やがて石油の供給不足が現実になるといわれ、地球環境の悪化も進行しています。これ以上の環境破壊を食い止め人類の持続的発展を維持するためには、今とは異なる新しいエネルギー体系を構築することが求められています。深刻化する地球温暖化問題に対しては、二酸化炭素の排出を最小化して、低炭素社会を構築する必要があります。そのためには省エネルギーの推進と既存エネルギーの変換効率の飛躍的向上に加えて、太陽光、風力、バイオマス、廃棄物や水素などの新エネルギーを利用する技術開発を進めていくことが重要です。本学科では、省エネルギーや新エネルギー、環境修復、環境汚染防止など、エネルギーと環境を見据えた科目を配置。1年次から多くの実験・演習を課し、身に付けた実践的な知識・技術を生かして環境負荷の少ない新システムを構築できる人材を育成します。
学びのスタイル
理工学研究科 環境都市工学専攻
博士課程前期課程 1年次生
清住 直樹
研究テーマ
マイクロ波照射中における各種光学測定の特異効果の解明
私たちが利用している電子レンジは、マイクロ波によって食べ物や飲み物を加熱します。しかしマイクロ波の照射中、エネルギーがどのように分子に伝達し、熱が発生するのかはあまり分かっていません。この研究では光ファイバーや水、分光器などを使って実験を行い、光の屈折率の変化を測定することで、マイクロ波が起こす特異な現象を解明しようとしています。多くの化石燃料を消費する熱ではなく、マイクロ波によって分子が動く仕組みが明らかになれば、産業分野のさまざまな化学プロセスに応用でき、カーボンニュートラルの実現に大きく寄与できると考えています。ほとんど手つかずの研究テーマだけに試行錯誤する場面が多々ありますが、失敗にくじけず、新しい発見につなげるためにチャレンジする姿勢が身に付きました。
この学科を選んだ理由
二酸化炭素の排出に起因する地球温暖化は深刻化する一方です。高校時代に、こうした環境問題を解決する方法を学びたいと思ったことが本学科を選んだ理由です。また、石油や電気に代わる新しいエネルギーや、エネルギーの省力化など、さまざまな切り口からエネルギーを研究できる点にも魅力を感じました。
将来の目標
大学院に進学してこのテーマをさらに追究したいと考えています。また、学会発表にも挑戦し、英語を使った発信力を高めたり、ほかの方の発表から新しい分野の知識を貪欲に吸収したいと思います。
マイクロ波という未知の領域に粘り強く向き合い、グローバルに活躍してほしい
マイクロ波は、既存のエネルギー構造や産業のあり方を変えるほど大きな可能性を秘めていますが、まだまだ解明されていないことが残されています。清住さんは実験装置を組み上げるところから粘り強く研究に取り組み、ようやく成果が出始めました。国際会議での発表にも挑戦してくれており、今後もグローバルに活躍できる研究者をめざしてほしいと思います。
エネルギー環境・化学工学科
朝熊 裕介 教授
- ※この学びのスタイルは2024年度のものです。
学びのキーワード
【新エネルギー】
【リサイクル】
【環境保全】
取得できる資格
所定単位を修得すると資格を取得できるもの
中学校教諭一種免許状〔理科〕
高等学校教諭一種免許状〔理科・工業〕
司書、司書教諭、学芸員、毒物劇物取扱責任者
所定単位を修得すると在学時から受験資格が得られるもの
甲種危険物取扱者
卒業時に受験資格が得られるもの
甲種消防設備士
受験できる資格
公害防止管理者
高圧ガス製造保安責任者
放射線取扱主任者
環境計量士