岡野 芳隆 ゼミ

  • 産業・企業経済コース
  • 経済理論専修

ゼミの内容について

従来の経済学では「自己利益を追求し、完全合理的に振る舞う人間」を想定したモデルを構築し、さまざまな経済現象の説明を試みてきましたが、それではうまく説明できない状況が多々あることが指摘されてきました。「先着○○名様限定という言葉に弱い」、「週末に部屋の掃除をしようと思っていたけど、いざ当日になると面倒になった」「クレジットカード払いだとついつい買いすぎてしまう」など現実の人間にはさまざまな「合理的ではないと思われる行動」が見受けられます。経済実験や心理実験を通して人間行動に関する新たな知見を獲得し、従来の経済理論に心理的要因も含めた新たな人間モデルを構築することで、より正確に現実の経済現象に対する理解を深めていこうというのが行動経済学といわれる分野です。

岡野ゼミでは、行動経済学の知識を深く学ぶとともに、それをもとに学生自らが人間行動に関する仮説を構築し、実験やアンケート調査を通して現実の人間の行動を観察・分析することで、さまざまな経済現象に対する理解を深めています。

ゼミ活動の進め方

まず、行動経済学に関する書籍を輪読・討論することを通して、行動経済学で得られた知見を深く理解します。数人1グループになって本の内容を発表し、さらにその内容を踏まえた新しい研究案(実験やアンケート調査案)を考えてもらいます。ここで出す研究案は実際に実施するわけではなく、あくまでもアイデアを出す練習ですが、できる限り実現可能性を考慮に入れた具体性のある研究案を目指します。何回か他のグループメンバーの前で発表し、さまざまなコメントをもらって修正を加えていきます。

これらアイデア出しの練習・経験を活かして、その後は実際に人間行動に関する仮説の構築、それを検証するための研究案の作成、データの収集、分析と結果のまとめなど、一連の流れを実践します。フィールド実験、アンケート調査、実証研究、あるいは理論研究など、どのような形式で研究を行うかは各グループ内で話し合って学生が主体的に決めていきます。4年次は、主として卒業論文の執筆に時間を充てます。

本ゼミの特徴

前述の通り、本の輪読に加えて、その内容を踏まえた新しい研究案を考える練習をするなど、初期の段階から実践的な活動をしていきます。どのような実験・アンケート案を作成すれば、自分の立てた仮説を検証できるかという論理的な思考が必要となります。

また、考えた研究案をゼミメンバーに発表する機会がたくさんありますので、どのように説明すれば相手に理解・納得してもらえるかというプレゼンテーション能力や、メンバーからもらったコメントをいかに自分の研究案に盛り込んでいくかという柔軟性も求められます。これらの経験を通して、新たな学術的発見をする知的な感動を味わうこと、これが岡野ゼミの最終目標です。

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