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三大学医工薬連環科学シンポジウム(第5回)報告(於:関西大)(11.01.13)

更新日:2014年3月13日

「生命と健康のための医工薬境界領域研究の新展開」をテーマに、第一線の研究者を迎え、最前線の研究の現状について理解を深め、医工薬境界領域研究の今後を展望するとともに、この分野における人材育成のための将来の指針となるシンポジウムを平成23年1月13日に関西大学千里山キャンパス 100周年記念会館第4・5会議室にて開催した。

これは、同日から翌日にかけて開催された第15回関西大学先端科学技術シンポジウムとの共催として行った。
70名もの来場者を迎え、医学・工学・薬学分野への関心の高さがうかがえた。


株式会社日立製作所 新事業開発本部 部長 牧 敦 氏
「光トポグラフィから脳科学の社会応用へ」

牧氏らの技術が、日常的な環境下でも計測できる高次脳機能の可視化技術を生み出し、これは最初に臨床医療に活用され、さらに、高次脳機能の発達・学習のメカニズムの解明に向かい、「脳科学の教育への応用」へと展開を進めている。
"脳"、"計測"、"理解"をキーワードにした研究開発の軌跡は、医学と工学の境界領域や異分野交流を探る上で、非常に参考となるものであった。


帝京大学 薬学部 生物薬剤学教室 丸山一雄 教授
「リポソームテクノロジーを基盤とするDDS の構築とその応用」

リポソームは脂質二重膜からなる閉鎖小胞であり、体膜モデルやドラッグデリバリーシステム(DDS)のキャリアとして有望視されている。
丸山氏らは様々な標的指向性分子を修飾したアクティブターゲティング可能なリポソームによる次世代型DDS 製剤の開発に先進的に取り組んでいる。
今回はトランスフェリン修飾リポソームと超音波との融合によるバブルリポソームによるがん治療研究について発表された。
医工薬を横断する研究内容であり、今後の本事業の研究面での展開を考える上で参考になるものであった。


東京女子医科大学先端生命医科学研究所 大和雅之 教授
「再生医療本格化のための細胞シート工学」

大和氏らは早稲田大学と医工融合研究教育拠点TWInsにて「細胞シート工学」を提唱している。
独自開発した温度応答性培養表面を用いた細胞シートの作製技術を用いて、皮膚、角膜、心臓、食道の再生治療を目的とした臨床応用に次々と成功を収めている。
TWInsでの日常における早稲田大学との共同研究の話、欧州でのベンチャー立ち上げや、治験の話など、研究事例にとどまらない講演であり、医学と工学の融合や今後の研究面での大学間の協力関係を考える上で非常に参考になるものであった。

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