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理事長・学長・会長鼎談
※鼎談…3人が向かい合って話をすること。
新入生と父母・保護者に向けたメッセージ

出席者(敬称略)
学校法人関西大学理事長 池内 啓三 
関西大学学長  	芝井 敬司
関西大学教育後援会会長 村岡 基

新しい未来を見据えて

村岡基会長:

本日はお忙しいところ、会報『葦』の鼎談企画にご参加いただき、まことにありがとうございます。
今回の会報『葦』では、池内理事長と芝井学長と共に、優れた人材の育成に向けた大学側の取り組みや、大学と本会による在学生ならびにその父母・保護者の皆さまに向けた今後さらなるサービスの充実など、いくつかのテーマでお話をさせていただきたいと思います。
特に関西大学は2016年11月に創立130周年を迎え、記念事業と共に様ざまな方針を打ち立てられました。さらに20年先の未来を見据えて、「Kandai Vision 150」を策定されています。これはどういうビジョンなのでしょうか。

池内啓三理事長:

「Kandai Vision 150」のコンセプトは「未来を問い、そして挑戦する。」というもので、これからの時代に関西大学がどうあるべきかを自らに問いかけ、日本の私立大学をリードする将来像を社会に示していくための行動計画です。
しかし、変化の激しい時代のなかで、20年後の未来に社会がどうなるのかは、もはや誰にも予測できません。5年、10年の節目には中期的な見直しを繰り返しながら、より洗練された長期ビジョンを作り上げていきたいと考えています。

芝井敬司学長:

例えば、国際化に関する政策目標においては、外国人留学生や外国人教職員を増やすなど、キャンパスのグローバル化を推進する、あるいはより留学しやすい環境を整えるなど、様ざまな面で高い数値目標を設定しています。こういう典型的な目標は必ず達成する気概を持って取り組みながら、一方で時代の流れに応じて軌道修正すべきところは常に見直し、国際大学としてのあるべき姿を探っていきます。

大学支援のあり方とは

村岡会長:

教育後援会は1947(昭和22)年、父母・保護者の有志の間で、戦後のキャンパスの再建を支援する目的で創設されました。
本会はこれまでも、学生寮や体育施設、セミナーハウスなど、学生の充実したキャンパスライフに向けた施設・設備を大学に寄贈してまいりました。
創立130周年記念事業では千里山キャンパスの新アクセスエリア内にエスカレータを寄贈しました。
今後も様ざまな面において大学を支援していきたい所存ですが、学校法人としてのご意見やご要望などがありましたらお聞かせ願えますか。

池内理事長:

いつも多大なるご支援をいただいて心より感謝しております。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
学校法人、特に私立大学にとって、寄付による教学環境の整備は極めて重要な課題であり、教育後援会をはじめとする様ざまなステークホルダーの皆さまのご厚意によって、今日の関西大学の充実した教学環境が成り立っています。日本では寄付文化があまり根づいておりませんが、他の先進国では社会貢献の活動には多大な寄付が集まり、それが大きな動きとなって社会を動かしています。私たち関西大学と教育後援会のあり方が、日本の社会貢献の一つのモデルケースとなって、全国にも広がってほしいと願っています。

村岡会長:

私たち教育後援会も学生支援の一翼を担う立場として、父母・保護者の皆さまに当事者意識を広める活動を繰り広げていきたいと思います。

芝井学長:

今回の鼎談のように、大学経営、教学、教育後援会それぞれの立場から意見交換ができるのはとても貴重な機会なので、ぜひこれからも実施していきましょう。

日本一の実績を誇る教育後援会

村岡会長:

本会では現在、5月の総会同日に開催される学部別教育懇談会をはじめ、主に夏季休業期間中を利用して開催する地方教育懇談会、10月と12月に開催する就職説明懇談会といった、父母・保護者の皆さまを対象とした懇談会を展開しています。
芝井学長におかれまして、これら懇談会にご参加されてのご感想ならびに懇談会のさらなる充実という点で、何かお考えがあればお教え願います。

芝井学長:

私が地方教育懇談会などに参加してとても印象深かったのは、就職体験談を語る学生の話に涙を流しながら聞き入っている父母・保護者の皆さまの姿です。就職活動中のご子女を持つ方に限らず、1年次生、2年次生の父母・保護者の皆さまも、「今、聞いておいてよかった。」とたいへん高く評価していただいております。今後もますます充実したプログラムを実施していきたいと考えています。

村岡会長:

昨年は震災があった熊本会場で芝井学長とご一緒させていただきましたが、学長自らが父母・保護者の皆さまと交流している姿に感激しました。父母・保護者の皆さまもたいへんお喜びで、関西大学ならではの象徴的な光景だったと感じています。
池内理事長は教育後援会の行事に対して、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

池内理事長:

教育後援会の地方教育懇談会、就職説明懇談会をはじめとする様ざまな取り組みは、日本一の実績で社会的に高く評価されており、心より感謝すると同時にたいへん誇らしく思っております。
関西大学ほどの大きな大学が、よくこれほど一人ひとりと向き合うきめ細かな支援や取り組みを実行できるものだとまわりからは驚かれますが、私はそれこそが関西大学の特色であり、魅力だと思っています。

学生支援の今とこれから

村岡会長:

本会では今年度から、主に下宿をしている新入生を対象とした「新入生歓迎の集い」や、関西大学生活協同組合が実施する「100円朝食」への助成など、学生のキャンパスライフ充実に向けた取り組みを行っています。
このような取り組みについて、芝井学長はどのように感じておられますか。

芝井学長:

学生の生活に細やかな配慮をしていただいていることに心より感謝いたします。大学4年間は何も教室の中での勉強だけではなく、その生活のすべてを通じて自立した大人に育っていく時期でもあります。人生の師、生涯の友との出会い、もしかしたら将来の伴侶との出会いもあるかもしれません。そういう大切な時間のなかで、生活のリズムを整える「100円朝食」、学生の健康を守る「保健管理センター」、悩みや不安を抱える学生を支援する「学生相談・支援センター」などの存在が、学生の安全・安心で健やかな学生生活を支えています。

村岡会長:

充実した環境が整った関西大学のこれからについて、池内理事長はどのようにお考えですか。

池内理事長:

私は学生が挑戦できる環境をますます充実させていきたいと考えています。起業を志す人を支援する場として起ち上げた梅田キャンパス「スタートアップカフェ」には、これまでに1,300件ほどの相談があり、30件もの起業が実現しています。また、千里山キャンパスにあるイノベーション創生センターでは、定期的に起業のための講座を実施しており、たくさんの学生が熱心に参加しています。
私が注目しているベンチャー企業の社長に、イスラエルに拠点を設け、起業支援によって「ノーベル平和賞を取りたい。」という夢を持っている卒業生がいます。こういう新しい発想と挑戦の気概を持って未来を切り開く学生を生み出し、大学をあげて支援する体制を整えていきたいと考えています。

皆さまへのメッセージ

村岡会長:

最後に、父母・保護者の皆さま、特に4月に入学された新入生の父母・保護者の皆さまに対するメッセージをお願いいたします。

池内理事長:

私からは「ご子女に関西大学を活用させてください。」というメッセージをお送りします。関西大学での学生生活には、様ざまな出会いと数限りないチャンスがあります。ご子女が与えられた環境から脱却し、一人の大人として、自立した「関大人」として、自ら考え行動できるようになるよう、サポートしてあげてほしいと思います。

芝井学長:

これからの時代で活躍するためには、たとえ国内で働く場合においてもグローバルな視点は欠かせません。ご子女が世界を変える一人になることだって十分にあり得ることなので、どうか大きな志を持って学べるように支援してあげてほしいと思います。もちろん、私たち関西大学は、夢を持って学ぶ学生たちを全力で支援していきます。

村岡会長:

池内理事長、芝井学長、本日はお忙しいところ、貴重なお時間をいただきありがとうございました。

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