Think&Act! 関大生 仲間と切磋琢磨 今しかできない大学でのテニスに全力を注ぐ 経済学部 4年次生
山口 花音(やまぐち かのん)さん 

進化し続けるテニス 自分の強みを生かして勝利を掴む

—体育会テニス部に入ったきっかけは?

 テニスをはじめた4歳の頃から、姉が最大のライバルでした。姉は高校時代に全国優勝するほどの実力者で、いつか姉を超えたいと思い続けてきました。関西にある大学への進学を希望していた私は、「姉が通う大学に勝てる大学はどこだろう」と考え、当時関西で1位だった関西大学体育会テニス部に入部を決めました。2年次生の時、姉の引退試合でもあった王座決定戦(全日本大学対抗テニス王座決定試合)で直接対戦する機会が訪れましたが、残念ながら勝ちたいという夢を叶えることはできませんでした。

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—テニスの魅力はどんなところですか?

 テニスには〝完成形″がないと感じています。10年前と現在とでは打ち方のフォームも大きく変わり、ラケットの機能も改良が重ねられるなど、今も進化し続けています。また、フィジカル(身体面)だけでなく戦略や分析力などさまざまな能力が総合的に求められるスポーツです。
 私自身、運動神経が特別に良いわけではありませんが、相手のコースなどを分析してプレーする強みを活かして勝つことができています。ほかの人にはない自分の武器があれば強くなれる—それがテニスの面白さであり魅力です。

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経験を積んで挑んだインカレ

—2024年のインカレ(全日本学生選手権)では、"全試合ストレート勝ちでの優勝"という輝かしい成績でした。

 今まで17年間テニスを続けてきましたが、個人戦では全国大会の優勝経験がなく、高校時代も最高成績はベスト8でした。全国優勝は私にとって程遠い目標でしたが、関西大学に入学し、体育会テニス部でしっかりと力を付けて、優勝を掴むことができました。多くの方の支えがあってこその結果で、感謝の気持ちでいっぱいです。

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2024年全日本学生テニス選手権大会で、優勝が決まった直後の山口さん

—インカレ前に、特に意識して取り組んだことはありましたか?

 「試合経験を積もう!」と思い、3年次生の春休みに3週間ほど、一人で関東へ遠征に行きました。目標は、国際テニス連盟(ITF)公認の「亜細亜大学国際テニストーナメント2024」本戦出場。そのために、ワイルドカード(主催者推薦枠)を得られる予選大会にエントリーしました。
 この大会は、学生だけでなくプロ選手も参加する国際大会。私は予選の決勝で敗退となりましたが、普段は対戦する機会がないプロの選手と試合をする中で、ボールの質や試合運びの違いを体感することができました。また、練習メニューの作成、スケジュールや体調の管理、宿泊場所の手配まで全て自分で行ったことで、「一人で生きていく力」のようなものも養われたと思います。

周囲のサポートが勝利につながる大学テニス

—今までで一番印象に残っている試合は?

 昨年の王座決定戦ですね。私が入学以来、チームはずっとベスト4止まりでしたが、昨年ついに早稲田大学に勝ち、創部以来2度目となる準優勝を果たしました。決勝への切符をかけた試合で、チームの成績は2勝2敗。私の試合が勝敗を決する1戦でとても緊張しましたが、そこで勝ちきることができたことが強く印象に残っています。

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—体育会テニス部では主将を務めているそうですね。

 はい。現在は女子部の主将として、練習中に困っている人がいないか、練習メニューを理解できていない人がいないかなどに常に気を配り、効率的な練習ができるよう心がけています。遠征などで私がいなくても、上級生らが工夫してメニューを組んで後輩の指導を行う体制が整っているので、私も安心して自身のプレーに集中できています。部員がより良い部活動ができるよう、今後も頑張っていきたいです。

—大学のテニス部でしか得られない経験はありましたか?

 高校までは、緊張から自分の実力を発揮できないことも多かったことから団体戦に苦手意識をもっていました。大学では一番大きな大会が団体のリーグ戦なので、団体戦で勝つことがチームの目標になります。今でも団体戦は緊張しますが、毎日の練習を通してチームの温かさを感じ、部員からの全力の応援を受けて、良い雰囲気の中で試合に臨むことができています。"応援やアドバイスといった周囲のサポート無しには勝てない"ことが、大学テニスの大きな特徴だと思います。

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 もちろんチーム内でのレギュラー争いはありますが、そんな競争がチームを強くし、選手層を厚くするのだと実感しています。強い仲間に囲まれているからこそ私も頑張ろうと思える、お互いにとって良い環境ですね。
 テニスの試合は平日にも開催されるため、やむを得ず授業を欠席することもありますが、友人に授業の内容を共有してもらったり、先生方にサポートしていただいたりしながら、学業にもしっかり取り組んでいます。

悲願の「王座優勝」に向けて

—今後の目標は?

 ドイツで7月に開催される「FISUワールドユニバーシティゲームズ2025」に日本代表として出場するので、まずはそこで日本チームに貢献できるように頑張ります。また、テニス部としては1年次からの目標である団体戦優勝を実現したいと思っています。昨年に続きインカレ2連覇の達成、そして王座決定戦での初の団体優勝を目指しています。

—後輩へのメッセージをお願いします。

 大学を卒業するとテニス競技を終える人も多いので、部員には「今しかできないテニスに全力を注いでほしい」と伝えたいです。もちろん学業にもきちんと取り組み、大学での経験を将来に活かしていけるように、一人ひとりが自覚を持って行動してほしいと思います。「王座優勝」という目標に向かって、一致団結して頑張りましょう!

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編集部追記:「FISUワールドユニバーシティゲームズ」で金メダルを獲得!

 7月16日から27日にドイツで開催された大学生のオリンピック「FISUワールドユニバーシティゲームズ2025」に日本代表として出場した山口さんは、テニス女子ダブルスと団体の2種目で金メダルを獲得しました。山口さん、おめでとうございます!

経済学部 4年次生
山口 花音(やまぐち かのん)さん

大阪府 浪速高等学校出身