タイ王国裁判官・裁判所職員研修セミナー
この研修セミナーは、以前当研究センターのPDをつとめていた辻雄一郎氏(現・駿河台大学法学部)がタイ王国司法省のリーガル・アドヴァイザーであることから、関西大学での開催の打診があり、大学院法学研究科が主催し、当研究センターが協力・共催して開催・実施することとなったものである。
6月3日、最高裁裁判官8名を含む33名の裁判官が来日し、百周年記念会館特別会議室で研修セミナーがおこなわれた。講義は、孝忠延夫氏(政策創造学部教授、当研究センター長)による「日本における司法権と『法の支配』」と鳥越健治氏(法科大学院教授・元広島高裁長官)による「民事裁判とADR」の2つであった。裁判官からもタイの制度との違い、改革の具体的内容などについての質問がなされた。なお、この研修セミナーにおいては、上原洋允理事長および河田悌一学長からの挨拶もあった。
マイノリティ研究センター長
関西大学政策創造学部・孝忠延夫教授
6月15日~26日、最高裁判所裁判官1名を含む45人の裁判所職員を迎えて研修セミナーがおこなわれた。司法制度改革、ADR、少年事件・矯正制度などに関して学内外の10人を超える教授陣が講師として協力した。また、大阪地方裁判所、大阪家庭裁判所、浪速少年院、さらには大阪弁護士会などで、見学・説明会、講義を実施した。当研究センターが共催していることから、研修テーマの1つに「人権保障・マイノリティと裁判所」が加えられ、関連する講義がおこなわれた。
関西大学政策創造学部・後藤元伸教授
浪速少年院にて(関西大学法科大学院・栗原宏武教授同行)
この研修セミナーでは、北海道大学、名古屋大学、九州大学からアジア法研究の第1人者が助言者として出席し、カントリーレポートがおこなわれたこと、栗原教授や鳥越教授などのご尽力により、裁判所、少年院などでの実のある説明会が開催できたこと、当研究センタースタッフの献身的なサポートによってスムーズな運営ができたことなどのことから、参加者からは大変好評であった。また、タイの人々の真面目で、明るい「国民性」にふれることができたことも貴重な経験であった。
孝忠延夫