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現実社会をロジックで読み解く ゼミpress

地域が抱える課題を見極め、「オープンイノベーション」を提言。

後藤ゼミ

4年次生久保田 さくら

ホーチミンの街並みを眺め、アジア経済に関心を抱く。

このゼミを選んだのは、1年生のときにキャリアセンター主催の国際インターンシップでベトナムを訪れたのがきっかけです。日本の大手文具メーカーの協力のもと、現地の需要を調査したうえで実際に文房具を販売するという取り組みを行いました。初めての海外でしたが、ホーチミンはとても発展していました。しかし、高層ビルの上から街を眺めてみると都心の反対側には未発達な街が広がっていて、「同じアジアでも日本とこんなに違うのか」と興味を持つことになりました。このプログラムへの参加を迷っていたときに「行った方がいいよ」と背中を押してくれたのが、アジア経済を専門とされている後藤先生でした。

現地の自治体・地元企業30社を訪問してヒアリング調査。

SKIMA Project 2018の全体写真
SKIMA Project 2018

後藤ゼミでは、鹿児島県曽於市と連携協定を結び、周辺の都城市と志布志市を含めた自治体・企業の協力のもと、地域活性化戦略の立案・提言を行う「SKIMA Project」を運営しています。実際に現地の自治体・地元企業30社を訪問して現状調査を行い、分析を行ったところ、3都市の企業には業種を超えた企業連携に課題があることがわかりました。曽於市は一次産業、都城市は二次・三次産業の比率が高く、海に面した志布志市は輸出が盛んでそれぞれの個性があるものの、毛色が異なるので交流も連携も不十分でした。

垣根を超えた「オープンイノベーション」の必要性を提言。

現地調査の様子
現地調査の様子

最近では、複数の企業や大学・自治体などの組織が連携して新たな商品やサービスを開発する「オープンイノベーション」が注目を集めています。それぞれの得意分野を持ち寄って刺激を与え合うことで、より革新的で大きな成果を上げることができると言われています。私たちは、「3都市の連携が進まなければ、こうした市場の流れに取り残されてしまう。業種を超えた企業・自治体が強みを活かし、互いの弱みを補完し合う連携が必要である」という提言を行いました。年配の方からは「難しそう」といった不安の声も上がりましたが、その必要性に共感してくださる意見も多く、手応えを感じました。このプレゼンは現地の高校生も聞いていたのですが、「自分たちも地方創生に取り組みたい」と言ってくれたのがうれしかったです。
こうした地方の課題というのは、発展途上国が抱える課題とも共通するところがあります。ゼミでは国際的な視点から地域活性化について研究を行っていくことで、国際的な経済問題をより身近なものとして捉えることができたと感じます。

なぜ経済学部に?

理論を実践に落とし込むことができるのが経済学の面白さです。たとえば生産性(TFP:全要素生産性)なども数式で表すことができます。
今回の「SKIMA Project」でも、オープンイノベーションによってTFPが向上した事例を紹介して、その必要性を強調しました。自分たちの暮らしと密接している経済学を学ぶことで、社会の仕組みを知り、さまざまな分野で知識を活かせると思います。

※学年を含め、掲載内容はインタビュー当時のものです。

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