学部概要

学部案内

過去に学ぶ。いまをつかむ。未来を見通す。

突然ですが、あなたに質問です。「経済」を学ぶことは、あなたにとってどんな意味があるでしょうか。簡単に言えば、経済学は過去の経済的できごとに学ぶことで、現在の社会や世界の動きをつかみ、未来の動向を予測していく、そんな学問です。人間の経済活動、そしてその社会的関係を理論的、実証的、歴史的に分析・解明し、その成果に基づいて問題を解決する方法を探る、そういう目的をもった社会科学系の学問なのです。解決すべき問題とは、例えば環境問題の深刻化、少子高齢化社会の到来、異文化との共存、そして所得格差や年金・医療費問題。このような現在の日本で、海外で、起きているできごとを読み解き、解決への道筋を考えるために。いま、経済学が果たす役割は無限に広がっています。

思考力と行動力を高める7つの専修科目群

1~2年次で経済学を学ぶための基礎能力を修得します。2年次秋学期以降は、ゼミナール(経済学演習)に所属するとともに、7つの専修に分属します。ゼミナールと各専修別専門科目の履修のシナジー効果により、自ら設定したテーマに対する、より深い学習・研究が可能となります。

7つの専修科目群

学びダイジェスト

学生が主体的に学べる環境が整っていることが経済学部の特徴です。経済学への興味を高め、4年間を通してしっかりとサポートします。

  1. 1年次 経済学の入門的な科目を通して専門知識を身につける。

    4年間スムーズに経済学を学ぶうえで必要な基礎学力を身につけるために、基礎入門的な共通科目を全員が履修し、さらに選択必修科目を履修することによって、経済学のアウトラインをつかんでください。そのほかにも、共通教養科目や外国語などを学び、幅広い教養を身につけます。

    フレッシュマンセミナー
    フレッシュマンセミナーは、
    4年間を有意義に学ぶための
    スタートポイント。
    4年次生真野 杏果

    毎年5月初旬に奈良県明日香村で実施されるフレッシュマンセミナーは、学年を超えたグループワークを通じて、ディスカッションやプレゼンテーションを経験できる、経済学部独自のイベントです。大学での学び方を教えてもらえるだけでなく、1泊2日の日程を終えるころには、面識がなかった人たちと親しくなれるので、新入生はぜひ参加することをお勧めします。

    3年次生 真野 杏果さん
  2. 2年次 目的や興味に応じて7つの専修いずれかに分属し、専門領域を探求する。

    2年次の春学期の終わりに分属する専修が決定することになります。よって、2年次の春学期は、自分がどのような経済学を勉強したいのかを見極めてください。秋学期からは、分属する専修に応じたカリキュラムを学んでいくことになります。すなわち、さまざまな専門科目を履修するとともに、ゼミナール(経済学演習)での学修を開始します。講義とはちがったゼミナールの雰囲気を味わうとともに、深く掘り下げて勉強することの楽しさを知ってください。

    記念講演
    経済学のベースをしっかり学んだうえで、
    専修とゼミを選択できます。
    4年次生前田 貴明

    経済学部では、経済学の基礎を幅広く学んだうえで、2年次の秋学期からゼミ活動が始まります。事前にゼミ紹介の機会があるので、自分に合ったテーマを探してゼミを選べます。私の場合は、1年次の講義でマクロ経済学がおもしろいと感じていたこともあり、時事問題について理論的に研究できる、経済理論専修のゼミを選択しました。

    4年次生 前田 貴明さん
  3. 3-4年次 専門分野を深め、自ら設定した研究テーマをまとめ上げる。

    2年次よりもさらに専門科目を深く探求するこの時期は、ゼミナールを核に考究します。多くのゼミが参加するゼミナール大会は、それぞれのゼミナールでの学修の発表・討論の場でもあり、大いに盛り上がります。そして、4年間の総決算とも言える卒業論文は、教員の助言を得ながら、多くの知力・労力を費やします。卒業論文の完成は、4年間着実に学修した結果が得られる、達成感の源であり勲章でもあるでしょう。

    ゼミナール関関戦
    経済を学ぶことで、社会をとらえる視点が変わりました。
    4年次生野田 遥

    2年次にゼミ大会を見学して、先輩方の研究熱心な姿や学びの質の高さに刺激を受けました。そして私も一つのことを徹底的に研究して、自分なりの結論を導き出す達成感を味わいたいと考えるように。現在は、コンサートやイベントの企画を考える仕事に就きたいという夢に向かって、ゼミでさまざまな戦略や駆け引きについて研究しています。経済を分析することで、日常生活や社会全体を見る目が変わります。

    4年次生 野田 遥さん

年表 -110年の歩み ―

1904年7月 本科に法律学科、経済学科認可。
1905年1月 「私立関西大学」と改称。大学科に法律学科と経済学科を置く。
1906年10月 大学科と専門科に商学学科の開講。
1907年8月 学則改正によって大学部と専門部に分かつ。大学部のなかに大学科と予科ができる。
大学科のなかに法律、経済、商学科ができる。
1911年4月 大学部、専門部の商業学科を高等商業学科に改称。高等商業予科を設置。
1917年4月 専門部を専門科、専門部予科に分つ。専門部予科に法律予科、経済予科、高等商業予科を設置。
1922年6月 大学令による昇格。商学部を設置。
1924年3月
8月
商学部に経済学科を増設。
商学部を経済学部と改称、経済学科と商業学科に分つ。
1935年4月 経済学部を経商学部と改称し、経済学科と商業学科の学科課程改正。(1942年商業学科を商学科と改称)
1944年4月 経商学部の商学科を廃止し、経済学部と改称。
1948年3月 新制大学に経済学部設置。
1950年4月
11月
新制大学院の経済学研究科(修士課程)発足。
経済学会、経済論集創刊。
1953年4月 大学院経済学研究科に博士課程(金融経済・経済史専攻)設置。
1958年4月 経済・政治研究所が発足。
1966年2月 経済学部・商学部研究棟が竣工。
1967年3月 第2学舎3号館竣工。
1974年 経済学部祭開催。
1976年 経済学部・商学部合同祭開催。
1979年4月
9月
経済学部、大幅なカリキュラム改正を実施。
『経済論集』経済学会創設50周年記念号発行。
1980年12月 経済学会『経済学会報』を創刊。
1986年4月 経商ゼミ棟、増築工事竣工式。
1995年4月 経済学部カリキュラム 3分野制導入。
1998年4月 セメスター制導入。
2003年4月 昼夜開講制導入。
2004年7月
9月
経済学部創設100周年
第2学舎4号館竣工
2007年4月 昼夜開講制廃止。経済学部カリキュラム4専修制導入。
2011年4月 カリキュラム7専修制へ。演習(ゼミ)および卒業論文の必修化。

1904-2011年-カリキュラムの変遷を中心にして-

関西大学経済学部創設100周年記念誌編集委員会
北川勝彦
関西大学経済学部長
谷田則幸
経済学部の誕生

1886(明治19)年11月、大阪西区の願宗寺に関西法律学校が誕生した。同年12月の開校時より、経済学の講義が重視され、野村ちん吉によってミルやフォーセットなどのイギリス古典派経済学、手塚太郎によってケネー、セーなどのフランス経済学が講義された。大阪市西区江戸堀に2階建校舎を新築した関西法律学校は、1903(明治35)年11月、専門学校令による専門学校として認可をうけた。本科に経済学科が新設され、認可されたのは、1904(明治37)年7月であった。ここに経済学部は、産声をあげる。1905(明治38)年1月、関西法律学校は、私立関西大学と改称され、1906(明治39)年12月には北区上福島の福島学舎に移転した。

経済学部の誕生
大学への昇格と経済学部

私立関西大学は、1922(大正11)年6月5日、千里山に学舎が新設され、大学令によって大学に昇格する。1924(大正13)年4月、商学部に経済学科が設置されたが、同年8月、商学部は経済学部と改称され、商業学科と経済学科が設置されることになった。1929(昭和4)年には、2年以上の教育課程をもつ大学院(法文学部研究科、経済学部研究科)が設置されている。第二次世界大戦中、1942(昭和17)年には、商業学科は商学科と改称され、経済学部は再び経商学部に改称された。また、1944(昭和19)年、商学科の廃止にともない、経済学科1学科の経済学部に名称が変更されている。

戦前期の経済学部の充実ぶり

関西大学において経済学の教育と研究に本格的な取り組みが行われるようになったのは、1921(大正10)年、宮島綱夫が経済学部教授として迎えられて以後のことに属する。5年後の1926(大正15)年には、大学部に所属した31名の教員の中で経済学関係の科目を担当していたのは、宮島綱夫、岩崎卯一(社会政策)、沖中恒幸(経済学、経済史、経済書研究)、小川郷太郎(財政学)、田辺信太郎(商業史、商業政策)、山村喬(政治書研究、工業政策)、森下政一(財政学、英語経済)であった。

昭和恐慌の時代、18名の専任教授、7名の助教授が任命され、関西大学の充実が図られていった。この中で、経済学部関係の担当者としては、第二次世界大戦後の経済学部の建設に重要な役割を演じた正井敬次、水谷揆一、森下政一、矢口孝次郎などが含まれていた。

新制大学への移行と経済学部の定礎

1948(昭和23)年3月、関西大学は、学校教育法による新制大学として認可され、法学部(1部、2部)、文学部(1部、2部)、経済学部(1部、2部)および商学部(1部、2部)の4学部体制で発足した。当時の主要な教員には、植野郁太、矢口孝次郎、鋳方貞亮、杉原四郎、安田信一、三谷友吉、森川太郎、藤谷謙二、高木秀玄、中川庸太郎の名前が見られた。

戦後の経済学部の専門科目教育は、主要科目にあたる第一類と関連科目にあたる第二類に区分され、以下のような構成で出発した。ここには、現在にいたるまでの経済学部カリキュラムの基本的構成を見ることができる。

第一類には、経済原論、経済史、経済政策、財政学、統計学、国際経済論、金融経済論、外国経済書購読(英、独、仏)、経済学演習が配当され、第二類には、経済原論特殊研究、経済史特殊研究、財政学特殊研究、経済変動論、国際金融論、経営経済学、工業経済学、商業経済学、農業経済学、交通経済学、市場論、貨幣論、銀行信託論、保険経済学論、会計学総論、簿記概論、日本経済史、日本産業論、経済地理学、外国経済事情、経済哲学、社会学、社会政策、社会思想史、新聞学、憲法、行政法(総論、各論)、民法、商法、国際法、会社法が配当されていた。

関西大学が創立70周年を迎えた1956(昭和31)年より、経済学部の専門科目は、必修科目(英書、ドイツ書、フランス書)、第一類科目(経済学演習を含む主要科目)、第二類科目(関連科目)と区分されるようになった。1950年代の経済学部の専任教員(カッコ内担当科目)は以下の通りである。教授としては、森川太郎(金融経済学)、杉原四郎(経済学)、鋳方貞亮(日本経済史)、澤村栄治(経済社会学)、高木秀玄(統計学)、中川庸太郎(国際経済論)、松原藤由(経済政策)、三谷友吉(経済学史)、矢口孝次郎(経済史)、助教授としては、荒井政治(西洋経済史)、東井正美(農業経済学)、専任講師としては市原亮平(人口論)、越後和典(経済政策)が就任していた。

開かれた総合大学への道と経済学部教育

1960年代半ばの大学志願者の急増期を控えた1964(昭和39)年には、経済学部の専門教育科目は、主要科目と関連科目に区分され、その後、このカリキュラムの基本的な枠組みは、1973(昭和48)年まで維持された。

ところで、1973(昭和48)年には経済学部の専門教育科目には、必修科目が定められ、選択科目は第1類と第2類に区分された。翌年には、これらの区分に加えて、選択科目は10種の科目群に分類された。経済原論はⅠ~Ⅳまでに分けられ、経済原論Ⅰ・Ⅱでは、は近代経済学(ミクロ経済学とマクロ経済学)、経済原論Ⅱ・Ⅳではマルクス経済学が講義されることになった。また、10種の科目群の内訳は、第1群理論・統計、第2群金融・財政、第3群歴史・学史、第4群経済政策、第5群産業論、第6群社会政策、第7群国際経済、第8群経営・会計、第9群法律・その他、第10群特殊講義である。

次いで、1979(昭和54)年のカリキュラム改正では、経済学部の専門教育科目は、必修科目と選択科目に区分され、経済学演習以外の選択科目は、多少の調整を経て10群に分類された。主たる改正点は、少人数教育を目指した基礎経済学の導入と経済原論の区分名称の変更(IA, IB, IIA, IIB)であった。

1980年代に入り、国際化と情報化の大きな流れが生じる中で、関西大学もそうした動きに対応を迫られる。1982(昭和57)年には情報処理センター(2004(平成16)年にインフォメーションテクノロジーセンターと改称)が開設され、1985年には総合図書館が開館した。また、1989(平成元)年には、国際交流センターが開設されるとともに学生国際交流館秀麗寮が建設された。また、1991年の大学設置基準大綱化実施をひかえ、1980年代後半には、日本の各大学は、教学諸制度の改革への取り組み、入試制度や学生支援策への検討、大学イメージの向上をはかる諸戦略の構築など、多種多様な制度改革へ積極的に取り組む姿勢を示し始めた。こうした動きは、経済学部の教育と研究の改革に刺激を与えることになった。

関西大学の制度改革と経済学部教育の活性化

1990年代になって、関西大学では、1994(平成6)年には、総合情報学部が開設され、第2部が天六キャンパスから千里山キャンパスに移転した。この第2部学生に対する教育は、インテリジェンスビルとして新装なった経商学舎(第2学舎1号館)で行われることになった。

このように経済学部を取り囲む教育と研究の環境変化の中で、学部教育のシステムを社会のニーズに対応できるように各種の改革が行われてきた。たとえば、第2部の千里山キャンパスへの移転を前にして、経済学部ではさまざまな角度からカリキュラムの改革について議論が行われてきた。その結果、1995(平成7)年には、経済学部の専門科目は、基礎科目、選択必修科目、選択科目に分類され、経済学演習以外の選択科目には三分野制-「理論・政策分野」、「産業・国際分野」、「歴史・社会分野」-が導入された。少人数教育をめざし、学部学生に対する専任教員による指導を高める基礎科目としては基礎経済学、基礎経済英語、経済英語の3科目が設置され、それらは履修義務科目とされた。その他、経済学特殊講義などを配置した「分野共通科目」、商学部の関連科目を配置した「経営・会計系科目」、法学部の関連科目を配置した「法律・政治系科目」の各科目群が整備された。

カリキュラム改革は、どのような学生を受け入れ、受け入れた学生にどのような付加価値をつけて社会に送り出すかという課題と密接不可分である。入試制度としては、推薦入学制度の拡充、帰国生徒入試、社会人入試など多様化がはかられていった。受け入れた学生にどのような教育を行うかについても検討された。関西大学では、専門教育と並んで基礎的な教養教育の改革に着手し、1997(平成9)年より教養改革(第2部では1998(平成10)年)が実施され、教養科目は半期2単位かつテーマ付きの科目となった。また、経済学部では、この年より再試験が廃止された。次いで、1998年より経済学部は専門科目の教育効果の向上を期待して独自に半期集中のセメスター制を導入した。その結果、経済学部のスタッフの担当する4単位科目については半年集中で週2回の講義が実施されることになった。

新世紀経済学部のイノベーション

2003(平成15)年、関西大学では、1世紀以上の歴史の中でこれまでにない思い切った教学体制の革新が行われた。それは、第1部および第2部を廃止し、全学で昼夜開講制(デイタイムコース、フレックスコース)が導入されたことである。こうした動きに対応して経済学部でもカリキュラムの改正を含めてさまざまな制度的革新が求められることになった。

2003(平成15)年の昼夜開講制の実施にともなうカリキュラムの改革では、専門教育科目は共通科目、選択必修科目、選択科目に区分された。選択科目の三分野制はこれまで通り維持された。主たる改正点は、経済学部における基礎教育を強化し、多様な学生のニーズに応え、経済学学習への動機付けを高めることであった。一年次生には、少人数の「経済学ワークショップ」が設けられ、経済学演習は二年次生から導入された。また、昼間主ではスペシャリストコースを設置して学部生が経済学を系統立てて学べる工夫をこらし、夜間主ではプロジェクトコースを設置して多様な学生のニーズに応え、学際的なテーマ別の学習でき、経済学学習への動機付けを支援できるようにカリキュラムの改正が試みられた。それに先立って、経済学部では情報化社会に対応すべく情報処理科目を履修義務科目とし、また、国際化へ対応すべく既存の専門科目を再編して「アジア・太平洋経済論」、「アメリカ経済論」「EU経済論」などが設置された。また、この年から夜間主(6~7時限)においても半年集中のセメスター制が実施された。

このようにして導入された昼夜開講制ではあったが、昼間主の学生が圧倒的に多く、夜間主の学生も結局はデイタイムの講義に出席する者が多かったため、昼間主に統一することとなり、昼夜開講制は2007年に廃止することになった。それに伴うカリキュラム改革では、一学部一学科だった経済学部に初めて専修制が導入されることになり、経済戦略専修、社会経済専修、ビジネス会計専修、インターファカルティー専修という4専修が設置された。

この経験をもとに2011年には専修をさらに分化した7専修制に改組され、併せて、初級ミクロ経済学、初級マクロ経済学、演習(ゼミ)、卒業論文の必修化がなされ、誰もが演習を履修し、卒業論文を提出して卒業するカリキュラムになっている。

学部創設110年を迎え、経済学部は、これからも将来を見通した教育研究システムの革新にむけて、数多くの課題に挑戦していくであろう。

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