KANSAI UNIVERSITY

システム理工学部

学びのスタイル

数学科 2016年3月卒業
西村 大

研究テーマ

微分幾何学

数式だけでなく、内容を論理的に組み立てて説明。理解を促す力を、教員の仕事にも生かしたい。 数式だけでなく、内容を論理的に組み立てて説明。理解を促す力を、教員の仕事にも生かしたい。

卒業論文で取り組んだテーマは「シルベスターの問題」。「n個の点が一直線上にないとき、2点だけを通る直線が少なくとも1本は存在する」という内容です。高校と違って大学の数学は、数式だけでなく論理的な説明が必要となります。卒業論文の中間発表でも、どのような公理や定理に基づくのかを提示しながら証明。数式を書きながら説明し、研究室のメンバーからの質問にも答えます。教科書では省略されていた部分に気付かず進めていると先生からも「どうして、そうなるの」と鋭い指摘が。友人たちから「こんな考え方を用いては」などと助けられながら補いました。塾のアルバイトで教えていた中学生がこの問題に興味をもったため、図を描きながら説明したところ「わかった」という反応が。証明できたうれしさと、教え子にも伝わった充実感の両方を味わいました。今の研究室を選んだのは、藤岡先生の授業の進め方を見て尊敬していたからです。卒業後は中学教員として、先生から吸収した理解しやすい説明方法や、授業運営を実践したいです。

論理立てる力、批判的な視点はすべての仕事に必須。思いがけない職種にも、数学の手腕を生かせます。

西村さんの強みは「自分で考える力」です。教科書にすら、省略や間違いが含まれているもの。ちょっと疑ってみるくらいのほうが成長できます。教員をめざす人の多い学科ですが、論理立てる力、批判的な視点は、どんな仕事にも欠かせません。金融、コンピュータなどの分野からは特に多くのニーズがあり、法律や制度を構築するなど意外な場面にも生かせる可能性が広がっています。

数学科 藤岡 敦 教授

  • ※この学びのスタイルは2016年度のものです。

理工学研究科 システム理工学専攻
博士課程前期課程 1年次生
新堂 貴弘

研究テーマ

確率過程の構成について

確率過程の理論を学び、海外での研究交流を体験。数学の国際性を実感しました。 確率過程の理論を学び、海外での研究交流を体験。数学の国際性を実感しました。

時間とともにランダムに変化していくものの動きをモデル化する、確率過程の理論を学んでいます。この理論は株価、為替などの変化を説明するだけでなく、化学、生物学など幅広い分野に応用できる基礎ツールだと聞き、興味をもって取り組んでいます。研究の基本は、海外の大学で使用されている教科書を原文で読み進めること。日本語の文献も参考にしながら内容をまとめ、週1回開講されるゼミで発表を行っています。他の学生や院生からの質問に答えることが、自分の研究に対する理解を深めるのに非常に役立ちます。私が4年次のとき、ドイツのドレスデン工科大学を中心とした数学科の学生交換プロジェクトに研究室が参加するようになりました。私もドレスデンでの3週間の研究交流を経験。ドイツや韓国の研究者とのディスカッションを通じ、数学は世界の共通言語だということを強く感じることができました。今後は研究テーマを絞りこみ、彼らと目的のある議論を進められるようになりたいと考えています。

グローバルな研究交流を通じて世界も視野に入れた将来を切り拓いてほしいと思っています。

新堂さんは国際的なプロジェクトに積極的に関わり、関西大学に海外の学生が訪れたときも、率先して交流を進めてくれました。今後もさらに2カ月間、ドレスデンでの研究交流に参加する予定です。数学はグローバルな学問なので、英語での発表や議論も貴重な体験になるでしょう。彼が自分の研究を深め、将来に向けたビジョンを育てていくことを楽しみにしています。

数学科 上村 稔大 教授

  • ※この学びのスタイルは2015年度のものです。

理工学研究科 システム理工学専攻
博士課程前期課程 1年次生
平野 和也

研究テーマ

数理ファイナンス

金融市場の活性化と安定化を担う、数学の理論を磨いています。 金融市場の活性化と安定化を担う、数学の理論を磨いています。

「数理ファイナンス」とは、証券市場に関する金融や経済の問題を数理モデルを用いた数学的手法で議論する学問です。私は、特に市場のモデリングに用いられる確率微分方程式の解析について研究しています。現在は、毎週のゼミ発表を通じて、学部時代に学んだ測度論に基づく確率論やマルチンゲール理論などをベースに、確率微分方程式とそのファイナンスへ応用する手法について理解を深めているところです。この研究に興味をもったのは、3年次の夏に体験した銀行でのインターンシップで、普段学んでいる数学の知見が実務レベルでどう応用されているかを知ったのがきっかけです。
将来は、学部や大学院で学んだ数学の知識を生かして金融・保険業務の現場に携わることが目標。特に、保険・年金・リスク管理などの分野で活躍が期待される数理業務の専門家であるアクチュアリーに興味をもっていて、今後は自分の研究と両立させながらその資格取得にも挑戦したいと考えています。

金融市場の効率化やリスク管理に動機づけられた確率論の理論と応用に関わるダイナミックな研究を展開しています。

金融市場の効率化やリスク管理に関わる新たな学問分野として登場した「数理ファイナンス」は、確率論の一つの応用分野と考えられます。ここでは、確率微分方程式を用いて市場の数理モデルを構築し、解析するダイナミックな研究が展開されています。平野さんは、厳密な論理を駆使して答えを導き出すのに優れた学生です。具体的な現象に動機づけられた数学の問題を定式化し、解析する経験を踏まえる事で、活躍の場はより広がるでしょう。

数学科 長井 英生 教授

  • ※この学びのスタイルは2014年度のものです。

理工学研究科 システムデザイン専攻
博士課程前期課程 2年次生
中根 拓也

研究テーマ

確率過程論、特にマルコフ過程の漸近挙動について

さまざまな現象の説明に応用できる 確率論の奥深さに魅了されています。 さまざまな現象の説明に応用できる 確率論の奥深さに魅了されています。

確率論のなかで、時間とともに確率が変化する確率過程について研究しています。確率過程を数学的に記述したモデルは、生物学や経済理論など、社会のさまざまな場面で活用されています。私が取り組んでいるのは、応用範囲の広いマルコフ過程についての基礎研究です。マルコフ過程とは、将来ある事象が起きる確率分布が、現在の値だけで決まるような確率過程のこと。起きる回数を十分大きくとって考えると、一つの事象が進行するにつれ、確率分布が一定の状態に近づいていきます。そのときの近づき方や、近づく速さなどについて、詳しく知ることが現在の課題です。主に文献を読みながら新しいアプローチ法を探るスタイルで、少しずつ考えを進めています。最近は、自分の研究テーマに関連する海外の論文を読み始めました。この論文は、生物集団のなかで特定の種が生き残ったり死滅する確率と、そのときの速度について論じており、生物の進化を数学で説明できる点が興味深いです。新しい研究だけに複雑、かつ高度だと感じますが、数学に対する視野を大きく広げてくれる内容なので、理解を深めて自分なりの見解をもつために意欲をもって学んでいます。

常に変化していく事象の振る舞いについて 確率分布の視点からアプローチしています。

例えば、汚染物質が大気中を刻々と拡散していく様子を、粒子一個ずつについて記述するのは非常に難しいですが、一定の時間がたった後の分布は確率で調べることができます。そうした便利さがあるため、確率過程論は人口の増減など社会で広く応用されています。なかでも中根さんの研究テーマである確率過程の速度は、精度の良い予測値を短期間で得られるかどうかが決まる大事なポイントです。

数学科 上村 稔大 教授

  • ※この学びのスタイルは2013年度のものです。

理工学研究科 システムデザイン専攻
博士課程前期課程 2年次生
能勢 裕斗

研究テーマ

楕円曲線と保型形式

学びを深めるほど新しい発見に出合い、 さらに探求心がわいてきます。 学びを深めるほど新しい発見に出合い、 さらに探求心がわいてきます。

整数論とは、自然数の探求を出発点として素数について調べたり、複素数、四元数などへと概念を拡張した数を考える数学の分野です。そのなかで、私は楕円曲線の性質について研究しています。y2=x3+ax+bという方程式で定義される楕円曲線のうえでは、有理点同士は、定められたルールにしたがって足し算、引き算を行うことができ、交換法則、結合法則も成り立ちます。楕円曲線に関する離散対数問題は、非常に複雑で、時間がかかる計算になります。この「解くのに時間がかかる」性質が着目され、楕円曲線暗号という暗号システムが生まれたほどです。また楕円曲線の発展問題は、数学上の7つの未解決問題である「ミレニアム懸賞問題」の一つとしても有名で、とても奥深い分野です。私は現在、コンピュータを使って、楕円曲線上の有理点の個数を求める計算をできるだけ速く行う手法を追究しています。複素解析や幾何、代数など、学部で学んできた数学の知識が生かせると思って取り組みはじめましたが、楕円曲線について知れば知るほど難しさがわかってきました。しかし、解きながら自分の常識がくつがえされるのは刺激的で、研究に夢中になっています。

通信暗号にも応用される楕円曲線は 魅力あふれる研究テーマです。

大学で学ぶ数学は、高校までの数学よりも抽象的ですが、その成果は社会のなかで、さまざまな形で生かされています。能勢さんが研究している楕円曲線も、1980年代に楕円曲線暗号が開発されて以来、電子メールや携帯電話による通信内容の漏洩防止に活用されるようになりました。数学的にも活発に議論されている分野で、挑戦しがいのある研究テーマだと思います。

数学科 村林 直樹 教授

  • ※この学びのスタイルは2013年度のものです。

理工学研究科 システムデザイン専攻
博士課程前期課程 2年次生
伊藤 瑛志

研究テーマ

長さの異なる成功連に関する待ち時間の同時分布について

「新しい問題」を解いたという体験が、 研究への意欲を高めてくれています。 「新しい問題」を解いたという体験が、 研究への意欲を高めてくれています。

確率の問題を専門的に学び始めた4年次生のころ、課題を一つひとつ解き進めるうちに「わかる」の世界が広がっていくことが楽しくなり、大学院への進学を考えるようになりました。そこで安芸先生に相談したところ、「本格的に研究したいのなら、世界でまだ解決されていない問題に取り組んでみては」と勧められ、挑戦することになりました。この問題は「コインを何度か投げ、初めて表が出るまでにかかる回数を記録する。これを何度も繰り返し、その分布を調べる」という作業の応用編。例えば「3回続けて表」が3度出るのと「5回続けて表」が2度出るのはどちらが早いかというような、複雑な条件について、厳密な分布を考えます。数字を変えても成り立つアルゴリズムを求めることができれば解決ですが、場合分けが非常に多く、手計算ではとても間に合いません。しかし、研究室のコンピュータと数式処理ソフトを活用して、一般解を出すことができました。計算結果をシミュレーションとつき合わせ、合っているとわかったときのうれしさは、言葉にできないほど大きなものです。現在は、結果を論文にまとめ、欧文の専門雑誌に投稿する準備を進めています。この研究は「連続システムの信頼性の問題」という分野の最新型に当たります。一歩一歩理解を進め、世の中で役立つような数学研究に挑戦していくつもりです。

単純なモデルの理解から出発して、より現実に近いモデルを探求します。

コイン投げの結果を記述するのが、最もやさしい「統計的モデル」。世の中の現象はもっと不規則ですが、勉強が進めば、日常的現象を説明できる、より複雑なモデルを考えることもできるようになります。伊藤さんは粘り強く問題に取り組み、着実に進歩しています。数学の論文は、審査で認められれば世界中に公開されるため、研究結果が意外な分野に応用されることも。今後が楽しみですね。

数学科 安芸 重雄 教授

  • ※この学びのスタイルは2012年度のものです。

大域解析学研究室

研究テーマ

一般化された極値問題

高校までの数学の基礎に基づき、 不可視の領域にまで学びを広げます。 高校までの数学の基礎に基づき、 不可視の領域にまで学びを広げます。

数学科は、代数・解析・幾何という純粋数学のカリキュラムを組み、数学を真剣に学ぼうという人に門戸を開いています。大域解析学研究室で学ぶ「解析学」は関数の世界を研究する学問で、17世紀に微積分法が誕生して以来、発達してきた数学の分野です。高校生の皆さんは、数IIで関数の微分を学び、与えられた関数グラフの極値や増減を調べて描く練習をし、更に数IIIでは2階の導関数まで計算して、グラフの凹凸を調べたでしょう。そこで学んだのは、有限な区間の関数の性質について。それに対してこの研究室では、人間の直感が及ばない仮想的な世界まで扱います。例えば限りなくある値に近づいていくけれど、どこまでいってもその値はとらない(このことを「漸近的にある値に収束していく」と言います)関数の場合にも、極値を仮想して導関数を調べていくのです。1960年代に行われたこれらの研究は、微分幾何学の分野に大きく貢献することがわかり、応用研究が進みました。数学は本来、身につけるのに長い積み重ねが必要な学問。大学での4年間は、本格的な研究に向かうための基礎を養う時期だと考える必要があります。しかし「与えられた問題をやる」から「自分で問題をつかむ」まで進めれば、その先には非常におもしろい世界が開けています。

数学の力を伸ばすためには、言葉や歴史を幅広く学ぶ必要があります。

数III、数Cなど高校数学を十分勉強すること、そして、国語をもっと大切にしてください。表現や理解のあいまいさが誤解につながるので、きちんと質疑応答できる力が必要です。また、歴史も大いに重要。多様な理論を時代背景からも理解できるよう、数学科では数学史の講義も充実させています。

数学科 竹腰 見昭 教授

  • ※この学びのスタイルは2010年度のものです。

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