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関西大学 こんなお宝─博物館が収蔵する各種コレクション─

関西大学博物館には、大正から昭和初期にかけて大阪毎日新聞社社長を務めた本山彦一氏が蒐集した考古資料を中心とした「本山コレクション」のほか、新たに博物館が蒐集したものや篤志家からの寄贈資料など、重要文化財16点、重要美術品12点を含む合計約6万点の考古・歴史・民俗・美術工芸・自然科学等の資料が収蔵されています。
今号では、博物館が所蔵する資料のうち、関西大学第16代理事長(2000年10月1日〜2004年9月30日)、羽間平安氏のコレクションとともに、第17代理事長(2004年10月1日〜2008年9月30日)、森本靖一郎氏の尽力により蒐集にいたったコレクションを中心に、その一部を紹介します。

羽間コレクション

関西大学元理事長の羽間平安氏から寄贈を受けた、江戸時代から明治初期にかけての美術品や歴史資料、民俗文化財などです。なかでも、江戸時代元禄期の広島藩三原城主であった浅野忠義公が元服の時に着用した具足や、江戸時代に大坂の商家で使用された帳場道具、舟箪笥や金銀出入帳、京都で舞踊に使われた打掛などが目立ちます。
そのほか地球儀や明治の貨幣、江戸時代の灯明皿など、貴重な資料が含まれています。

紺糸威桶側鋲留腰取五枚胴具足
(浅野忠義銘)
帳場格子(結界)

アンデスの秘宝

関西大学の教育と研究に理解を示した篤志家から寄託いただいた、古代アンデスの美術工芸品29点です。神面文壺や黒色神像壺、ジャガー顔面鎧形土器など、インカ帝国以前のペルー各地の地域文化がうかがえます。
2006( 平成18)年度には、関西大学創立120周年記念事業の一環として、特別展「インカへの道─アンデスの秘宝─」を開催し、特別公開しました。

神面文壺(ナスカ文化)
黒色神像壺(シカン文化)

近世から近代の金銀貨幣

江戸時代の小判や丁銀から、明治時代の金貨・銀貨、世界各国の海外コインまでも網羅した、こちらも篤志家から寄託いただいた千点を超える貨幣コレクションです。
2007( 平成19)年度に、企画展「小判とおかね─近世から近代の金銀貨幣─」を開催し、特別公開しました。

正徳小判
江戸時代の貨幣

天目茶碗

2008(平成20)年度には、企画展「天目 宙そらへの誘いざない〜木村盛康陶芸展〜」を開催し、現代の陶芸界にあって天目釉ゆうの第一人者、木村盛康氏から寄贈していただいた陶芸作品16点を特別公開しました。
木村氏の創作活動は、陶芸界、美術界で高く評価され、その作風は「盛康天目」と賞賛され、海外の博物館・美術館でも永久保存収蔵品として蒐集されています。

松樹天目水指
天目蒼空茶盌

南部コレクション

本学校友でパソナグループ代表の南部靖之氏から寄贈を受けた、清朝期の古硯や古墨など17点です。硯は端渓硯原石産地の特徴をよく表すもので、意匠を凝らした造形とこしらえとなっており、文房の宝として扱われたことがうかがわれます。また、筆筒や筆洗墨床水滴の文房諸具も、清朝期の秀品です。2012(平成24)年度に、企画展「古硯と古墨」を開催し、特別公開しました。
そのほかにも南部氏からは、2体の兵馬俑のレプリカが2018(平成30)年に寄贈され、その2体は現在、千里山キャンパスの百周年記念会館エントランスロビーに飾られています。

兵馬俑(レプリカ)
筆筒や筆洗墨床水滴の文房諸具

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