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教員が語る専門領域の魅力 vol.5

山崎 直樹 教授

「鉄の脳みそ」を目指して

中国語学 山崎 直樹 教授

Profile

専門は,コミュニカティブな目標を設定した中国語教材の設計と教授法の開発,および,言語の構造に関する知識を形式化・可視化すること。

「プロフェッショナル」になりたい

 わたしは,「プロフェッショナル」と呼ばれるにふさわしい中国語教師になるべく,思いつく限りのことを,広く浅くランダムに勉強してきました。それで得たものが学生のみなさんの役に立つといいなと思っています。

「学習者のための中国語辞書」~「中国語コミュニケーション文法」へ

 数年前,仲間とプロジェクトを立ち上げ,「第二言語として中国語を学ぶ日本語話者に最適な中国語辞書はどうあるべきか」を考えました。「第二言語」というところがミソで,学習者の痒いところに手が届くような辞書を作るために,中国語を母語とする人からの視点からでは得られない視点を提供できたと思っています。現在は,「コミュニカティブな中国語教育のための中国語コミュニケーション文法を構築する」というプロジェクトを立ち上げるべく,準備中です。この試みは,現在,中国語教育で使われている学校文法への挑戦です。

ことばに関する知識をどう伝えるか

 上述の2つの研究の根っこには,「我々が言語に対してもっている認知的知識を,学習者にどう伝えるのが効果的か」という問いかけがあります。これが,わたしの興味の対象です。平たくいうと,文の組み立てかたとか,ことばの使いかたなどを,細かいステップに分けて,図式化したり視覚化したりチャートにしたり,コンテクストと同時に提示したりして,もっとわかりやすく示せないか,ということです。

コミュニカティブな教室活動

 その他に,中国語の授業で使う,コミュニケーション能力を訓練するための教室活動の設計にも力を注いでいます。個人的には,これがもっとも趣味にあっていると思っています。しかし,最近は,思いつきで教室活動を設計してはいけないと気づき(授業が盛り上がればいいや,というウケ狙いの根性だけで授業を組み立ててはいけないと気づいたわけです),科学的な根拠に基づいてシステマティックに設計をする研究をしています。

どんな授業を担当しているか

 まず,一年生の中国語の授業を担当しています(上記の教室活動の研究の成果が生かされているといいんですが)。「中国語科教育法」も担当しています。中国語教師になるためのトレーニングをする授業です。新しく「中国語プレゼンテーション演習」という授業も担当する予定です。どんな授業になるのか,自分でも見当がつきません。

学生のみなさんに一言

 わたしは体が弱いので,「旺盛な食欲で何でも食べる」ことができる「鉄の胃袋」をもった人が羨ましいです。でも,「旺盛な知識欲で何でも勉強する」ことができる「鉄の脳みそ」なら,心がけ次第で手に入ると思っています。大学は,みなさんの前にありとあらゆる知識を並べたててくれます。それを見て,「げっぷ」といって,目をそむけてしまうようでは,もったいないと思いますね。