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理事長×学長×会長 鼎談 活気あふれる新たな環境の創出を目指して

山本雅英
会長
本日はお忙しいところを、会報『葦』の鼎談企画にご参加いただき、まことにありがとうございます。
今回の会報『葦』では、理事長の芝井先生と学長の前田先生とともに、ここ「吹田みらいキャンパス」におきまして、開設までの経緯や今後の展開などを中心にお話をさせていただきたいと思います。芝井先生、前田先生、どうぞよろしくお願い申し上げます。

吹田みらいキャンパスの開設とこれから

山本会長 昨年10月に関西大学は、学部を擁するキャンパスとしては5つ目となる「吹田みらいキャンパス」を開設されました。この新たなキャンパスの開設までの経緯についてお教え願います。

芝井敬司
理事長
このキャンパスはもともと武田薬品工業株式会社の研修施設でしたので、研修用施設と宿泊施設、プレイグラウンドを有し、敷地は7万5000㎡、延床面積は2万7000㎡という広さです。千里山キャンパスの近隣でここまでの広さの物件はとても貴重でした。
同時期に新学部設置の意向を学長からいただいていたこともあり、理事会ではキャンパスとして運用することが可能かどうか、課題を一つひとつ丁寧に検討しました。1つ目は、研修用施設に新学部の教室として活用できる充分な広さがあるか。2つ目は、宿泊施設を寮として活用できるか。3つ目は、プレイグラウンドを学生の課外活動のグラウンドとして整備できるか、といったことです。
建物は2010年に建てられた比較的新しいものですので、SDGsの観点からもできるだけそのまま継承し、関西大学の将来のために大切に使わせていただきたいと考えています。大きな買い物ですので、しっかりと財政の指針を堅持し、収支バランスを確保しながら、サステイナブルなかたちで運営していく責任があると考えています。

前田裕
学長
新学部の設置構想では、千里山キャンパスの狭隘化を避けるためにも、新学部に適切な場所と建物を要請したいと考えていました。千里山キャンパスでは、課外活動に利用できるグラウンドが少ないことや、既存の国際寮と提携寮ではこれから増加が見込まれる留学生のニーズに対応しきれないことが課題でした。吹田みらいキャンパスは、それらを解決する最適な場所です。

大学の未来を切り拓く素晴らしい環境です。
学校法人関西大学 理事長
芝井 敬司

新学部開設とこれからの歩みについて

山本会長 このキャンパスでは、すでに国際学生寮の運営が始まっているとのことですが、特徴などをお聞かせください。

前田学長 現在はコロナ禍以前よりも海外からの留学希望者が増加しています。日本政府も2033年までの留学生の受け入れ目標を30万人から40万人へ拡大し、日本からの留学生も50万人を送り出す目標を掲げています。そうした状況を踏まえ、本学の寮は単なる留学生の受け入れに留まらず、留学生と日本人学生が生活をともにし、学び合う「国際共修寮」と位置づけています。吹田みらいキャンパスの「グローバルハウス」でも、留学生とともに数名の日本人学生がレジデント・アシスタント(RA)として入寮し、留学生の生活をサポートします。様ざまな国から集まる留学生に日本文化を紹介するなど、多彩なアクティビティの機会を設け、交流を深めながら互いに成長できる環境です。

芝井理事長 一緒に暮らすなかで、異文化理解が自然と深まる「国際共修」の環境をしっかりと作り上げていくことがこのキャンパスの大きな目的のひとつです。吹田みらいキャンパスは、それにふさわしい施設だといえます。

山本会長 学生たちもわくわくする環境ですね。では、新学部の設置に向けた状況はいかがでしょうか?

前田学長 2025年4月に「ビジネスデータサイエンス学部」(仮称・設置構想中)の開設を目指しています。開設に向けて、着々と準備を整えており、学部長には、本学でも教鞭を執っていただいている鷲尾隆先生に就任いただく予定です。その他の先生方の陣容もほぼ揃っており、細かいカリキュラムのプランニング等も出来上がっています。あとは、文部科学省に届け出申請をする最終段階に入っています。新たな価値を創造するビジネスデータサイエンティストの養成に、ぜひご期待ください。

国際共修寮・グローバルハウスから国際化がさらに加速します。
関西大学 学長
前田 裕

学生たちのこれからの未来のために

山本会長 今年の元日に能登半島地震が発生し、多くの方々が被害に遭われました。不安ななかでも前を向き入学された新入生のご父母の皆さまに、お二方からメッセージをお願いいたします。

前田学長 まずは能登半島地震で被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。
本学では、学生の学びが止まることがないよう、教職員が一丸となってサポートを行っています。被災地域の受験生にも一人ひとり連絡を取り、ご本人の意志を尊重できるよう対応いたしました。入学後も受給できる奨学金制度を設けていますので、ぜひご活用ください。
大学の学びは高校よりも自由度が格段に広がります。本学では課外活動や留学、インターンシップなど、多様な経験の機会を設けていますので、積極的に活用するよう、ご子女にお伝えいただければと思います。

芝井理事長 新入生の皆さまには、コロナ禍の呪縛から解き放たれた大学生活を楽しんでいただきたいと思います。学業とのバランスを取りながらしっかりと成長していけるよう、ご父母の皆さまも「目をはなすな、手をはなせ」の精神で温かく見守っていただきますようお願いいたします。

山本会長 教育後援会としては、今後も大学のご協力を得ながら、「大学と家庭の心のかけ橋」としての活動を充実させるため、「わが子の母校はわが母校」の精神で臨んでいく所存です。芝井先生、前田先生、本日はお忙しいところ貴重なお時間をいただきありがとうございました。

大学と家庭の心のかけ橋としての活動を続けてまいります。
関西大学教育後援会 会長
山本 雅英

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