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「市民権とマイノリティ」研究班

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「市民権とマイノリティ」研究班
「タイ刑事補償法調査団来学」


タイは、アジアにおいて日本と同様、法律の制定・整備などの「近代化」をおこなってきたことなどもあってか、植民地支配を受けなかった数少ない国である。第二次世界大戦後も、「司法」および司法権の一層の確立がはかられ、国会では各種法典の整備、改正が不断におこなわれている。今回(2011年10月24日)、関西大学を訪問したのは、刑事被告人への財政的援助および刑事補償法関係法令の改正を検討する法務省、最高裁判所およびタマサート大学法学部のスタッフで構成される調査団である。

刑事被告人が無罪判決を受けたとき、どのような要件と内容で「補償」がおこなわれるのか(おこなうべきなのか)は、刑事政策の問題であるとともに、より重要なのは国民の基本的人権の問題として考えることであろう。また、「裁判を受ける権利」は、刑事事件において弁護人を付することなどによって初めて実効的なものとなる。タイでは、早くから刑事補償関係法令が制定されてきたが、「恩恵」的な側面も残り、権利の実現・救済としては不十分な点が多々あるのではないかとして、現在、改正のための検討・調査がおこなわれている。

今回関西大学を訪問したのは、国会に設けられた上記目的の委員会メンバー(Don BOUNNAG氏など2名)および専門家であった。専門家の内訳は、法務省の設けた専門委員会のメンバー(Pitikan SITTHIDET委員長など7名)とタマサート大学法学部のスタッフ(Narong JAIHARN副学部長など4名)である。関西大学側は、後藤元伸政策創造学部長、本研究センター長らが応対し、刑事法関係の専門家として本学の葛原力三法学部教授、山名京子法務研究科教授、飯島暢法学部教授などのみならず関西に在住する刑事法研究者も加わった。

同調査団は、法務省法務総合研究所国際協力部で日本の当該法制度と運用の現状と課題の説明、および大阪地方裁判所見学と刑事裁判制度の説明を受けることとなっていたので、本学では日本の現状と課題についての研究者とのフリートーキングという形で葛原教授の説明を手がかりとしつつ懇談をおこなった。

孝忠 延夫(関西大学政策創造学部教授、マイノリティ研究センター長)

 


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