概要・挨拶

センター長からのメッセージ

 なにわ大阪研究センターには、これまで本学が取り組んできた「なにわ大阪研究」に関する豊富な研究の成果が蓄積されています。また、周辺の自治体や各種団体など地域に根差した連携の実績をベースとした共同研究の成果もあげてきました。今後、これら本センターが引き継ぎ発展させてきた大阪の歴史、文化、芸能、景観、CG技術を駆使したものづくり研究の成果の可視化等に関する研究をさらに進展させ、文理を融合した取り組みも視野に入れた、特色のある地域研究の拠点として、一層、発信力を高めてまいりたいと存じます。
 さらに抱負をもう一つ。それは、今まで以上に「地域社会に開かれた研究センターをめざしたい」とうことです。これまで本センターが入手してきたさまざまな学術資産や研究成果を丁寧に検証する中で、そのものが持つ歴史的な経緯や出自、ディテールに関し詳しい知識をお持ちの皆さんからのご意見をお聴きし、新たな知見を加えることができたとすれば、学術的にも大いに意義のある取り組みであると申せます。少しずつ、一歩ずつでもいいのです。「知識人参加型」の開かれた研究センターでありたいと考えています。
 今後とも、本センターの活動にご理解とご期待をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

なにわ大阪研究センター長 乾 善彦(文学部教授)



なにわ大阪研究センターの概要 ~センター設置の意義と目的~

 なにわ大阪研究センターは、2016年4月、関西大学創立130周年記念事業のひとつとして設立されました。
 「大阪」に生まれ、長く育まれてきた本学には、この地を中心に集積してきた豊富な研究と連携の実績をもとに、優れた研究成果を社会に発信し、皆さまからの期待に応えるという使命があります。このセンターは、総合大学である本学の特色を活かし、人文科学・社会科学・情報通信学・防災学・理工学等の各分野を統合する「総合科学」の粋を集めて「大阪を中心とした地域研究のハブ」を形成し、大阪から全国に、さらには世界に向けて特徴的な研究成果と知的な興味と魅力にあふれた情報を発信することを目的としています。
 本センターは、こうした使命と目的によって大阪研究の拠点として誕生し、今日まで活動を続けてきました。
 設立時に掲げたコンセプトは2つ。
 その第1は、文部科学省から大型の補助金事業の選定を受けた「大阪都市遺産研究センター」による大阪の歴史、文化、芸能、景観等に関する研究実績と成果の継承と発展をはじめ、本学に蓄積されたなにわ大阪研究に関連した研究実績を有する各分野の研究チームの力を結集し、21世紀におけるネットワークとしての「大阪研究の拠点」を形成することです。
 第2に、これまでの研究実績によって蓄積されてきた学術的に価値の高い成果物等、本学における豊富な学術リソースを検証・発掘し、広く社会に情報発信することです。
 この2つのコンセプトのもとに、2021年度からは新たな研究軸が確立され、大阪の研究を代表する、社会に開かれた研究センターをめざしています。

  • このセンターの前身のひとつである「大阪都市遺産研究センター」は、文部科学省の大型補助金「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」の選定を受け、大阪の都市遺産を史的に検証する研究拠点として、優れた成果をあげました。(2010年度~2015年度の5年間)



「なにわ大阪」について

「なにわ大阪」には大阪の歴史・文化遺産という過去のストックと、常に未来に向けて発信する現在のフローとが含意されています。大阪を冠する機構・団体、あるいは「なにわ」単独の呼称もありますが、「なにわ大阪」とした表現は希少性が高く、センター名称としてこの言葉を使用しています。