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恋愛の社会学

谷本 奈穂

(青弓社/2008年4月刊/248頁)

恋愛の社会学

内容紹介

本書は、現代の恋愛事情を、1970年代、1990年代、2000年代の雑誌記事の分析、及びアンケート調査、マンガの内容考察から読み解いたものです。「人間関係」、「魅力ある異性像」、「アプローチの仕方」、「別れの理由」などの視点から分析を行っています。

それらの分析から見えてくるのは、次の三点です。一点目は、恋愛が曖昧さや不確定性を味わう「遊び」の感覚を内包していること(=恋愛の遊戯化)です。二点目は、それと同時に、結婚や別れの決断が先送りされることです。三点目は、結婚イメージの恋愛への従属です。

かつては、ロマンティック・ラブ・イデオロギーによって恋愛は結婚によって支配されていました。つまり、結婚にふさわしい相手との関係=恋愛と規定されてました。今やそれが、むしろ恋愛が結婚を支配しています。まさに「ロマンティック・マリッジ・イデオロギー」の誕生ともいえるでしょう。

著者からのひとこと

みなさんにとって身近なメディアを考察の対象にしています。具体的には、雑誌記事やマンガという素材です。一見、軽くみられ、「そんなものが学問の対象になるの?」と言われそうな素材をあえて考察しているのです。それは、見過ごされそうなものの中にも、「研究の種」がころがっていることを、みなさんに伝えたかったからです。どんなものの中にも、考えることのできる「何か」はあります。それを見つけることができるかどうかは、みなさんにかかっていると思います。

目次

  1. 序章 恋愛の社会的物語―テーマと方法論
  2. 第1章 恋愛の死と再生―恋愛物語の転回
  3. 第2章 ロマンティック・ラブ―永遠を誓う真面目な恋愛
  4. 第3章 遊び―生の未決定性を快楽にする形式
  5. 第4章 魅力ある異性
  6. 第5章 アプローチ
  7. 第6章 別れの理由
  8. 終章 恋愛という遊び

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