2018年3月16日(金)に、山形県山形市にある東北芸術工科大学にて、同大学と共催で「文化財保存修復の大学教育・教育活動に関する研究会」を開催しました。研究会には、日本全国より、大学等の高等教育機関において、文化財の保存・修復などの教育に携わる専門家約40名が集まりました。
研究会のはじめには、2001年4月に開設された東北芸術工科大学附属の文化財保存修復研究センターを視察しました。同センターでは、東北地方を中心に、地域の文化財や美術品を対象とした多方面の活動がおこなわれています。
研究会では、文化庁地域創成本部事務局長の松坂浩史氏より「文科省からみた大学教育の現状と文化財教育の課題」の基調講演を、筑波大学世界遺産専攻教授の松井敏也氏より「文化財保存修復教育の実態調査と課題」の基調報告を頂きました。そして、東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター長を務める沢田正昭氏(当センター研究員)を座長として、文化財保存修復の教育をテーマとする総合討議をおこないました。各大学等で取り組む教育活動について関係者間で情報を共有するとともに、今後の文化財保存修復等における課題について意見を交換する貴重な機会となりました。
当センターが主催する研究会は今回が最後となりますが、同様のテーマを取り上げた会合の場は、来年度以降も継続して設けられる予定です。