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社会人1年生のための統計学教科書

浅野 晃

SBクリエイティブ/2014年2月刊/256頁

社会人1年生のための統計学教科書

内容紹介

統計学は、数学そのものではありません。統計学を学ぶうえでまず本当に大事なのは、数式や計算そのものではなく、その数式や計算が表している考え方や「思想」です。統計学の手法には、たとえば、日本男性の一部の人だけを調べて「日本男性全員の身長の平均は、170cm±2.5cmと推測する。この推測の信頼の度合いは95%である。」というような答を導くものがあります。この手法は確率の計算式で表されますが、「何が95%なのか」を正しく理解するには、その本質である思想を理解する必要があります。この本では、「統計学の本質である思想」のほうを重点的に説明します。

人間が、大量のデータをざーっと眺めて「おお、このデータは要するにこういうことかっ!」とわかるほど賢ければ、統計学など必要ありません。しかし、残念ながら人間はそれほど賢くありません。データをひとつひとつ見ていっても、それだけでデータ全体から何かを知ることはできないのです。そこで、データ全体を要約する計算によって、大量のデータからその意味を導きます。この本の第1部では、そのための「記述統計学」といわれる手法を説明します。

また、世の中には、すべてのデータを調べることができない、あるいは「事実上」できない、という場合がよくあります。湖の水質を調べるのに、湖のすべての水を検査するわけにはいきません。また、選挙のときには一刻も早く結果が知りたいので、開票が終わる前に「当選確実」を報じます。このような場合に用いられるのが、データの一部だけを調べて、データ全体から言えるであろうことを推測する「統計的推測」です。データの一部を用いた推測は、実際には一部以外調べていないデータについて答えるのですから、誤差があるし、はずれている可能性もあります。その誤差や「はずれの可能性」を確率の考えを使って計算して、推測結果とともに述べる方法を、この本の第2部で説明します。

さらに、第3部では、統計学が私たちの生活のどのようなところに役立てられているかを説明しています。例えば、

  • 生命保険や損害保険が、少ない保険料を集めて多額の保険金を支払うことができるのはなぜか
  • 平均余命・平均寿命の意味と求め方
  • 必要なメールと迷惑メールを自動的により分ける「迷惑メールフィルタ」の仕組み

などです。

この本では、「数式を使わない」などとはけっして言いません。統計学は、その思想を数学に置き換えて、実際の問題に応用されます。それは、計算によって客観的な数値で答えを出すためです。数学以外の方法で計算する方法を、人類はいまのところ知りません。ただ、ここでいう「数学」は、特別にむずかしい数学ではありません。この本の内容を理解するのに必要な数学の知識は、+,-,×,÷,√(平方根),累乗の6種類しかありません。この本で説明する統計学で必要な計算は、これらを駆使すれば、十分行うことができます。

著者からのひとこと

2008年に統計学の入門書を出版していますが、それから6年間の講義の経験をもとに、構成を新たにして執筆したのがこの本です。前の本と同じように、統計学の計算そのものよりも、「いったい何を計算して、何を知ろうとしているのか」を解説しています。今回の本では、読者がデータに対する手作業をして、理解を深めながら読み進めるような工夫をしています。

目次

  1. Introduction 統計的なものの見方・考え方
  2. 第I部 十を調べて一を導く[記述統計学]
    1. 第1章 データにだまされない方法[統計における表現]
    2. 第2章 データの分布と「可視化」[尺度水準・度数分布・グラフ化]
    3. 第3章 データの「あらまし」をとらえる[平均と分散,標準得点]
    4. 第4章 酒を飲めば収入が増える?[相関関係と因果関係]
    5. 第5章 データから予測する[回帰分析]
  3. 第II部 一を調べて十を知る[統計的推測]
    1. 第6章 降水確率80%とは何を意味するか?[確率]
    2. 第7章 統計的推測の手がかり[標本調査,度数分布と確率分布]
    3. 第8章 いちばんよく出てくる「型」の分布[正規分布モデル]
    4. 第9章 分布の平均の「信頼できる推測」とは[区間推定]
    5. 第10章 測定の不確かさを測る[不偏分散とt分布]
    6. 第11章 分布についての仮説を検証する[仮説検定]
  1. 第III部 さまざまなリスクを測る[リスクと意思決定]
    1. 第12章 リスクと期待値の交換[生命表と保険]
    2. 第13章 地震予知と狼少年[ベイズの定理]
    3. 第14章 リスクを測って行動を決める[統計的意思決定]
    4. 第15章 因果関係を探る[疫学]

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