各種取組み

TSネットワークTA研修TA通信実践事例

TA通信第4号

Le français est amusant!(フランス語は楽しい!)

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森田 梨花(全学共通科目外国語科目 フランス語2ab(コミュニケーションクラス)TA)

 私がTAを担当しているのは、政策創造学部1回生向けのフランス語のコミュニケーションクラス(担当:平嶋里珂准教授)です。20名ほどの少人数クラスで、履修者は全てフランス語を初めて学ぶ学生ばかりです。皆とても活発で、積極的に発言をする元気で意欲的なクラスです。授業ではあいさつから物の名前、色、年齢や趣味について述べるなど、フランス語での基礎的な表現を学んでいきます。その際、先生と学生、学生とTA、学生と学生間の会話練習という実践的な作業が重視されています。
 私のTAとしての役割は、先生とのフランス語表現のモデル会話に加え、練習問題に取り組んでいる学生の間を巡回し、質問に答えることや、学生同士で声に出して新しく習った表現を練習するグループワークの時に正しく発音できているか、わからないところがあって戸惑っていないかなどをチェックすることです。また、私自身が会話練習に加わる機会も多くあります。
 
 平嶋先生の授業では、文法や動詞の変化、音の規則など、初めてフランス語を学ぶ学生にとっては頭の痛くなるような説明からは入らずに、まず文字を気にせず耳で表現を聞き取り、そのリズムを身につけてから単語や文法の構造を学ぶというスタイルがとられています。学生たちは先生の質問に対して素早く積極的に答え、リピート練習では学んだ表現を正確に真似て発音することができるので、一見何も問題はないように見えます。しかし、そのような彼らでも、フランス語文法の壁にぶつかっていることがあります。私の役割は、そこを見のがさず、不明な点をできるだけわかりやすく説明し、フランス語の基礎固めをしっかりサポートすることでもあります。いくら積極的とは言え、全員が授業中に疑問点を先生に質問することは難しいので、練習問題を解いている間にTAが巡回することで、全員の作業に目を通すことができ、誰がどこで間違っているか、全体としてどんな所でひっかかっているか、ということを知ることができます。そうして一人ひとりへの配慮を欠かさない事も、TAの大事な役目です。そして、気になる点があれば先生に伝えて連携をとることも大切です。
 
 そこで、これからTAとして課題になってくる事は、いかに学生にフランス語への関心をより高めてもらうかという点だと思います。言いかえれば、モチベーションをどう継続し、向上させるかということでもあります。六月に入り、「フランス語の壁高い・・・」という声をときおり耳にするようになりましたが、私は学生に「楽しいフランス語」のイメージを持ち続けてほしいと思っています。そのため,私は学生との対話を通じて、自分がフランス留学で経験したことや、フランス語を話すことの楽しさについて積極的に伝え、より興味を持ってもらえるように心がけています。なぜなら、新しい語学を学ぶ時にはやはり、同時にその国についてより深い知識を得ることと、「この言葉が話せるようになりたい!」と本心から思うことが上達へのきっかけの一つになってくると思うからです。学生に「フランス語は楽しい!」と思ってもらえるように、明るい雰囲気を大切にし、不明な点はできるだけクリアにして難解な文法のイメージを取り除くよう努めています。今後も学生にとっての気軽な相談役となり、履修者たちにとっては先生よりも近い存在としてそれぞれの学生とのコミュニケーションをとる機会を増やし、一人ひとりへの配慮を欠かさずしっかりサポートしていきたいです。学生が疲れている時でも気分を盛り上げる事のできるTAとなる事が、今後の私の目標です。そして、担当の先生と連携して学生に楽しいフランス語のイメージを常に持ち続けてもらい、これからも一生懸命学んでほしいです。