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関大との絆が育んだウクライナ出身力士 安青錦関が大躍進!

安青錦 新大(あおにしき あらた)関の勢いが止まらない。初入幕から2場所連続で敢闘賞を受賞。7月の名古屋場所では前頭筆頭まで昇進しました。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、当時関西大学相撲部主将だった山中新大さんを頼って日本に避難して3年余り――。今、相撲界の新星として注目を集める安青錦関の素顔について、現在は相撲部コーチを務める山中さんにお話を聞きました。

身体の強さと技の巧さが安青錦関の強さのポイント

安青錦関は、本場所でも変わらず力強い相撲を発揮し続けています。角界入りの際には「大相撲はそう甘くない」と懐疑的な声もありましたが、初土俵から破竹の勢いで勝ち進んできました。
私自身は、彼ならすぐに番付上位に喰い込むだろうと思っていたので、今の活躍にも全く驚きはありません。彼の強みは、なんといっても体幹の強さ。低い姿勢を保ったまま上体が起きることがなく、取り口が非常に安定しています。外国出身の力士のなかには、力まかせで大きな相撲をとるタイプもいますが、安青錦関は違います。相手の力も巧みに利用し柔軟に技をくり出すことができる、ある意味で非常に「日本人的」な、正統派の力士といえるでしょう。身長180センチ強、体重は140キロ程度と、関取のなかでは特別大きな身体ではありませんが、身体の強さと技の巧さを兼ね備えているからこそ勝機を引き寄せられる。まだまだ上を目指せる力士だと確信しています。

関西大学相撲部コーチ 山中 新大さん(2023年社会学部卒業)
彼の背中を押した、数々の出会い。切り開いた道を照らす相撲への情熱。安青錦関の相撲人生は、今も前進中だ。

小さな出会いが導いた、日本へ、そして角界への道

彼と初めて出会ったのは、2019年に堺で開催された世界ジュニア相撲選手権でした。彼はまだ15歳でしたが、相撲の取り口の巧さと勝ち切る力に驚き、思わず私から声をかけたのを覚えています。当時、私は20歳だったのですが、英語でうっかり12歳と伝えてしまい、「こんなに大きな小学生がいるのか!」と驚いていました(笑)。
その後、Instagramを通じて連絡を取り合うようになり、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、彼は母親のいるドイツへ一時移住。そして、出国制限がかかる18歳になる前に日本への避難を決意し、2022年4月から私の家に下宿することになりました。関西大学も彼を快く受け入れてくださり、ともに相撲部の土俵で練習を重ねました。その後、さまざまな御縁がつながり、彼が角界入りを果たしたのが同年12月のことです。

地道な鍛錬と探究心を忘れずこれからも相撲道を邁進してほしい

安青錦関は本当に真面目で研究熱心な青年です。勉強は苦手と言っていましたが、日本語もすぐに上達し、今ではLINEでのやりとりもすべて日本語です。話す内容は、いつも相撲のことばかり。身体の鍛え方や新しい練習方法についてなど、お互いに情報交換をしています。そんな彼の相撲にかける情熱が、周囲の人たちを動かし、彼の素晴らしい相撲人生を形づくっているのだと、私は心から感じています。だからこそ、強くなっても初心を忘れず、感謝の気持ちと稽古好きの姿勢を貫き、自分を磨き続けてほしいと願っています。
本場所が終わると、彼は神戸の私の家へ帰省してきます。彼が日本での四股名に「安青錦新大」と、私の名前「新大」を付けたと知ったときは驚きましたが、私も彼のことを家族のように思っています。彼を下宿させたいと話したとき、温かく受け入れてくれた父と母には心から感謝しています。安青錦関が帰ってきたときは、彼の大好きなチゲ鍋を家族みんなで囲みながら、これからも一緒に相撲について語り合いたいと思っています。
ご父母の皆さまも安青錦関のこれからにご注目ください。また、130年を超える歴史を持ち、日本最古の伝統を誇る関西大学相撲部についても熱い応援をお願いいたします!

安青錦関と関西大学相撲部

  • 2019.10 堺で開催された世界ジュニア相撲選手権にて、安青錦関と山中さんが出会う。
  • 2022.4 ロシアのウクライナ侵攻を受けて、安青錦関が日本へ避難。山中さんの自宅で下宿を開始。
  • 2022.6 山中さんが主将を務める関大相撲部が、45年ぶりに1部昇格。
  • 2022.12 安青錦関が安治川部屋の研修生に。
  • 2023.9 初土俵を踏む。
  • 2024.11 安青錦関の十両昇進を祝い、関大相撲部が化粧まわしを贈呈。

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関西大学相撲部の公式Instagramもぜひご覧ください。

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