Fostering Proactive Leaders with Excellent English Skills

BLSP/ Leadership

10.03.20

ワシントン大学訪問

blog.jpg関西大学商学部准教授の小野です。

3月10日から14日まで、米国ワシントン大ビジネススクールを訪問してきました。メインの目的は、リーダーシップ論の世界的権威のブルース・アボリオ教授と面会することでした。

アボリオ先生は、変革型リーダーシップ研究、最近ではオーセンティック(真正)リーダーシップの研究者として著名な人物です。

当日は、アボリオ先生のほかにリーダーシップ・プログラムを担当されているモリー教授にもご参加いただき、大変有意義な会談となりました。

話題としては、リーダーシップ教育プログラムの進め方が中心でありましたが、私の個人的に研究関心の高い真正リーダーシップについてもお話させていただきました。

ところで、先程から「オーセンティック(真正)リーダーシップ」という余り聞きなれない専門用語を出しているのですが、オーセンティック(真正)リーダーシップとは、リーダーシップにおいてリーダーの道徳や倫理的側面を重んじた考え方で、リーダーは自ら範を示すことによって、フォロワーに対しても道徳や倫理的側面についえ影響を与えるというものです。そうすることによって、組織全体に道徳や倫理性が涵養され、組織は結果として持続的成長を遂げるという考え方に基づくリーダーシップ論です。

この考え方は、前回お話したサーバント(奉仕する)リーダーシップにも通じる考え方であり、最近のリーダーシップ論のトレンドとして、リーダーやフォロワーの行動特性だけでなく、基本的思考を深く考えるようになってきていると思います。

オーセンティック(真正)リーダーシップの考え方は、理論的発展が期待されるだけではなく、今後リーダーシップ教育のプログラムに関しても深く影響するものと思われます。私も、オーセンティック(真正)リーダーシップの研究とBLSPのプログラムにどのように活かしていければよいか、取り組んでいきます。

10.03.20

病院経営のリーダーシップ

Hospital Management.jpg

 

商学部の川上智子教授が執筆に参加した著書『病院組織のマネジメント』が刊行されました。

日本においてもアメリカにおいても,医療制度の改革は大きな社会的課題の一つです。本書では,病院が優れた医療を安定的に提供するために,倫理性と効率性を両立させうるマネジメントを導入し,実践する必要があることを,国内外の複数の病院に関する事例を紹介しながら論じています。

川上教授は,この本の中で,第3章「病院におけるトヨタ生産方式の導入:バージニアメイソン病院」を執筆しています(バージニアメイソン病院の工藤美和氏との共著)。

この章では,アメリカのシアトル市にある病院の事例を取り上げ,経営者・医師・看護師・事務職員等への長期間にわたる英語でのインタビュー取材に基づき,経営改革におけるリーダーシップの重要性や,専門分野の異なるメンバー同士の協働のあり方について,議論を展開しています。

組織が新しい課題に挑戦する際に,どのようなリーダーが必要となるのでしょうか。また,専門分野の垣根を越えて,他のメンバーを巻き込みながら仕事を進めていくにはどうすればよいのでしょうか。

病院のみならず,企業や大学の活動の中で何らかの組織改革を進めていく際にも,本書で紹介された実践例の中にヒントが見つかるかもしれません。

10.02.10

映画「インビクタス―負けざる者たち―」

 昨日、南アフリカ共和国のネルソン・マンデラ元大統領と1995年のラグビーワールドカップで優勝したラグビー南アフリカ代表を描いたクリント・イーストウッド監督の「インビクタス―負けざる者たち―」を見てきました。

 映画では、アパルトヘイトと呼ばれた人種隔離政策を廃止した後の南アフリカ共和国で黒人初の大統領となったネルソン・マンデラが人種の壁を超えた新たな国づくりを目指すなかで、地元で開催されるラグビーのワールドカップでナショナルチームを優勝へと導くことでその一歩を踏み出そうとする姿が描かれています。

 肌の色を超えて南アフリカの全ての国民が一体感を持ち、国が盛り上がっていくことを使命としてマンデラ大統領が懸命にリーダーシップを発揮していく姿が、映画の随所で描かれています。また、マンデラ大統領の周辺の人物が彼のリーダーシップによって意識が徐々に変化して行く動きは大変興味深いものでした。

 マンデラ大統領は、人種の和合した国家を築くという使命に奉仕するサーバント・リーダーシップに徹します。マンデラ大統領のサーバント・リーダーシップの根本には、それまでの数々の苦悩を与えてきた白人に対する赦しがあります。一言で赦しといっても、30年近く投獄されていたマンデラ大統領にとっては、我々の想像を絶する決意だと思います。その決意がマンデラ大統領を動かし、やがて周囲の人たちを動かしていくのです。これだけだとマンデラ大統領のリーダーシップは、マンデラ大統領だから発揮できたと思われるかもしれません。

 しかし、我々も学ぶところが多いと思います。これは映画の中の科白で出てくるのですが、「誰しもが自分自身に対して指導者である」と。つまり、自分の意識を変えなければ、指導者にはなれないということなのです。マンデラ大統領の場合は、それは白人に対する赦しでした。

 そこからいえることとして、リーダーシップを発揮するのは、他人であるフォロワーはもちろんなのですが、自分自身に対してもリーダーシップを発揮していかなければならないのです。とりわけ、この映画を通じて感じたのは、自分の意識を変えるということは、使命のために他人に奉仕するという意識にならないといけないということでした。リーダーシップは偉大な人だけの問題ではなくて、我々一人ひとりの問題だということでは、ないでしょうか。   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10.01.13

リーダーシップ教育のニーズ

あけまして、おめでとうございます。

本年も、よろしくお願いします。

昨日、京都市児童館・学童保育所職員研修会の講師として「リーダーシップ」について講演してきました。

経営学が専門なので、児童館や学童保育所の職員さんへの研修の依頼がきて、初めは「分野も違うし大丈夫かな」と思っていました。ところが、いざ研修がスタートすると、受講生の皆さんが真剣に話をきいてくださったので、充実したものになりました。

リーダーシップは分野の枠をこえて必要とされているものであると、改めて認識しました。

特定の目的を達成するために人が集まって何かしようとするとき、そこには必ず人間関係の問題が出てきてリーダーシップが必要になります。

リーダーシップは個人のセンスで決まると思われている方も多いと思いますが、むしろ経験と学びで身につけていくものであるという見解が主流です。

今年も、ささやかながらリーダーシップを身につけるお手伝いができるように精進していきたいと思います。

 

 

.
.
このページの先頭へ