なにわ大阪研究センターは、これまで大阪の歴史、文化、社会に関する地域研究に取り組み、豊富な研究成果を蓄積するとともにそれを様々な形で発信してまいりました。私たちは、なにわ大阪の豊かな文化遺産を次世代に伝えるために、文系理系を問わず様々な分野の研究者によって研究活動を行っています。そのアプローチは、特に地域社会との連携を重視しており、地域の皆様との対話を通じて、現代社会における歴史や文化の意義を再評価しています。具体的には、地域のイベントやワークショップを通じて、研究成果を広く共有し、地域の活性化に寄与することを目指しています。また、学術的な研究だけでなく、一般市民の皆様にも親しんでいただけるような取り組みも行っています。
2024年度から、当センターは関西大学博物館の組織として新たなスタートを切りました。これにより、さらに充実した研究環境のもとで、「なにわ大阪研究」を推進していくことが可能となります。博物館との連携を通じて、より多くの皆様に研究成果を発信し、地域文化の保存と発展に貢献してまいります。
当センターの活動は、皆様のご理解とご支援なくしては成り立ちません。今後も、地域社会に開かれた研究拠点として、多くの方々に参加していただき、一緒に大阪の歴史や文化を探求していきたいと考えています。どうぞ、関西大学なにわ大阪研究センターの活動にご注目いただき、ご支援賜りますようお願い申し上げます。
なにわ大阪研究センターは、2016年4月、関西大学創立130周年記念事業のひとつとして設立されました。
「大阪」に生まれ、長く育まれてきた本学には、この地を中心に集積してきた豊富な研究と連携の実績をもとに、優れた研究成果を社会に発信し、皆さまからの期待に応えるという使命があります。このセンターは、総合大学である本学の特色を活かし、人文科学・社会科学・情報通信学・防災学・理工学等の各分野を統合する「総合科学」の粋を集めて「大阪を中心とした地域研究のハブ」を形成し、大阪から全国に、さらには世界に向けて特徴的な研究成果と知的な興味と魅力にあふれた情報を発信することを目的としています。
本センターは、こうした使命と目的によって大阪研究の拠点として誕生し、今日まで活動を続けてきました。
設立時に掲げたコンセプトは2つ。
その第1は、文部科学省から大型の補助金事業※の選定を受けた「大阪都市遺産研究センター」による大阪の歴史、文化、芸能、景観等に関する研究実績と成果の継承と発展をはじめ、本学に蓄積されたなにわ大阪研究に関連した研究実績を有する各分野の研究チームの力を結集し、21世紀におけるネットワークとしての「大阪研究の拠点」を形成することです。
第2に、これまでの研究実績によって蓄積されてきた学術的に価値の高い成果物等、本学における豊富な学術リソースを検証・発掘し、広く社会に情報発信することです。
この2つのコンセプトのもとに、2021年度からは新たな研究軸が確立され、大阪の研究を代表する、社会に開かれた研究センターをめざしています。
- このセンターの前身のひとつである「大阪都市遺産研究センター」は、文部科学省の大型補助金「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」の選定を受け、大阪の都市遺産を史的に検証する研究拠点として、優れた成果をあげました。(2010年度~2014年度の5年間)