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教員が語る専門領域の魅力 vol.7

高 明均 教授

日本から最も近い国のことばと文化を知ろう

高 明均 教授

Profile

専門分野は朝鮮語学、朝鮮語語彙論で、近代朝鮮語の文献資料を中心に研究を行なっている。


1459年刊‘月印釋譜’

 意志疎通の手段として話し手と聞き手の間に存在することばは、その性格から見て音韻論、形態通辞論、意味論など3つの領域で理解することが出来る。このうち、私の専門分野は朝鮮語語彙意味論に関するもので、語彙の共時的、通時的研究を通じて、同義、反義、多義、同音異義関係等を究明することである。このような語彙を体系的に整理したものが辞書だが、最近の辞書は使用目的別に多様な形で刊行されており、学習者に多くの便宜を与えている。最近は、近代朝鮮語に関する研究を通じて、語彙研究のやりがいを感じている。近代は日本との交流を通じて多様な文献が残っているが、例えば倭語類解、捷解新語、隣語大方などがそれである。このような文献は日朝対照言語学や歴史学を研究する学者たちには貴重な資料と見なされている。このように、語彙意味を探求することを通じて語彙力を向上させ、ひいては言語生活の活性化を図ることが出来る。一方、中国の漢字語は朝鮮半島を経て日本に伝わり、植民地時代には日本の語彙、漢字語が韓国に再流入して、法律、建築、印刷など日常生活でも多く用いられるようになった。韓国政府は国語醇化運動の次元で多くの語彙を醇化したが、依然として現場では日本語が用いられている実情である。このような日朝語彙交流に関するテーマも重要な研究テーマであると思っている。
 その他の関心分野は外国語としての朝鮮語教育だが、理解教育と表現教育が中心をなしている意志疎通(コミュニケーション)式教授学習法と教材分析にも関心を持って研究を行なっている。
 学部では朝鮮語総合、大学院では朝鮮語語彙論、外国語教育教材論(朝鮮)を担当している。

学生のみなさんへのメッセージ


1882年刊‘隣語大方’

 21世紀の国際化時代に世界はどのように動いているのか、自分で尋ねて行って体験してみよう。そのためには外国語能力が欠かせないと思う。外国語を通じて該当国家の文化を知り、現地の人々との交流を始めてみよう。そして、情報化時代にほかの人より一歩先んじて新たなものごとに接し、自分のものにしてみよう。究極的には自分の分野で最高の専門家となるよう、最善を尽くそう。