によるマイノリティの排除・統合・同化・動員の歴史として理解されることが多い。しかし、マイノリティは、国家による抑圧・同化の対象であるだけはない。マイノリティとしての属性を保障してもらうことを期待して、積極的に国家に対する忠誠を表明したり、国家形成・運営に関与したりする場合もある。また国家の側も、マイノリティが持つ資源を国家統合のために積極的に活用するために、一定の妥協を示す場合もある。本研究班は、国家とマイノリティとの従来的な理解を相対化し、両者の動態的な関係を内在的に解明することを目指す。