研究活動

【公募研究班】大阪府下における「子ども支援」サービスの調査とガイド作成

研究代表者 廣川 空美 社会安全学部・教授
研究概要

 厚生労働省による「2019年国民生活基礎調査の概況」によると、我が国の子どもの貧困率は13.5%であり、所得ベースの相対貧困率は15.4%である。中でも、大阪府は貧困状態にある子どもの数が全国で最も多く、生活保護世帯の割合も多いことが示されている(三菱UFJリサーチ&コンサルティング, 2016)。大阪府下の子どもの相対的貧困率は14.9%という調査結果が報告されており、経済的な困窮度の違いにより、放課後にゲームセンターで過ごす割合や、一人で過ごす割合が多くなり、朝食だけでなく夕食も食べない割合も多いことが示されている(大阪府立大学, 2017)。経済的に困窮度が高い家庭の子どもに対しては、学校以外の場でかかわることができる大人からの支援の必要性が指摘されている。
 このような子どもの貧困の問題に対して、食事の提供を行うことを目的として、「子ども食堂」の活動が全国に広がっている。農林水産省(2018)の調査の結果では、80%以上の子ども食堂が地域との何らかの連携を行っている一方、課題として、「来てほしい家庭からの参加の確保」、運営費用やスタッフの負担、といった内容が上位を占め、学校・教育委員会からの協力や、行政からの協力も課題として挙げられている(農林水産省, 2018)。

 子どもの健康状態や家庭環境などは、学校においてある程度把握されているものと考えられる。子ども食堂への参加を促すことができるような情報を学校に提供し、学校と地域の子ども支援サービスとの連携を促進することが求められるのではないかと考える。 本研究の目的は、大阪府内における子どもへの支援について、学校と地域との連携を促進するためのツールを作成することである。そのために、本研究において、次の2点を行う。

 ①大阪府下の子ども食堂を対象に、子どもへの支援活動の内容(例:食事の提供、学習支援、学外活動など)、支援活動提供の対象者(例:子どものみ、大人を含むなど)、支援活動の日時、運営者からのメッセージなどの調査を実施する。

 ②情報検索サイト「大阪府版 子ども食堂ガイド」を立ち上げ、調査で得られたサービス情報を掲載し、学校関係者や保護者、地域の住民が広く検索可能なものとして、情報提供する。

研究分担者

菊池 美奈子  梅花女子大学・看護保健学部・准教授

植田 紀美子  人間健康学部・教授

元吉 忠寛   社会安全学部・教授

近藤 誠司   社会安全学部・教授

高鳥毛 敏雄  社会安全学部・教授

研究期間 2024年度~2025年度(2年間)

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