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「辛亥革命100周年記念国際会議『未竟之革命』参加記-台湾高雄市国立中山大学(2011年11月11~13日)」


縁起:きっかけは昨年の2月21日にCMSが長崎県立大学でワークショップを開催した時の事でした。その日の夕食での雑談中に孝忠先生がふと「今年は辛亥革命100周年ではないか」、また「どこかで関連の会議が行われているか知らないか」とおっしゃられました。それから数日後に偶然にも、主催者である国立中山大学の曽國祥教授から「今年は辛亥革命100周年の会議を開催するのだが良かったら参加しないか、また参加を希望される日本の先生方はいないか」という連絡が来ました。そこで私は直ちに孝忠先生と安武先生にお伝えした所、お二人とも喜んで誘いを受け入れてくれました。

会議:殆どの辛亥革命についての論文は辛亥革命に否定的で、特に中国からの学者達は台湾側より更に否定的でした。中国からの学者の否定的な観点への見方は二つあり、一つは彼らがあらゆる革命に反対していて、特に20世紀の中国での革命、つまり辛亥革命から49年の中国共産党革命、60年代の文化革命など全てに対して否定しているという事です。その理由は彼らが中国共産党の正当性に対しても強く疑問を持っているからです(今回の会議で中国から或いは中国出身の学者の大物は殆どがこの見方を持っていました)。もう一つは今の中国での体制に対する批判や挑戦を否定するが故に辛亥革命にも否定的という見方です。何故なら辛亥革命が不成功であった事から、もし今の中国でまた革命が起こればそれも失敗するだろうという考え方なのです。どちらかの見方に同意しようとしまいと、辛亥革命は未だに中国の政治・学術論争において執拗低音として響いているという事です。

後記:今回私達3人は別々に海外初の新幹線で桃園から高雄まで向かいました。ちなみにお二方が高雄に滞在中に、パリで行われた世界パン職人コンテストで見事世界チャンピオンとなった呉寶春氏が高雄市に持つパン屋にて、あらかじめ予約しておいた通常予約3カ月待ちの名物パンを手渡す事ができました。その後に安武先生とこの呉寶春氏がパティシエを務めていた事のあるフランス料理のレストランを訪れましたが、安武先生はその質に感銘を受けられたのと同時に「これからの世界での競争は国単位ではなく、市や店、大学個々の単位間での競争になるのだろう」と呟かれていたのが印象的でした。
http://www.taipeinavi.com/shop/357/ (高雄市にある呉寶春氏のパン屋の紹介記事)

蔡 孟翰(千葉大学大学院人文社会科学研究科特任准教授)

 


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