第2回 関西アジア法研究会
2010年9月21日、関西大学において第2回関西アジア法研究会が開催された。報告は、2つあり、1つは、坂野一生氏(神戸大学大学院国際協力研究科)の「カンボジア新民法の特徴と課題:法整備支援の経験から」であり、もう1つは、安田信之氏(関西大学政策創造学部)の「書評:稲正樹/孝忠延夫/國分典子編著『アジアの憲法入門』(日本評論社、2010年)」であった。坂野氏の報告は、「近代化」の自らの経験とプロセスをふまえた日本の法整備支援事業の特徴を浮き彫りにするものであった。時間の関係で、新民法の具体的な内容の検討にまで論議を進めることができなかったのは残念であった。また、安田氏の適切かつ率直な「書評」は、その厳しさの背後に「アジア憲法」研究の展開可能性を信頼する暖かさの感じられるものであった。会員からは、類書もみられないことから、構成、内容について今後、さらに工夫していくことの必要性が指摘された。なお、この研究会の代表に香川孝三氏(大阪女学院大学)を選んだ。
孝忠 延夫(関西大学政策創造学部教授)