更新日:2014年3月13日
平成25年12月7日(土)に、高槻家族講座(通算8回目)シリーズ『食と夢』第2回「知って得するお菓子のひみつ」を開催いたしました。
講演には73名が、こども体験コーナーには、小学生24名、とその保護者23名が参加されました。
第1講目「新しいお菓子を知ろう ~子ども達の創造力を育む知育菓子と安全安心な素材菓子~」
クラシエフーズ株式会社 食品研究所 技術アドバイザー 中村 秀男 氏
「知育菓子」は合成着色料や甘味料を使用せず、天然色素など出来るだけ天然系の食品原料で設計すると共に、作る楽しさ、色変わりや発泡等の動き、不思議さを通してこども達の好奇心・創造力を高め、科学への興味を育むという特徴があり、理系大学志望、化学屋になるきっかけとなったり、中学校の理科の教材としても利用されているそうです。
また、「素材菓子」は甘栗、干し梅、ドライフルーツや茎わかめなど、天然素材原料を主原料とし、いつでもどこでもつまみ食べ出来る分野として開発されたとのことです。消費者の視点に立ち、新分野を開拓した商品だが、販売に向けた社内会議で"売れるはずが無い!"と猛反発にあいながら、ヒット商品となったというエピソードも交え、微生物の生育における水分活性(自由水の割合)の調節、含気レトルト殺菌により常温でも安定に保つ技術についても紹介されました。
第2講目「子どもの食物アレルギー」
大阪医科大学 小児科学教室 助教 岡本 奈美 氏
次いで、食物アレルギーの診断方法について、問診の重要性や注意点、抗体検査やスキンテストの実例、予後についてもお話下さいました。治療に関しては成長期にある子どもの健康な発育に重要な食事に焦点を当て、鶏卵や牛乳アレルギー、小麦アレルギーを有する場合の調理の注意や工夫、代替についても教えて下さいました。
食物アレルギーをおこす「アレルギー物質を含む食品の原材料表示に関して」では容器包装された加工食品での表示例、容器包装されていない惣菜屋さんなどでは表示が徹底されていないという表示対象の落とし穴についても指摘されました。
最後に、アナフィラキシーを起した場合の対応方法については、口をすすぐ、抗ヒスタミン薬の内服、更に進んで全身症状になった場合は命を守るために学校や保育所でアドレナリンの自己注射(エピペン)の使用が必要になるケースがあること。ハチ毒アレルギーのアナフィラキシーに用いられていたエピペンが食物アレルギーにも保健適応されている現状まで詳しくお話頂きました。
こども体験コーナー「ワクワク・ドキドキ 作って学ぼう ねるねる教室!」
まず、身近な食べ物はどんなものにも酸性・中性・アルカリ性の性質があるというお話から始まりました。
次に、色変わり工作をしました。こども達それぞれが気に入った和紙を選び、その和紙に紫キャベツの液をしみ込ませたあと、酸性やアルカリ性の液に浸けて色を変え、一人ずつオリジナルの模様をつけました。その後、スタッフの皆さんの手によって、乾燥、ラミネート加工され、コップの下に敷くコースター兼オリジナル修了証になりました。加工されるまでの時間を使って、いろがわりクイズをしたり、「ねるねるねるね」をいっしょに作って食べました。お父さんやお母さんもこども達から"おすそわけ"され、とっても嬉しそうにされていました。
今回受講された小学生の皆さんには医工薬連環科学教育研究機構から「ねるねる博士」の称号の修了書が授与されました。