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教員が語る専門領域の魅力 vol.7

染谷 泰正 教授

新たに同時通訳ブースを設置し、本格的な通訳教育を開始。最新の CALL 教室では、映像を見ながら字幕をオンラインで翻訳していくダイナミックな映像翻訳教育もスタートします。

染谷 泰正 教授

Profile

専門は通訳翻訳理論研究・教育方法論、言語情報科学、コーパス言語学、マルチメディア教材開発、ESP 研究(特にビジネス英語研究)。関大には2010年度4月赴任。

 私の専門分野は上記のプロフィールにあるとおりですが、関大ではこのうち主として通訳・翻訳関係の授業を担当しています。2011年度の学部担当科目は、1年次配置の「翻訳論」「通訳論」「英語ライティング1」、3年次配置の「英語翻訳演習(字幕翻訳)」と「寄附講座1:通訳の理論と技法」などです。ほとんどの科目が今年から新たにスタートする科目ですが、関大外国語学部の学生の間では通訳や翻訳に関する関心が高く、また1年間の SA プログラムを経て高度な英語運用力を備えた、やる気のある学生が多くいますので、授業が始まるのを大いに楽しみにしています。

翻訳の授業―さまざまな分野の授業を用意

 このうち、1年次配置の「翻訳論」では日英対訳のある文学作品を使用し、日本語が英語に、また英語が日本語に翻訳されるときにどのようなことが起こるかを、文化的な問題、言語的な問題、あるいは翻訳者固有の問題という観点からじっくりと観察・分析していきます。3年次配置の「英語翻訳演習」では字幕翻訳を扱います。授業では、主として1950年代の米国映画を素材に、日本語による字幕付けを行います。春期授業では字幕に関する基本的なルール、字幕翻訳の特徴と制約、およびこれに応じた翻訳技法等について学習するとともに、字幕付きビデオ作成のために必要な技術的スキルを習得します。秋季授業ではひとつの映画作品全体に日本語字幕を付ける「字幕翻訳プロジェクト」に取り組みます。どの映画作品を扱うか……は秘密です(^_^)。作業は少人数のグループワークで行い、授業終了時に完成作品を DVD 化するとともに、公開試写会を行います。なお、「英語翻訳演習」の授業では、このほかに文芸翻訳、論説文の日英翻訳、実務翻訳等の各クラスも用意されていますので、学生はそれぞれの関心に応じて好きな授業を履修することができます。

通訳の授業―最新の設備とトップクラスの現役通訳者による授業

 「通訳の理論と技法」では最新の CALL 教室に新たに設置された同時通訳ブースを大いに活用して、本格的な通訳トレーニング(逐次通訳・同時通訳)を行います。教材はすべてオンライン化されていますので、24時間いつでもインターネット経由で自宅からアクセスし、好きなだけ自習することができます。このほか、通訳関連の授業として「英語資格試験対策1:英語通訳ガイド」と「寄附講座2:通訳ワークショップ」があります。「通訳ワークショップ」では、春期に「ビジネス通訳」を、秋季に「コミュニティ通訳」をそれぞれ扱います。いずれもトップクラスの現役通訳者を講師に招いて授業を行います。

 このほか、大学院ではゼミの他に「通訳翻訳教育方法論」と「外国語運用実習:通訳翻訳実習」を担当します。通訳翻訳者の養成、とくに指導者の養成を目的とした授業ですが、英語教師を目指す人たちにもぜひ参加していただき、“TILT(Translation and Interpreting in Language Teaching)” という新しい分野の可能性について議論したいと考えています。

学生のみなさんへのメッセージ

"Twenty years from now, you will be more disappointed by the things you didn't do than by the ones you did. So throw off the bowlines. Sail away from the safe harbor. Catch the trade winds in your sail. Explore. Dream. Discover."  (Mark Twain)