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現実社会をロジックで読み解く ゼミpress

新入社員のより良い配属先を
マッチング理論で考える。

藤中ゼミ

4年次生梛木 雄登

理論を突き詰めるマッチング理論に、発想力をかけ合わせる。

このゼミの研究テーマであるマッチング理論では、実験でデータを収集することよりも、理論を突き詰めて経済現象を明らかにしていくことが求められます。そこに自分ならではの発想力をかけ合わせることで面白い研究ができないかと考えて、このゼミを選びました。昔から社会の不便さや不都合さを解決するビジネスアイデアを考えるのが好きで、発想力には自信がありました。

オファーと保留を繰り返す「DAアルゴリズム」。

新入社員側DAアルゴリズムの図
お互いに希望を出し合うDAアルゴリズム

自分たちのグループが選んだ研究テーマは、マッチング理論を用いた新入社員の配属問題でした。2016年の厚生労働省のデータによると、大学卒の新入社員が入社3年以内に退職する割合は32.0%と非常に高くなっています。これは、会社側の都合で一方的に配属先が決められてしまっていることが原因ではないかと考えた私たちは、「DAアルゴリズム」を採用した配属方法を模索しました。DAアルゴリズムとは、オファーとそれに対する保留を繰り返すことでより良いマッチングを探す方法です。新入社員が営業支店などの配属先にオファーを出し、営業支店側はそれを受け入れるか承認するかを選択することでお互いのメリットが保障され、結果的に仕事の満足度や生産性にもつながるのではないかと考えました。

研究に説得力をもたせ、かつフェアな指標を模索。

「営業支店の評価で各新入社員の仕事の適性度が決まる」についての資料
「やる気」「適正度」などの指標はオリジナル

研究を進めるうえで、苦労したのは指標の設定です。「DAアルゴリズムを採用すると良い結果になる」ということを導くような、恣意的な指標を設定してもフェアではありません。そこはグループ内でしっかり話し合い、新入社員の「やる気」と営業支店の「適正度」を加重平均させ、それが「生産性」につながると定義しました。自分の発想力もある程度活かせたのではないかと思います。学内でのゼミ大会でも決勝まで進むことができたので、手応えを感じることができました。
卒業後は食品メーカーへの就職が決まっています。配属先はコーポレート部門なので、人事部に行くこともあるかもしれません。今回研究したことを現実にも活かしていけたらうれしいですね。

なぜ経済学部に?

自主性が求められますが、関西大学の経済学部はいい意味で「自由」だと思います。本来なら引き続き配属問題についてのグループ研究を進めることになっていたのですが、自分一人で思う存分挑戦してみたい気持ちがあり、その後NBAのドラフト制度や倉庫業をテーマにしたマッチング理論研究に取り組みました。おかげさまで日本学生経済ゼミナール大会では3位に入賞できたので、挑戦を認めてくれた先生には感謝しかありません。

※学年を含め、掲載内容はインタビュー当時のものです。

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