研究活動

 

こちずアプリ「大阪こちずぶらり」を活用した大阪風景画アプリの開発

研究代表者

岡 絵理子 環境都市工学部・教授

研究概要

なにわ大阪の「笑い」に関する調査と研究 本研究では、以下二つの取り組みを考えている。
一つは、「大阪こちずぶらり」の大阪市街地風景アプリとしてのバージョンアップである。
地図に落とし込む風景画情報を増やし、作成時期の異なる風景を簡単に見ることができる風景アプリの作成を行う。
二つ目は江戸時代の風景画情報が多く残っているものの、今は景観的に評価されることが少ない淀川流域風景アプリの作成である。
これらの風景アプリの作成を通してその場における歴史認証を深め、さらに地図をベースとした景観インベントリーの作成が目的である。
これらを使ったまちあるき、川下りの実施さらに地域理解を深めることが可能となる。

(2019年度)
図書館風景画資料の追加選定を行い、デジタル化する。 2020年に向けて、ワークショップ参加者を募集する。

(2020年度)
ワークショップを実施し、参加者による風景画アプリを活用した研究を進め、成果発表会を 行う。

本アプリは、作成するためのワークショップを開催し、それぞれの参加者が風景資料と地図を比較し、読み込みことにより完成する。 作成の過程に参加することにより、それぞれの参加者が大阪の空間構造の新しい視点を得る可能性が考えられる。 また、完成した風景アプリを用いることにより、時間を自由に移動しながら風景を見比べることにより、新しい大阪風景学研究が推進されるものと考える。

研究分担者

与謝野有紀 社会学部・教授

鳴海邦碩 大阪大学・名誉教授、関西大学・客員教授

研究期間 2019年度~2020年度(2年間)

研究成果概要

  株式会社ストローリーが提供する、縮尺や位置情報がかならずしも正確でない古地図や絵地図を、実際の経度・緯度で重ね合わせることのできる技術と、位置情報との連動を可能にした地図プラットホームをインターネット上で無料提供しており、「大阪こちずぶらり」はそのプラットホームに公開可能な地図データを関連付けたアプリである。Covid-19の影響を受け、予定していたワークショップを行うことが叶わなかったが、地図の選定を再検討し、下記の成果を得た。

本研究の成果は、下記の2点である。
(1)「大阪こちずぶらり」の大阪市街地風景アプリとしてのバージョンアップである。地図に落とし込む風景画情報を増やし、作成時期の異なる風景を簡単に見ることができる風景アプリの作成を行った。具体的には、「大阪市及び附近営業者紹介地図(大正3年)」を現在の地図に重ね合わせ、既に入っている5つのレイヤーと行き来ができるようにした。さらに、関西大学総合図書館所蔵「商工技芸 浪華の魁(明治15年)」をスキャンし、店構え図を点としてプロットする作業を行う準備ができている。
 「大阪市及び附近営業者紹介地図(大正3年)」のデータをアプリに取り込むために必要な加工は、研究分担者;与謝野有紀が行なった。また、関西大学総合図書館所蔵の地図データ、絵図データの確認は、研究分担者;与謝野有紀、研究分担者;鳴海邦碩が行い、リストを作成した。

(2)江戸時代の風景画情報が多く残っているものの、今は景観的に評価されることが少ない淀川流域風景アプリの作成を行なった。株式会社ストローリーが開発、インターネット上に無料提供されている地図アプリをもちいて、大岡春卜、「浪花及澱川沿岸名勝図巻(1745年)」を、歴史認証を行いつつ、現在の地図に重ね合わせた。さらに地図をベースとした景観インベントリーの作成を行うための地図、写真などを収集した。
 「浪花及澱川沿岸名勝図巻(1745年)」のデータをアプリに取り込むために必要な加工は、研究分担者;与謝野有紀が行なった。また、アプリの地図データに重ね合わせるための、「浪花及澱川沿岸名勝図巻(1745年)」の歴史認証、正確な位置などは、様々な資料を参考にしながら、研究代表者と研究分担者;鳴海邦碩が行った。


浪花及澱川沿岸名勝図巻
   

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