
教育開発支援
センター概要
目的・業務
教育開発支援センターでは、以下の任務を行っています。
目的
本学における教育の質的向上に向けた全学的な教育支援体制に係る諸施策の企画・開発及び推進を図るとともに、組織的かつ継続的に教育内容及び教育方法の改善(FD活動)を行い、本学の教育の発展に寄与すること。
業務
- 教育内容・方法の改善の支援及び推進
- 教育効果の評価方法の開発及び実施
- 教員の教育力向上の支援及び推進
- 全学的な教育システムの調査及び開発
- 教材開発・改善の支援及び推進
- 授業に関わる相談・改善
- 授業に関わるスタッフ(TA、LA等)の資質向上支援
- 教育環境向上のための研究及び調査
- 教育内容・方法に適した教育施設・設備の立案、管理
- 大学教育に関する学内外の情報、図書、資料の収集及び分析並びに情報の発信
- その他教育開発支援センターの目的達成のために必要な事項
教育開発支援センター規程
教育開発支援センター開室時間・場所
時間:10:00〜16:00(月〜金)
場所:千里山キャンパス 尚文館3階(地図)
関西大学におけるFDの定義
建学の精神および教育理念のもと、学部・研究科等の教育目標を実現するために、個々の授業やカリキュラムの向上、及び全学的な組織や学習・教育環境の整備について、教職協働や学生参画により推進するとともに、継続的に検証を行い、さらなる改善に活かしていく活動
教育開発支援センター長
ご挨拶
関西大学教育推進部教育開発支援センター長に着任いたしました岩﨑千晶です。これまで関西大学の教育理念である「学の実化(がくのじつげ)」を大切に、教育の質向上と学習支援の充実に向けて尽力してまいりました。今後も、本学の教育力をさらに高め、学生の皆さまの学びをより豊かなものにするべく、教育をよりよくするための取り組みを推進していきます。
教育開発支援センターと教育推進部の教員
教育開発支援センターは2008年10月1日に設置された機関です。本センターの目的は「本学における教育の質的向上に向けた全学的な教育支援体制に係る諸施策の企画・開発及び推進を図るとともに、組織的かつ継続的に教育内容及び教育方法の改善(FD活動)を行い、本学の教育の発展に寄与すること。」にあります。
私は教育工学を専門とし、大学教育における学習環境のデザインに関する研究を進めてきました。また教育推進部の教員は高等教育開発、教育社会学、教育心理学を専門としています。それぞれの専門性を活かしながら、学生のために、大学のためにどういった取り組みが必要なのかを職員とともに協力し合って検討し、学部教員との連携をより一層重視したFDの取り組みを推進したいと考えています。
さらに「本学における教育の質的向上に向けた全学的な教育支援体制に係る諸施策の企画・開発及び推進」には学生の自律的な学びを支える学習支援の活動も含んでおります。学生の学びを支える学習支援スタッフの制度の整備やスタッフの育成、ライティングラボの運営にも力を入れ、教育改善と学生の学びの支援を一体的に捉えて取り組んでいます。
関西大学におけるFDの定義と取り組み
関西大学におけるFDとは「建学の精神および教育理念のもと、学部・研究科等の教育目標を実現するために、個々の授業やカリキュラムの質向上、及び全学的な組織や学習・教育環境の整備等について、教職協働や学生参画により推進するとともに、それらについて継続的に検証を行い、さらなる改善に活かしていく活動」のことです。
本学では、主に以下の方法で学びの質向上を目指し、以下の方法でFD活動を展開しています。
1.研修(オンデマンド講義映像の提供、対面ワークショップなど)
2.教育研究(関西大学高等教育紀要の発行など)
3.個別相談
4.教材開発(教育ガイドブック、eラーニング教材など)
5.ニューズレターやメルマガによる情報共有
このような多様な方法を採用しているのは、先生方のニーズや状況に合わせて参加しやすい形を重視しているからです。気軽に取り組むFDスタイルで、あるいはじっくり取り組むFDスタイル、どちらのスタイルも大切にして、教職員が参加しやすく、取り組みやすい場づくりをこれからも心掛けていきたいと考えています。
FDの実施体制は、教育開発支援センターや教学IRが主軸となりますが、学部・研究科等と協力を得ながら実施します。また外部学協会とも適宜連携をとります。FDの対象は「①部局間等の組織を対象としたマクロレベル」「②カリキュラム単位を対象としたミドルレベル」「③個々の授業を対象としたミクロレベル」とします。複数のレベルに重なることもあります。これらの活動に対しては、アンケートやヒアリング等の調査、自己点検評価、認証評価等によってFD活動をふりかえり、調査結果をもとに改善していきます。
自律的な学びを支える学習支援の取り組み
本学では、学生の自律的な学びを支援するために、様々な取り組みを行っています。本センターでは具体的な取り組みとして、以下のようなプログラムを展開しています。
ライティングラボ:専門のトレーニングを受けた主に大学院生のチューターが、レポートや論文作成のサポートを行い、学生の「書く力」を育む支援を行っています。
TA(ティーチング・アシスタント)制度:主に大学院生が教員の教育活動を補助し、学生の学習をサポートする制度です。実験・実習の指導や、ディスカッションのファシリテーションなど、多岐にわたる教授支援を行っています。
LA(ラーニング・アシスタント)制度:主に学部生が学生の学習をサポートする制度です。LAは授業内でのグループワークの支援や、授業外での学習相談など、学習者の視点に立った支援を提供しています。
学習支援スタッフ(ライティングラボチューター、TA、LA)には、研修制度を設けています。定期的なワークショップやトレーニングセッションを通じて、支援スキルの向上や最新の教育理論・方法の習得を図るようにしています。また、実践的な演習を通じて、実際の支援場面を想定したトレーニングも行っています。
これらの取り組みは、支援を受ける学生だけでなく、支援を行う学生スタッフにとっても大きな学びの機会となっています。本学の学習支援システムは、支援を受ける学生と支援を行う学生の双方に価値ある学びの機会を提供しています。これにより、学生同士の学び合いを促進し、多様な学習ニーズに応える支援体制を構築するとともに、次世代の教育的リーダーの育成にも貢献したいと考えています。
過去の取り組みを大切に、伝統を超える未来を拓く
また本センターの前身は、全学共通教育推進委員会FD部門・授業評価部門委員会でした。初代委員長の水越敏行教授は授業アンケートの結果について分析をされたり、教員の授業の様子をビデオにまとめて提供されたりする映像教材を開発されていました。こうした取り組みは形を変え、現在も続いています。これまで教育開発支援センターにご尽力くださった教職員の皆様の取り組みを大切にしつつ、生成AIの教育的活用、ICTを活用した教育実践等の先進的な取り組みと伝統的な対面教育の良さを融合させることで、時代に即した効果的な教育・学習環境を構築していきます。
教職員の皆さまには、関西大学の教育、学生の学びのために本センターの活動にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
関西大学 教育開発支援センター長
岩﨑千晶(教育推進部 教授)