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コロナ禍で打ち出した“ 3万人大学”のきめ細かさ─ がっつり「100円夕食」から「触れずにフレンズ」まで ─

昨年からのコロナ禍で、教育後援会は学生への様々なバックアップを行っています。ボリュームたっぷりの格安夕飯、卒業記念写真、友だちづくりサイト、冬休みプレゼントなど、ほとんど全国の大学でも前例のない対策です。

滋賀のお母さんが驚いた

本会が発行する会報『葦』の目玉記事に「父母の声」があります。各地の保護者が学生の近況や悩み、感想などを寄せるコーナーで毎回20人前後が投稿し、10ページ前後を占める人気です。その中で今回、滋賀県の母親からこんな原稿が寄せられました。
「たいへん驚いたのは学生数が3万人にも及ぶ大学でありながら、その父母・保護者の皆様に対して…(中略)…最新の情報をきめ細かく提供している点でした」
3月25日、ある全国紙は夕刊のほぼ1ページを使い、関西大学の教育後援会を中心に私大の保護者会の動きをまとめました。「学生のために何ができるか知恵を絞り、大学の保護者会の存在感が高まっている」と報じています。

「学長とのツーショット」を提供

一体どんな対策を打ち出したのか、その反響も含めて報告します。まずは昨年春の卒業式シーズンに企画した卒業記念のための画像提供です。昨年3月の卒業式が中止されたため、卒業記念写真に代わるものとして、HP上で画像加工用の写真を提供したのです。芝井敬司学長(現理事長)との正門前でのツーショット写真などが簡単に加工できる素材で、「なんとかこれで格好がついた」と好評でした。

正門前でのツーショット合成写真

2万8千人へ本誌特別号

その後、予定していた千里山キャンパスでの教育後援会総会や学部別教育懇談会に加え各地での懇談会も次々に中止となったため、急きょオンデマンドで各学部の現状と就職活動についての説明会を行いました。そのうえで現状を伝える本誌特別号を6月に発刊し、全会員2万8千人に届けました。

会報『葦』特別号表紙

ハンバーグ+エビフライ+白身魚フライ+…

非常事態宣言などで学生の暮らしはかなり圧迫されました。外出も控えめになり、バイト先も減りました。そのために関西大学が家計急変者給付奨学金、インターネットの環境整備支援、短期貸付金、下宿生への一律金支給などを次々に実施したのにあわせ、教育後援会も1億円を寄付しました。
学生の「食」にも早くから注意を払いました。経済的なダメージを受けると真っ先に響くのが日常の食事だからです。もともと2018年から関大生協の協力で「100円朝食」を提供しています。それに加える格好で「100円夕食」を始めました。100食限定でしたが、メニューは「ハンバーグ+エビフライ+白身魚フライ+野菜+ごはん」などのがっつり型。関西や首都圏の大学でも例がなく、テレビ、新聞、ネットニュースなどで全国に紹介されました。
食への支援は昨年末にも別の形で実現させました。「コロナに負けるな。冬休みの″帰省できずとも安心食パック”」というプレゼントを500人分用意しました。新年用の餅やレトルト食品などの詰め合わせで、教育後援会の元役員らの寄付で実現。芝井敬司理事長や前田裕学長、吹田康雄教育後援会会長らが学生に直接手渡す様子がニュースで流れました。

がっつり型の「100円夕食」
冬休みプレゼントを配る前田学長ら

安全な友だちづくりサイト

他大学の追随を許さなかったのが「触れずにフレンズ」。学生の安全を保障した友だちづくりのサイトです。きっかけは保護者の声と調査会社が発表した新入生の意識調査でした。入学式も中止になり、講義もオンラインに切り替えられて、最も困ったのは新入生です。「慣れない土地で一人暮らしを始めた娘が友達をつくれず困っている」などの声が、教育後援会に寄せられました。これを反映するように昨年4月に行われた「ベネッセi-キャリア社」のアンケート調査で、学生の不安のトップが「友だちづくり」だったのです。
そこで「掲示板」形式で新入生の趣味、好きなスポーツ、出身地などに分かれて安全に交流できるサイトを1カ月ほどで立ち上げました。この種のネット企画では異例のスピードですが、その甲斐あって7月1日スタートから1週間で新入生7千人のうち2千人がログインするほどでした。「触れずにフレンズ」は今年度も継続され、様々な企画が練られています。
吹田会長は「コロナ禍がいつになれば収束に向かうのか、現時点ではわからない以上、私たちの支援は当分の間、情勢を見ながらできるだけきめ細かく対応していきたい」と話しています。

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