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教員が語る専門領域の魅力 vol.6

山根 繁 教授

日本人の英語発音はネイティブにどれぐらい通じているの?

山根 繁 教授

Profile

主な研究テーマは音声理論に基づいた外国語教育研究です。ことばの習得、知覚、認識、生成のメカニズムを学際的に、音声理論と客観的なデータに基づいて追求しようとするのが基本的なアプローチです。

 外国語学部では「英語リスニング」、「基礎演習」を担当しています。「英語リスニング」のクラスでは、世界中の最新ニュースを扱ったアメリカのABC放送やCNN放送のテレビニュース番組を教材として用い、社会・文化・医療など様々なトピックのニュースを聞いたり、その内容について英語で話したりする活動を行っています。また、「基礎演習」では話しことばを中心に、大学での英語の学習方法について学んでもらいます。
 私の専門分野の一つは英語音声学ですので、発音力向上のためには、どの様に発音練習すれば良いかということも授業のテーマになっています。さらに、英語を聞き取るときに、どの様な点に注意して聞くようにすれば、より効果的にリスニングが出来るかについてもお話ししています。自然なスピードで話される英語では、前後の音環境によって音が全く別の音に変化したり、音と音がつながったり、場合によっては音が脱落するという現象が起こります。英語音声の仕組みを知っているとリスニングや発音に役立ちます。簡単な音声学の理論を理解してリスニングと英語発音のコツをつかんでもらいたいと思います。
 私の関心のある専門分野には、日本人の英語発音の明瞭性(Intelligibility)があります。これは簡単に言えば、どの様な英語発音がネイティブに理解されやすいのか、あるいは通じにくいのかという研究です。英語の発音は通じればよいという人もいますが、通じにくい発音というものがあります。例えば子音の発音や単語のアクセントの位置を間違えると、うまく理解してもらえないことがあります。
 さらに最近は様々な英語の音声を音響音声学的な観点から計量的に分析して、その成果を発音教育に応用しています。例えば、コンピュータの音声分析ソフトを使用すれば、学習者が発音した音声を即座に、しかも正確に視覚情報としてモニター上に提示できます。画面上に学習者の発音と、ネイティブのモデル発音を並べて強弱のリズムの取り方、イントネーションの特徴など視覚的に比較(視覚フィードバック)できるのです。

学生のみなさんへのメッセージ

出来るだけ英語の音声をたくさん聞いてください。そして覚えた英語表現を使ってたくさん話してください。また、英語の文章をたくさん読んで、自分の考えをたくさん英語で表現してください。外国語の力を付けるためにはその外国語を使う経験をたくさんすることが大切です。