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10.02.10

映画「インビクタス―負けざる者たち―」

 昨日、南アフリカ共和国のネルソン・マンデラ元大統領と1995年のラグビーワールドカップで優勝したラグビー南アフリカ代表を描いたクリント・イーストウッド監督の「インビクタス―負けざる者たち―」を見てきました。

 映画では、アパルトヘイトと呼ばれた人種隔離政策を廃止した後の南アフリカ共和国で黒人初の大統領となったネルソン・マンデラが人種の壁を超えた新たな国づくりを目指すなかで、地元で開催されるラグビーのワールドカップでナショナルチームを優勝へと導くことでその一歩を踏み出そうとする姿が描かれています。

 肌の色を超えて南アフリカの全ての国民が一体感を持ち、国が盛り上がっていくことを使命としてマンデラ大統領が懸命にリーダーシップを発揮していく姿が、映画の随所で描かれています。また、マンデラ大統領の周辺の人物が彼のリーダーシップによって意識が徐々に変化して行く動きは大変興味深いものでした。

 マンデラ大統領は、人種の和合した国家を築くという使命に奉仕するサーバント・リーダーシップに徹します。マンデラ大統領のサーバント・リーダーシップの根本には、それまでの数々の苦悩を与えてきた白人に対する赦しがあります。一言で赦しといっても、30年近く投獄されていたマンデラ大統領にとっては、我々の想像を絶する決意だと思います。その決意がマンデラ大統領を動かし、やがて周囲の人たちを動かしていくのです。これだけだとマンデラ大統領のリーダーシップは、マンデラ大統領だから発揮できたと思われるかもしれません。

 しかし、我々も学ぶところが多いと思います。これは映画の中の科白で出てくるのですが、「誰しもが自分自身に対して指導者である」と。つまり、自分の意識を変えなければ、指導者にはなれないということなのです。マンデラ大統領の場合は、それは白人に対する赦しでした。

 そこからいえることとして、リーダーシップを発揮するのは、他人であるフォロワーはもちろんなのですが、自分自身に対してもリーダーシップを発揮していかなければならないのです。とりわけ、この映画を通じて感じたのは、自分の意識を変えるということは、使命のために他人に奉仕するという意識にならないといけないということでした。リーダーシップは偉大な人だけの問題ではなくて、我々一人ひとりの問題だということでは、ないでしょうか。   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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