関西大学教育後援会は会員数約3万人、全国規模の保護者会です。毎年各地で地方教育懇談会などを開き交流を深めていますが、2018年秋、初めての試みとして、各支部の相談役や名誉支部長と本部役員との交流会を、奈良県明日香村で開きました。約50人が参加し、大学のPRや支部同士の交流会など、様ざまなご意見が飛び出しました。
一行は9月21日(金)から二日間の日程で、明日香村にある関西大学飛鳥文化研究所・植田記念館を拠点に、「飛鳥めぐり」を楽しみながら、意見交換会を行いました。交換会ではまず北靖久会長が「父母・保護者の方の期待にこたられるような教育懇談会にするためにどうすれば良いのか。ぜひ皆さまの経験などをお聞かせいただき、今後の会のブラッシュアップに役立てたいと思います」と挨拶しました。



こうして始まった会で出たご意見の一部を紹介します。
強まる地元志向
河野起實さん
この教育後援会に携わって26年になります。昔と違って社会に余裕がなくなってきたような感じがします。九州から関西大学に進学するには下宿しなければいけないし、学費や子どもの生活費も負担しなければならず、地元の大学とのハンディがものすごくついてきています。しかも各地の大学も徐々に力をつけてまいりまして、地元志向が強まっています。ですから今まで以上に、この教育後援会を生かしながら、社会に関西大学の良さを発信し続ける必要があるように思います。
「就職に強い関大」をアピール
井上美保さん
私も同感です。長崎はもちろん九州全体で国公立志向が強いように思うんですが、それは情報が少ないからだと思います。例えば「関大は就職に強い」と言われます。親には実感できないのですが、息子に聞くと色いろな進路を紹介してもらったようで、そのおかげですんなり就職できたのですが、そういう実態を具体的に各地の高校の進路担当の先生まで伝えるような工夫が必要だと感じています。
福井駅前のリンクで「関大の日」を
岸塚孝夫さん
福井では首都圏の私立大学の野球対抗戦に多くの市民が集まります。関大も関関戦をやられてるんだから、地方で関関戦を行ってはどうでしょうか。もうひとつ。最近、福井の駅前が少し小綺麗になりまして、屋根つきの広場が冬、スケートリンクになります。そこが大変なにぎわいで、スケートファンも増えつつあるようです。ここで何か関大の日とかやったら面白いかなと思います。
パンフレットで進学を決めました
坂入晴美さん
子どもが関大から合格通知をもらったとき、実は関大のことはパンフレットでしか見たことがなかったのです。だけどそのパンフレットを何回も何回も見ているうちに、だんだん行きたくなってきたって言っていました。パンフレットの内容が良かったからでしょうが、各地の高校に、パンフレットなどを置くようなチャンスがあったらいいように思います。
東京センターのインスタント食品
重松輝彦さん
今回こういう相談役の集まりで初めてわかったのですが、意外と隣接県での支部間の交流がないことがわかりました。これを機に支部間の連絡会のようなものを開いてはどうかと思います。もうひとつ触れたいのは東京のキャリアセンターのことです。全国規模の企業で最終面接になるとやはり上京が必要ですが、関西にずっといる学生には不安があるんじゃないですか。見学して感じたのは、東京センターにはそういう学生の強い味方になるような心遣いがあるということです。あそこにいくとちょっと落ち着きます。控え室で勉強もできるし、面接の練習もできます。OBから飲み物やインスタント食品の差し入れもあります。自社の企業アピールというよりも、自分が卒業した大学の後輩にケアをする。それがうれしいです。
全国規模の人脈の広がり
甲神秀文さん
せがれは大学院2年に在学しております。関西大学を希望したのは、文理融合が実現している総合情報学部があったからです。しかし関西大学は13も学部がある全国規模の大学ですから、息子がどういうふうに人的な関係を広げてくれるか、楽しみにしています。
3人の子の自立
内田清三さん
私、子どもが3人おりまして、上が立命、真ん中が関大、下が龍谷へ行っていました。一番初めに上の娘を大学にやるときに、4年間を自活するような生活をさせたいなと思いまして、まずは、京都の立命を下見に行きました。そのとき下の2人の子どもも連れて行って、関西大学を含めたいくつかの大学の説明会に行きました。2番目はおかげさまで、関西大学の総合情報学部に受かりました。そのあと、昨年、ご縁をいただきまして、関西大学の社会安全学部の大学院に進みました。3人ともよその地で過ごすというのは非常にいい経験になったと思います。
娘の受験番号が私の暗証番号
宇田京子さん
娘が他大学にも受かって、それぞれの大学から入学案内の書類が届きましたが、関大のものは隅々まで配慮の届いた書類でした。そのあとにすぐに「奨学金を受けられますが、いかがいたしましょう」という速達もいただきました。その通知だけで、ものすごく感動いたしました。この大学に娘を預けたら間違いないと思いましたね。いまだにそのときの受験番号を、銀行の暗証番号にしております。
山口県での地方教育懇談会では当時学長の河田悌一先生からいろいろなお話を聞き、それも私の大きな安心につながりました。
その後、一番目の孫を連れて地方教育懇談会に出席し、大学の紹介映画を見せました。オープンキャンパスに行く前に、こういう機会も利用するといいね、と孫も言っていました。

支部連絡協議会では出席した皆さんにアンケート用紙を配りました。教育後援会へのご意見などのほか、「支部役員時代に印象に残っていること」を「地元の言葉を交えながら」との注文つきで記入をお願いしたところ、個性豊かな「思い出」が寄せられました。いずれも各地の言葉で丁寧に書かれています。その一部を原文のまま紹介します。心がぽかぽかしてくるような独特の味で、なるほど関西大学の教育後援会は全国組織だと実感できそうです。
森本さん 忘れんばい!
福岡県の河野起實さん
森本さんの凄かキャラクターを忘れんばい!
そして関大とのご縁があったことが良かったばい!
どがんしたらよかやろかって悩んだけんさ
長崎県の井上美保さん
個別相談ばお願いしたとは、わが子と話ばしても、いっちょん先の見えんで親ばっかいが不安になっとって、どがんしたらよかやろかって悩んだけんさ。そがんしとったら、理工学部から社会学部に編入ってどしっとですか?からはじまって、必修単位の内容とか、なぜそいが必要なのかとかまで、詳しく教えてくれらして、「まずは現学部を卒業してから必要なら他の大学院に進むことが最善です」って言ってくれらしたと。
そいからは、子にも自信ば持って、アドバイスでくっごとなったし、他の保護者の方がたにも詳しく具体的に説明でくっごとなったとさ。自分でわからんもんば、人には勧めきらんけんね。そいからたい、理工学部の学部長先生が堺探訪の旅ばプランニングしてやらしたり、常任顧問の森本先生から「千寿会に入ってよろしい」ってゆうてもろたりして、こいがほんとに「わが子の母校はわが母校」ってことばいねって実感したとが一番の思い出ばい。
四年間楽しかったちゃ
富山県の林里佳さん
「娘にも会えるからとにかく行ってみんまいけ」と言って参加しました、1年生春の委員会後の懇親会で、色んな地方から来られた方と話が弾みとても楽しい思いをしました。
懇親会後、1年上の先輩父兄の方が、校内を案内してくださり、皆さんでその時博物館で展示されていた髙橋選手達フィギュアスケートの展示を見たりして、学生に戻ったかのように楽しみました。
その後も、その日一緒に学校を見学したメンバーとはとても仲良くなり、「次の委員会で会おうね!」が合言葉で皆さんに会うのが楽しみで委員会に通い続けました。
あの日の皆さんとの出会いと楽しい思い出があったおかげで、四年間楽しかったちゃ。