教育開発支援
センター概要

プロジェクト紹介

教育開発支援センターでは、プロジェクト型で教育制度に関する企画立案や教育実践に関する研究を推進しています。 現在進行しているプロジェクトは、以下のとおりです。

現在進行しているプロジェクト

プロジェクト名 学生スタッフを活用した教育学習支援プロジェクト
代表者 山田嘉徳准教授
期間 2025年4月~
目的・内容

 既存の学生アシスタント制度の拡充と研修プログラムの充実を図ります。本学では、初年次科目における学生の学びをサポートする学習補助員として、LA(ラーニング・アシスタント)制度を導入しています。またTA(ティーチング・アシスタント)制度では、授業の教育効果を高めるため、担任者が授業運営において行うべき補助的業務を大学院生が担当しています。これらに加え、新たにTF(ティーチング・フェロー)制度を導入し、教育指導能力の育成を図るとともに、質の高い教育の実現を目指します。「学習者中心の教育」の視点から制度を拡充し、学習支援の効果を明らかにしつつ、学部教育との連携を図りながら教育改善を推進していきます。
また中期行動計画に基づき、学習支援に従事する学生スタッフに対する研修プログラムの充実を図り、全学的な研修プログラムを提供します。特に学習支援を担う大学院生に対しては、プレFD科目のコンテンツを充実させ、教育力向上の機会を拡充します。研修制度を充実させることで、大学全体の教育・学習支援の質的向上を実現します。

プロジェクト名 ライティングプロジェクト
代表者 中澤 務教授
期間 2025年4月~
目的・内容

 ライティングプロジェクトは、学習者が大学での学びと社会生活において活用できる「書く力」を培うための学習環境を構築します。本プロジェクトでは、学内に設置されたライティングラボを拠点に、各学部の教育方針に配慮しながら、「書く力」の向上を支援しています。ライティングラボは三つの理念に基づいています。第一に、添削によって答えを与えるのではなく、対話をとおして、自分で問題を発見し、考え、解決する力を育成することです。第二に、学術的な文章作成の訓練をとおして、社会に出てからも使える「書く力」を総合的に養い、社会で活躍できる人材の育成に貢献することです。第三に学部教育と密接に連携して、専門教育のさまざまな場面でライティングサポートをおこない、教育の効果を高めることです。具体的な支援活動としては、専門研修を受けたチューターによる対面・オンラインでの個別相談、アカデミックスキルに関するワンポイント講座の開催、出張講座の実施、テキストやeラーニング教材の開発などを行っています。特筆すべきは、これらの活動には大学院生らがチューターとして積極的に参画してということが挙げられます。大学院生の教育力を最大限に活かすため、チューター向けの研修やセッションの振り返りを実施し、学習支援の質を保証しながら、より効果的な活動を展開していきます。

プロジェクト名 学修者本位の大学教育の実現に向けた「新・シラバス」の構築
代表者 山田嘉徳准教授
期間 2022年6月~
目的・内容

 学修者本位の大学教育の実現、社会に開かれた質保証の実現に向けた新たなシラバスのあり方を検討します。
教育課程(カリキュラム)を構成する科目の内容を記述するシラバスは、学生に対して授業目的や計画などの情報を開示する役割に留まらず、本来的に学生と大学・授業担当者との契約的な要素を有しているといえます。また質の保証が求められる大学教育が進展するなか、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)が実効あるかたちで展開されているか、当該の授業内容の適切さを示す根拠資料として、修得単位にかかる内容確認にも利用されています。
上記の背景を踏まえながら学生目線で適切な枠組みが設定されているかどうかについて、学修者本位の大学教育の実現という観点から現行のシラバスを見直し、学生・教員・学事で共通理解を深める作業が肝要になると考えます。そのための手立てとして、シラバスの内容分析などを通して課題を見える化し、大学教育の質向上ならびに専門化・ 多様化への対応に向けた示唆を導きます。最終的には、学生・教員・学事にとってメリットあるシラバスを提案します。

プロジェクト名 内部質保証を支えるIR/IEプロジェクト
代表者 山田剛史教授
期間 2020年11月~
目的・内容

 現在の大学改革において内部質保証システムの構築が急務となっています。その内部質保証を支える重要な機能としてIR(Institutional Research)が推奨されています。本学においても、組織の意思決定支援や教育改善支援のために、入学時・卒業時調査やパネル調査など様々なリサーチを実施し、部局への結果のフィードバックも行っています。他大学においてもIRは急速に進められていますが、必ずしもその活動が実際の意思決定や改善に繋がっていないといったケースも多くみられます。この両者を繋ぐ機能としてIE(Institutional Effectiveness)が注目されており、内部質保証システムの構築には不可欠だと考えます。そこで、本プロジェクトでは、調査結果を活用したセミナーの開催や訴求力の高いフィードバックの方法を探究・実践することなどを通して、内部質保証を支えるIR/IEの機能強化を図ります。
また、内部質保証システムの構築において、学びの当事者である学生の参画が重要であり、たとえばEU(欧州連合)のボローニャ・プロセスでは質保証のアクターとして明確に位置づけられています。本プロジェクトでは、こうした学生の参画、学生の声を反映する体制や仕組みについて検討し、実践を展開していきます。

プロジェクト名 FD/SDプロジェクト
代表者 三浦真琴教授
期間 2016年10月~
目的・内容

 1960年代のイギリスで始まった大学教員(Academic Staff)の資質能力の向上を目指す取り組みSD(Staff Development)は、1970年代のアメリカではFD(Faculty Development)と呼ばれるようになり、その呼称が世界に広がりました。我が国では大学教員を対象とするFDとは別に「事務職員や技術職員など職員を対象とした、管理運営や教育・研究支援までを含めた資質向上のための組織的な取組」としてSDが2008年に導入されました。その2008年にFDが義務化されています。これに遅れて2017年にSDが義務化されましたが、ここに言うSDとはイギリスのSDや、それまでの我が国のSDとは異なり、すべての職員(教育職員・事務職員・技術職員)を対象とした「教育研究活動等の適切かつ効果的な運営を図るため、必要な知識及び技能を習得させ、並びにその能力及び資質を向上させるための研修の機会を提供するなどの取り組み」のことです。とはいえ、わが国では依然として教育職員を対象とするのがFD、事務職員を対象とするものがSDという捉え方をする者が多く、包括的な意味でのSDはなじみの薄い言葉、概念にとどまっています。この状況を踏まえ、本学では大学における諸取組を両者が共によくしていくための意思疎通・共通理解を図る機会として、そしてそこで得た知見等を実践に役立てることを願うものとして本プロジェクトを位置づけます。具体的には「FDフォーラム」「新任教員研修」「Future Design Program」「授業コンサルテーション」「授業アンケートの結果報告」を行います。いずれも教員単独で効果的に実施することは難しく、必ず職員の支援が必要です。「Future Design Program」の前身である「三者協働型FD/SD 研修プログラム」は2017 年春学期から実施しており、教育職員、事務職員に加え、学生(学部生・大学院生)も同じ場で研修プログラムに参加することにより、立場や部署を超えた学び合いが成されています。2024年度からは名称を「Future Design Program」に改め、立場を越えて関西大学のよりよい未来を展望し、それを実現するための意見交換やプランの策定などを試みています。Program実施期間を終えても、関西大学をよりよいものにするための意見や情報の交換が持続しており、それをサポートするのも本プロジェクトの大きな存在意義となっています。

過去に行っていたプロジェクト

プロジェクト名 学習環境デザイン・学習支援プロジェクト
代表者 岩﨑千晶教授
期間 2016年6月~2025年3月
目的・内容

 学習支援・学習環境デザインプロジェクトでは、本学の学習支援・学習環境の企画・運営・評価を行っています。学習支援については、学生の学びを支援するティーチングアシスタント・ラーニングアシスタント制度、学生のライティング力向上を目指したライティングラボの運営をしています。学内6ヶ所に設置された「ライティングラボ」では各学部の授業との連携、アカデミック・ライティングのテキストやeラーニング教材開発、「文章表現ワンポイント講座」などのセミナー開催など、学生のアカデミック・ライティング能力を育成する仕組みを多面的に整備、運用しています。これらの活動には学生・院生が学生スタッフとして携わり、学生の教育力を十分に活かすための運用を行っています。質の高い学習支援を展開するために、学生スタッフを対象とした定期的な研修も実施しています。学習環境については、ラーニング・コモンズやアクティブ・ラーニング教室などの学びの場をよりよいものにするための企画デザインや評価活動を実施しています。

プロジェクト名 New Normalとしてのアクティブ・ラーニング・プロジェクト
代表者 三浦真琴教授
期間 2020年11月~2022年3月
目的・内容

 これまで長らくFD活動は、研究成果偏重主義(教育の軽視)への反省から、その主たる眼目を授業方法の改善に置いてきました(from research to teaching)。しかし、教師が教えても学生は必ずしも学ばず、教えられているに過ぎない(being taught)ということが明らかになるにつれ、高等教育機関の使命を「教育の提供」から「学習の創発」へとシフトする必要が指摘されるようになりました(from teaching to learning)。ここにいう“learning”とは“being taught”すなわち“passive learning”に対置されるものなので、まさに“active learning”に他なりません。このパラダイムシフトに則って、学生が「教えられる」ポジションから「自ら学ぶ」ポジションへ自然に移行できるように、新しいコンテンツを有する授業科目の開設、新たな授業方法の開発、学生の学びに寄り添うアシスタントの育成など、創意工夫を重ねてきています。また、学生の学びを学生時代に限定せず、生涯に亘って学び続ける考動人(Lifelong Active Learner)としてAdvanced Communicationを実践するために必要なICTリテラシーの涵養にも努めてきました。ここには既に一定の成果が蓄積されていますが、新型コロナウィルスによる感染症の拡大などの非常時に対応するために、これまで所与のものとされていた面接授業以外に、学生の学びを創発するためのチャンネルを増設する必要があります。オンライン授業では、ともすれば科目担当者の授業内容や授業方法ばかりが注視されてしまいがちですが、学生の学びを創発することが大切であることにかわりはありません。本プロジェクトでは、学習者の視点に基づいてアクティブ・ラーニングのNew Normal Standardを探求していきます。

キーワード:New Education Normal、 DX(デジタルトランスフォーメーション)、ハイブリッド型授業、教員・学生間の信頼関係の構築、アクティブラーナーの学習志向に合わせた授業展開、三者協同で築くラーニングスタイル、フューチャースキル+ICT リテラシー、「バーチャルが主・対面が副の学習環境」

プロジェクト名 関大LMS活用プロジェクト
代表者 山本敏幸教授
期間 2016年10月~2020年9月
目的・内容

 関大LMS活用プロジェクトでは、2016年度から本学で運用されたLMS(Learning Management System)である「関大LMS」の活用を促進するための諸取組を行っています。具体的には、「日常的FD懇話会」や「ランチョンセミナー」などの場で、授業準備や運営に役立つ活用法を紹介するとともに、教員や学生からの問合せ対応や、授業準備に活用可能なFAQ集やテンプレートの開発などを、教育推進部教員やITセンター職員、授業支援グループ職員が連携して行っています。

プロジェクト名 成果指標検討プロジェクト
代表者 森朋子教授
期間 2014年9月~2020年3月
目的・内容

 成果指標検討プロジェクトでは、教学IRの推進と初年次教育に関するコモン・ルーブリックの作成といった2本柱を中心に活動を行っています。いずれも学習を評価することで教育改善を目指すものですが、評価にとどまらず、その結果を学生が自らの学習状況を把握できるツールとして活用できることを目指します。このように、学習の評価を直接的あるいは間接的に活用することにより、学生の学びを総合的にサポートするあり方を検討していきます。

プロジェクト名 アクティブ・ラーニングプロジェクト
代表者 三浦真琴教授
期間 2012年11月~2020年10月
目的・内容

 アクティブ・ラーニングプロジェクトでは、本学においてアクティブ・ラーニングが浸透することを願って、学生の学習が主体的、活動的なものになるような知見や情報の提供・共有あるいは創出に尽力しています。特に、2014年度に文部科学省大学教育再生加速プログラムに採択された取組「21世紀を生き抜く考動人<Lifelong Active Learnerの育成>」において、これまで取り組んできたLearning Assistantの活用と育成を精力的に継続するとともに、交渉学を大きな柱とした取組により、創造的な思考と責任ある行動を実践していく社会人の基礎力の涵養を目指しています。

プロジェクト名 ライティング支援プロジェクト
代表者 中澤 務教授
期間 2012年4月~2020年9月
目的・内容

ライティング支援プロジェクトでは、平成24年度に文部科学省大学間連携共同教育推進事業に採択された「〈考え、表現し、発信する力〉を培うライティング/キャリア支援」で行われてきた取組を継続・発展させることを目的としています。学内6ヶ所に設置された「ライティングラボ」におけるライティング支援を中心に、各学部の授業との連携や、「文章表現ワンポイント講座」などのセミナーも開催するなど、学生のアカデミック・ライティング能力を育成する仕組みを多面的に整備し、運用しています。

プロジェクト名 全学ICT活用推進会議
代表者 山本敏幸教授
期間 2012年4月~2014年6月
目的・内容

 ICT活用授業の普及
1.ICTを用いた教材の企画・開発・政策支援及び講習会・研修等の実施
2.ICTに関する各種システムの開発及び運用管理
3.ICTに関する学外諸団体との連携
4.コンテンツの公開に関する法的・技術的な検討と実践
5.その他全学的なICTの教育への活用推進

プロジェクト名 ICT活用授業の普及活動プロジェクト (詳細情報は、活動記録でご案内しています。)
代表者 山本敏幸教授
期間 2011年4月~2020年9月
目的・内容

これからの社会を生き抜く関大人には、Lifelong Active Learnerとしての素養と信頼を得るためのAdvanced CommunicationのためのICTリテラシーが必須となります。ICT活用授業の普及活動プロジェクトでは、アクティブ・ラーニングを促すシンキングツールやICT活用の普及・啓蒙を目指していきます。Office365やドロップボックスといった、学内にあるICT機器及びサービスの活用を促進する教員向けあるいは学生向けのセミナーを開催したり、授業におけるICT活用の相談やコンサルティングも随時行ったりします。

プロジェクト名 アンケートX
代表者 三浦真琴教授
期間 2008年11月~2011年3月
目的・内容

「授業評価アンケート」を再構築する
2000年から継続的に行っている授業評価アンケートについて幾つかの課題が指摘されている。本プロジェクトでは、本アンケートのコンセプトを明確にし、教員の改善意識・関心を高めるための仕掛け作り等を立案し、実行したい。また、学生との座談会を行い、学生へのフィードバック方法や実施結果の活用方法についても検討を行う。

プロジェクト名 TSネットワーク
代表者 岩崎千晶准教授
期間 2008年11月~2012年9月
目的・内容

教育支援のためのTA・SA制度を再構築する
本学では、授業の教育効果を高めるため、担任者が授業運営において行わねばならない軽微な用務の補助を行う学生をスチューデントアシスタントとして活用している。また、初年次科目における学生の学びをサポート(ディスカッション参加やプレゼンの手本等)する学習補助員(LA:ラーニングアシスタント)を試験的に導入している。TA制度を含めてこれらのように学生と共に教育を改善していく全学的な仕組みを再構築していく。