


わたしが勤務している白石中央研究所は、炭酸カルシウムの総合的な研究を行っている企業です。炭酸カルシウムは、ゴム、プラスティック、シーラント、塗料、インキ、紙、食品など幅広い分野で使用されており、それぞれの分野に応じた品質の開発に、日々挑戦しています。そのなかでわたしは、主に印刷用紙や印刷インキに使用される既存製品の改良や、新製品の開発を担当。基本物性の評価・解析とともに、実際に紙やインキに配合した場合の応用特性の評価を行っています。炭酸カルシウムの生産には、あらゆる工程で大学で学んだ知識が土台となるため、大学時代の教科書は在学中以上によく読んでいます。化学に対して難しいという印象をもつ方は多いかもしれませんが、意外と実生活との関わりが深い身近な学問です。まだまだ発展する可能性もある分野ですので、あなたの研究が社会で役立つことになるかもしれません。

電池メーカーのGSユアサで働いています。所属しているのは、自動車向けバッテリーの設計開発部門。ここでは、バッテリーの仕様の検討から始まり、設計・試作・評価と製品が形になる過程に直接関わることができます。大学時代は、化学を軸に、排水処理や省エネ技術など、生産プロセスの環境技術に関心をもって学びました。プロセスの開発者ではなく、電池メーカーへの就職を選んだのは、実際に「ものとして手にとってもらえる」という製品の特性に魅力を感じたから。化学・環境・製品開発という、自分の興味に適した仕事ということもあり、高いモチベーションで仕事に取り組んでいます。大学時代に学んだ知識は、さまざまな形で役立っており、授業で使っていた教科書は今でも手放せません。また、研究室で得られた経験は、報告書やプレゼンテーション資料を作成する際に生きています。

現在、京都研究所 成形材料技術センターという職場で、製品開発と新技術開発の2つのテーマに携わっています。「製品開発」の方では、開発品が製品として市場に流通する過程を通じ、ものづくりの成果が実感できますし、「新技術開発」では、次世代に貢献する技術の創造を通じ、自己の成長を確認できます。一つの職場で両方を経験できるのが特色で、日々やりがいを感じながら仕事をしています。学生の間に学んでおいた方がよいことは、「基礎力」と「自発力」だと思います。基礎力とは、講義などで身につける基礎学力であり、自発力とは、特別研究などを通じて身につける、目標設定から計画、実行、検討、さらに目標の再設定・再計画へと前進する実践力です。この二つの力は、どのような職種であっても、社会人として通用する重要な能力ではないでしょうか。自らの学生時代を振り返っても、課題に対する取り組み方、研究計画のスケジュールの組み方など、当時学んださまざまなことが、いろいろな形で基礎力、自発力となって、今の仕事に生きています。また、ゼミでのプレゼンテーションを通じて、“聞き手を意識した”資料作成能力を習得できたのも、大きな収穫でした。