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データで世界を変える!ビジネスデータサイエンス学部、誕生。

2025年4月、関西大学に14番目の学部となる「ビジネスデータサイエンス学部」が誕生しました。
吹田みらいキャンパスを舞台に展開される新学部の学び、キャンパスライフ、そして進路・就職についてご紹介します。

01_吹田みらいキャンパスのご紹介

学生の利便性を考えて多様なアクセスを実現

ビジネスデータサイエンス学部の学びの拠点は、2023年10月に開設された「吹田みらいキャンパス」です。千里山キャンパスから北東へ約2.2キロの距離にあり、JR京都線「岸辺」駅から徒歩で約18分、阪急バスを利用すれば約5分でアクセスできます。全国7,000ヵ所以上で利用できるシェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」の駐輪ステーションも設置され、学生の利便性を考えて多様なアクセスを実現。千里山キャンパスや最寄駅周辺にも駐輪ステーションが複数あります。さらに、千里山キャンパスとの間には無料シャトルバスが運行されており、授業やクラブ活動などでキャンパス間を行き来する際もスムーズに移動ができます。

多様な学びの拠点となる学習・協働スペース コモンズ

吹田みらいキャンパスはもともと大手グローバル製薬会社の研修施設だった場所につくられました。洗練された施設・設備が特徴で、ビジネスデータサイエンス学部の教室棟である「サウスウイング」や、国際学生寮がある「ノースウイング」の広々とした空間は、関西大学の「知」をリードする新学部の舞台に相応しいものです。サウスウイングのエントランスには、さまざまな机・椅子、モニターなどを配置したコモンズを新設。このコモンズはレポート作成やプレゼンテーションの練習、また企業連携型のプロジェクトに取り組む場などとして活用され、学生たちが日々集まり研鑽を積むスペースとなります。

02_ビジネスデータサイエンス学部がめざす人材育成

データを科学的に分析し、 問題解決に活かせる人材を育成

ビジネスデータサイエンス学部が育成をめざすのは、21世紀の最重要資源とされる「データ」を活用して社会の課題を解決へと導く人材です。情報技術の進化によって人々の日常的な行動がデータとして収集され、その「ビッグデータ」は私たちの生活に大きな影響を与える可能性を秘めています。しかし、データそのものは単なる情報に過ぎません。データをどのように活用するかを考えるとき、効率的で持続可能な仕組みをつくる「ビジネスの視点」は不可欠といえます。そのため、ビジネスデータサイエンス学部では、学部名の通り「ビジネス」の視点と「データサイエンス」の視点を融合させたカリキュラムを提供します。

ビジネス力、データサイエンス力、 そして人間力を身につける

本学部では、「ビジネスからのアプローチ」として、ビジネスの基礎や最新の理論を学ぶとともに、効率的なビジネス手法の開発や新規事業の企画など実際のビジネスに直結する実践型の学びを展開します。また「データサイエンスからのアプローチ」では、プログラミングやセキュリティ、深層学習、データベースなどの技術を駆使し、データを科学的に分析できる力を養います。そして、それらのスキルをビジネスに実装できる力を磨きます。
身につけた力を発揮して社会で主体的に行動できるよう、学部では「人間力」の育成も重視します。チームでチャレンジするアクティブラーニング科目を豊富に設け、課題達成に向けて他者と協働し、プロジェクトを前に進める力を徹底して鍛え上げます。加えて外国語学習も充実させ、その力を世界で発揮できるように導きます。

社会とつながり実践を重ねvる

ビジネスデータサイエンス学部が養成する力

こうした学びの中心となるのは、演習を主体とした「アクティブラーニング」です。4年間を通じて少人数制の演習科目を設け、課題解決型の学習に取り組みます。実際の企業データを活用し、マーケティング戦略や経営戦略を立案するPBL型のプロジェクトなども豊富に実施。これらのプロジェクトはグループで取り組むことが多く、チームメンバーそれぞれの強みを活かせる環境づくりも大切になるため、入学前には新入生を対象に「チームビルディングスキル」を養う研修を行うなど、入念に準備を進めてきました。
授業で学んだ知識やスキルを活かしてアクティブラーニングに挑戦し、実践で気づいた不足を授業で補完する、そのような「理論と実践が循環する学び」を通じて学生たちは成長していきます。ときには失敗も経験するでしょうが、それを次の挑戦への糧にするのが新学部のスタイル。チャレンジ精神を大いに発揮して4年間を過ごすビジネスデータサイエンス学部の学生たちは、関西大学に新たな活気をもたらしてくれることでしょう。

ビジネス力

ビジネスを創造できる実践的な力

ビジネス革新を推進する新たな手法の開発や、社会課題を解決するまったく新しい事業の構築など、データサイエンスの力を駆使したビジネス創造力を養います。また、チームが最高のポテンシャルを発揮できるように構想力・調整力を養成します。

データサイエンス力

統計から人や社会の動きを捉える力

蓄積されたデータを読み解いて人の行動や社会の現象の背景をとらえ、新しい知見を導き出す力とともに、それらをビジネスの諸問題に役立てる力を身につけます。プログラミングや情報セキュリティ、深層学習、データベースなどの技術を学びつつ、それらをビジネスに実装できるスキルを養います。

人間力

自らの人生を主体的に切り拓く力

社会の課題を自分ごととしてとらえ、それらの課題に対して知識や経験をもとに解決策を考え行動できる力を養います。また、ビジネスやデータサイエンスの進化に対しても、学び続け・行動し続けることで自分自身をアップデートし、主体的に人生を切り拓いていける人材の育成をめざします。

03_ビジネスデータサイエンス学部生のキャンパスライフ

「快適さ」を追求しデザインされたキャンパス

吹田みらいキャンパスは学生生活の快適さにも配慮して設計されています。キャンパス内には、前述のコモンズを中心に、一人でもグループでも集中して学べる空間を整備しています。ビジネスやデータサイエンスに関する専門書を探したいときは、図書館へ。図書館では、蔵書以外にも予約配送サービスを利用し、千里山をはじめとする他キャンパスの図書館の蔵書を取寄せることが可能です。また、コモンズ内にもビジネスやデータサイエンスに限らず、幅広い分野の書籍を揃えるなど、学生たちの知的好奇心を刺激する環境を整えています。
ランチタイムを楽しむための施設も充実。2025年4月にオープンした新しい食堂は、味はもちろん、リーズナブルで栄養バランスの取れた多彩なメニューを提供します。なお、食堂はキャッシュレスのモバイルオーダーが可能で、注文番号が呼び出されて商品を受け取るスマートな方式が採用され、長時間列に並ぶことなく食事が楽しめます。

吹田みらいキャンパス→千里山キャンパスを移動する1日のモデルケース

  • 9:00
    1限目 データサイエンス入門
  • 10:40
    2限目 英語
  • 12:20
    シャトルバスで千里山キャンパスへ移動
  • 13:00
    関大前通りでランチ
  • 14:40
    4限目 活用法を見聞するAI・データサイエンス(オンデマンド配信型科目)
  • 18:00
    千里山キャンパスでクラブ活動

国際的な交流を促進する開放的な空間

また、吹田みらいキャンパスには国際学生寮「関西大学グローバルハウス(KU G-House)」を設置しており、国内学生と外国人留学生が、多様な価値観の中で違いを認め合い、尊重しながら生活しています。寮生の生活をサポートするレジデント・アシスタントがアクティビティを企画・実施しており、交流が活発に行われている他、共同生活の環境を活かして、国際感覚やコミュニケーション能力の向上を目的とした様々なプログラムを実施し、グローバルに活躍する人材の育成を目指しています。寮室はすべてプライバシーに配慮した一人部屋となっており、「安心で快適な生活空間」を提供しています。一方で、男女別ユニットに加え、オールジェンダーユニットを設置しており、寮生間の交流を促す複数の共有施設があるなど、他の寮生とのコミュニケーションを楽しむことができます。こうした環境から生まれる国際的な交流が、吹田みらいキャンパスに開放的な空気をもたらしています。

04_ビジネスデータサイエンス学部生の卒業後の進路

データサイエンスの重要性と高まり続ける人材ニーズ

企業等のアンケートの結果でビジネスデータサイエンス学部の卒業生を採用したいと回答した企業

データサイエンスは現代のビジネスにおいて欠かせない要素であり、高度なデータ分析力と実践力を持つ人材へのニーズは非常に高まっています。関西大学が実施した企業等への調査結果によると、1,146社のうち約9割にあたる1,015社がビジネスデータサイエンス学部の卒業生を「採用したい」と回答し、社会における需要の高さが数字で示されました。また学部においても、学生が即戦力としてビジネスの現場で力を発揮できるようサポートしていきます。前述のアクティブラーニングを中心に、企業人とともにオン・ザ・ジョブ・トレーニングのような形でビジネスとデータサイエンスを学ぶ機会が多く、現場で求められる水準の発想力やプロジェクト遂行力を身につけることができます。
こうした学びを通してビジネスデータサイエンス学部の卒業生は、企業や自治体の課題を高度な情報処理技術を駆使して解決するビジネスデータサイエンティストとして、また、IT企業やコンサルティングファームで戦略立案に関わる技術志向型の人材や、データを活用して新たな価値を創造する起業家などとして活躍することが期待されます。ほかにも、教育・研究機関で研究者に進む道など進路の選択肢はあらゆる業界や組織に広がります。知的で創造的な刺激に満ちた学習環境からどのような未来を切り拓く学生が育つのか、1期生が社会に羽ばたく4年後にご期待ください。

想定される業種

IT産業、メディア、製造業、金融業、シンクタンク、コンサルティング会社、ベンチャー企業、教育・研究者 等

想定される職種

データサイエンティスト、マーケティングアナリスト、政策・戦略立案者、アントレプレナー、営業、人事、財務 等

Interview 〜入学式で聞きました〜

ご子女のコメント

ビジネスデータサイエンス学部の一期生として新しい挑戦ができることがとても嬉しいです。これからどんな「新たな学び」が待っているのか、今からワクワクしています!

ご父母のコメント

息子は、何事も自分で調べて興味を持って進んでいく性格。チャレンジを恐れず、思うままに全力で、大学生活を楽しんでほしいです。

Topics

2025年3月15日(土)、開設式典とシンポジウムを開催しました。

吹田みらいキャンパスにて「ビジネスデータサイエンス学部」の開設式典を開催しました。式典では、芝井敬司理事長がアラン・ケイ(パーソナルコンピュータの父と言われる科学者)の言葉「未来予測の最善の方法は、自ら未来をつくること」を引用し、新学部が創造する未来への期待を述べました。また、高橋智幸学長は、新学部を「関西大学が果たすべき役割のひとつの答え」と位置づけ、社会の期待に応える学びの場となることを誓いました。続いて、鷲尾隆学部長が基調講演を行い、100年に一度の変革期におけるデータサイエンスの重要性や、産業界が求める人材育成について語り、参加された方々に新学部への支援を呼びかけました。
式典後のシンポジウムでは、人気テレビ番組『そこまで言って委員会NP』とのコラボ企画「関西大学でも、そこまで言って委員会BDS」を実施。会場にはテレビさながらのセットが組まれ、その迫力に、観客として参加した新入生も驚きの表情を見せました。「データサイエンスを学べば儲かる?」「近い将来、人類はAIに支配される?」などのテーマについて、元大阪府知事・元大阪市長の橋下徹氏や経済ジャーナリストの須田慎一郎氏をはじめ番組お馴染みのパネラーと学部教授陣が激論を交わし、会場は笑いと熱気に包まれました。新学部の社会的意義と、そこで学ぶ学生たちの未来への期待を改めて感じさせる式典となりました。

会報『葦』のご紹介