アヒリヤーバーイー・ガート(インド・ワーラーナシー)
[写真提供:田中鉄也氏(2005年10月撮影)]
(関西大学大学院博士課程後期課程)
写真は、夜明けの沐浴で賑わうアヒリヤーバーイー・ガートをガンガー(ガンジス川)から写したもの。沐浴をするものや観光客、またガート(沐浴場)に駐在し巡礼者を指導する聖地儀礼僧などで雑然としている。同ガートは、ワーラーナシーのガンガー西岸に据えられていた80を超えるガートのほぼ中央に位置し、マールワー(現在のマディヤ・プラデーシュ州南西部)はインドールを中心に栄えたホールカル王国の王女デヴィー・アヒリヤーバーイー・ホールカル(1725-1795)の寄進によって行われたガートの修復・拡張作業において、1778年設置された。彼女は1777年ワーラーナシー市街地中心のヴィシュヴェーシュヴァラ寺院(通称ヴィシュヴァナート寺院)の修復をしたことでも有名(ムガル帝国第6代皇帝アウラングゼーブによる破壊の後、彼女によって修復された姿で現在まで残る)。また悲しい記憶として、一昨年イスラーム系のテロ組織インディアン・ムジャーヒディーンによる爆弾テロ事件の舞台となったことが思いだされる。2010年12月7日もっとも人出が集まるダシャーシュワメード・ガートでの日没時のアールティー儀礼中に、アヒリヤーバーイー・ガートに隣接するガート(シータラー・ガート)で爆弾が爆発し、死亡者2名を含む多くの観光客が爆発にまきこまれた。