研究員の研究活動
第1回関西アジア法研究会の開催
5月18日、関西大学において、第1回関西アジア法研究会が開催された。この研究会は、本研究センターの浅野宜之研究員、四本健二研究員らが中心となって準備を進めてきたものであり、当日は、福岡など関西地域にとどまらない地域からも多くの参加者があった。
この第1回研究会の報告者は、いずれもアジア経済研究所の研究プロジェクト「開発途上国とりわけアジアの障害者と法:法的権利確立の観点から」の研究分担者であり、この共同研究の成果は、近々公刊されるとのことである。この共同研究は、現状における開発途上国の障害者の権利確立の実態解明などを目的としており、①障害者立法、②権利救済システム、③訴訟・申立事例などの調査分析を通して、権利条約が謳っている非差別、法の下の平等、司法へのアクセスの実現可能性についての考察をおこなっている。
上記共同研究は、アジアの7カ国を研究対象とするが、今回は、カンボジア(四本研究員)、タイ(西澤希久男研究員)、そしてインド(浅野研究員)の事例を手がかりに、障害者立法の有無や条文解釈にとどまらない、障害者立法の運用などをも含めた、権利確立の具体的なプロセスが示され、活発な論議がおこなわれた。
孝忠 延夫(関西大学政策創造学部教授、マイノリティ研究センター長)