特別研究

なにわ大阪の「笑い」に関する調査と研究

研究代表者 浦 和男 人間健康学部・准教授
研究概要 なにわ大阪の「笑い」に関する調査と研究本研究は、以下の課題を通してなにわ大阪の「笑い」を追求する。

①幕末から戦後までの出版物、雑誌・新聞記事などを調査し、大阪の「笑い」の歴史的変遷を追う。あわせて、関西大学総合図書館所蔵の「笑い」関連書籍、雑誌の調査を行い、「上方芸能遺産活用実行委員会」で編集する資料目録作成に協力する。
②大阪社会の在り方と「笑い」の関係を考察し、大阪社会がいかに「笑い」を生み出し、受け入れるシステムを構築しているかを解明する(社会学領域)。
③漫才、落語以外の、狂言など古典芸能の「笑い」の変遷と特質を解明する(古典芸能領域)。
④パーソナリティから見る大阪人の「笑い」を考察し、大阪人の気質がいかに「笑い」と関わるかを解明する(心理学領域)。
⑤笑いのプロデューサーたちに聞き取り調査を行い、大阪の「笑い」の側面史を探り出す。放送作家、元NHKプロデューサー、演者など笑芸に携わってきた方々らにインタビューを行い、笑いのプロデューサーたちのライフヒストリーと大阪の「笑い」の変遷を追う(インタビュー調査)。
以上の課題解明を進め、大阪の「笑い」とは何かを再考し、大阪文化研究の新しい領域を開拓したい。
研究分担者

雨宮俊彦 社会学部・教授

森下伸也 人間健康学部・教授

関屋俊彦 名誉教授
太田リヨ子 著述業

研究期間 2年間

研究成果概要

1)研究班全体で6回の研究会を開催した。研究会では、大阪の「笑い」を多面的に分析し、他研究機関が取り組んでいない分野を積極的に取り上げることによって、新しい事実を多数掘り起こすことができた。
2)ニューズレターを1~8号まで発行した。研究会報告、研究員の研究成果報告、史料翻刻などを掲載した。
3)最終成果報告として報告書『なにわ大阪の「笑い」に関する調査と研究』を刊行した。
4)大阪の「笑い」については、まだまだ知られていないこと、不明なことが多いという点が、明らかになり、大阪という社会を言語、文化、心理、歴史の側面から総合的にかつ多面的に「笑い」を分析することによって、大阪が「笑い」の土地となった理由を解明する可能性があることが示唆された。また、海外の研究者の報告から、大阪の「笑い」の独自性として、型にはまらない自由な「笑い」、日常的な「笑い」の豊富さが指摘され、織田作之助の「大阪の『笑い』はリアリズムの極地」という記述を再検討する重要性が浮上した。他大学の「笑い」関連の研究プロジェクトに比し、本研究班の研究は多面的に大阪の「笑い」を掘り下げる試みであり、学外関係者からは、2年間に渡りハブ機関として関西大学が重要な役割を果たしたと評価されている。大阪の「笑い」に関しては「多くの未解明な点がある」ことが明確となった点は、大きな研究成果であるが、今後、ハブとしての役割をどのように継続し、未解明な点をどのように解明して行くか、という大きな課題が残っている。

 

成果報告書はこちら

 

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