KANSAI UNIVERSITY

環境都市工学部

学びのスタイル

建築学科 2017年3月卒業
定行 美穂

研究テーマ

色覚異常を想定した地下街のサインに関する研究

色覚に着目して、大阪梅田地下街のサインを調査。内定したハウスメーカーでも色彩にこだわりたい。 色覚に着目して、大阪梅田地下街のサインを調査。内定したハウスメーカーでも色彩にこだわりたい。

3年次の授業でピクトグラムについて学んだことをきっかけに、地下街のサインを研究テーマに選びました。サインは、色彩とピクトグラムが一体化した構造です。目の病気で色が判別しにくい方の場合、どのように認識しているのかを検証しました。赤と緑それぞれの色覚異常を疑似体験できるメガネをかけた場合、何もかけない場合の3パターンに分け、大阪梅田の地下街で実験。学生数十名の協力を得て、歩き方、行動、見たサインの違いを調べました。さらに「すぐ見つかるか」「すぐ理解できるか」「目的地への移動に役立つか」という3つの質問を投げかけ、全てのサインを5段階で評価。目を引くはずの赤が、色覚異常だと黒に見えて認識しづらく、比較的誰にでも見やすい色は青という結果が出ました。見過ごしがちなことを明らかにできるのが研究の魅力だと感じました。就職先はハウスメーカーです。色彩にこだわった家づくりに力を入れ、真っ白になりがちな場所にアクセントになる色を加えて落ち着きを演出するなどの工夫を考えています。

建物を含めた街全体を体感し、ヒントを発見して、能動的に研究することで多くのことをつかめます。

幅広い分野をカバーし、先生方の得意分野も多種多様な学科。建物を含めた街全体の音、匂い、温度、空気感など多くの判断材料を得て、五感はもちろん六感も働かせるフィールドワークは、特に大きな魅力です。アンテナを張って自分自身でヒントを発見し、面白いと思ったことを深めてほしい。「こんなことがしたい」という希望を持って、先生と一緒に考えていく姿勢を歓迎します。

建築学科 亀谷 義浩 教授

  • ※この学びのスタイルは2017年度のものです。

理工学研究科 環境都市工学専攻
博士課程前期課程 2016年3月修了
ウィー イーチェン

研究テーマ

シンガポールにおける都市再開発庁を中心とする省庁横断型の水辺開発に関する研究

魅力的といわれる街はどのように作られたのか。先進的事例研究は新たな都市開発のヒントです。 魅力的といわれる街はどのように作られたのか。先進的事例研究は新たな都市開発のヒントです。

住宅や公園、道路や河川などの開発事業はそれぞれ行政の担当部署が異なるため、都市づくりにおいては相互の連携が重要です。私は、多くの外国人観光客が集まる観光都市へと発展を遂げたシンガポールの水辺開発をテーマに、どのような組織体制のもとで開発に取り組んだのかを研究しました。我々がふだん見ている地図は必ずしも正確ではありません。まずは現地へおもむき、地形や標高などを一つひとつ実測するとともに、地図には記されない建造物や道路の構造などを調査。正確なデータをもとに図面化することで、都市構造の視覚的な理解につながりました。また、開発の背景やその変遷についても知識を深めるため、関連資料を収集。その際、我々の研究室と国際交流事業を行った縁のあるシンガポール国立大学のご厚意で、大学所蔵の貴重な資料を閲覧させていただけました。なかには軍管轄の機密資料もあり、研究者間の良好な関係構築がいかに大切かを実感しました。帰国後、膨大な量のデータを整理・分析、修士論文にまとめました。今回の研究が新たな都市開発に役立てばうれしいですね。

人びとに寄り添い、幸せな空間を作り出す建築のおもしろさをともに実感しましょう。

ウィーさんの武器はコミュニケーション能力の高さ。聞く能力や相手の真意を理解する能力に優れています。依頼主の求めるものをくみ取り、それを形にする建築という仕事には欠かせない力です。研究室では海外調査や国際交流、留学支援も活発に行いますので、さまざまな土地で、いろいろな人びとと接することで、他者と共感・共有する感覚が磨かれます。自分の力を積極的に試してください。

建築学科 木下 光 教授

  • ※この学びのスタイルは2016年度のものです。

建築学科 2015年3月卒業
鈴木 美里

研究テーマ

先端閉塞単管杭の支持力性状に関する研究

ものづくりから生まれた杭の能の高さを実証しました。 ものづくりから生まれた杭の能の高さを実証しました。

建設現場での足場などに使う杭の、先端形状による性能の違いについて研究しています。共同研究を行っている企業が開発した「先端閉塞単管杭(先が閉じて尖った形をした杭)」は、一般的に足場に使う単管パイプに比べ、約2.5倍の支持力をもつ強力な杭です。しかし、先端閉塞単管杭の代わりに、単管パイプの先端にコーンをつけて使用されるケースも多く見られます。そこで私は、先端閉塞単管杭とコーンを付けた単管パイプの性能を、実験で比較しました。実験用の土漕のなかに地盤を作り、そこに2種類の杭を打ち込んで、地盤の動きを計測しました。その結果、打ち込んだときの杭付近の土の密度変化の違いから、先端閉塞単管杭が打ち込まれたときの地盤の締め固め効果は、コーンを付けた杭よりも大きいことが確認できました。均一な地盤を作るだけで3カ月近くかかり、研究のむずかしさを実感しましたが、先端閉塞単管杭の性能の高さを実証できただけでなく、地盤を研究することの重要性についても理解が深まりました。

建物を安全に支える地盤の研究は、建築学の重要なテーマです。

私たちは、建物を安全に支える基礎部分の研究に取り組んでいます。土は場所により千差万別の性質をもっているため、性状の予測がむずかしいのですが、軟弱な地盤のなかにも建てることができる、新しい下部構造の開発は、社会から期待されています。建築学科をめざす人には、予想外の現象に立ち向かう地盤工学の魅力を、もっと知ってもらいたいですね。

建築学科 伊藤 淳志 教授

  • ※この学びのスタイルは2015年度のものです。

理工学研究科 ソーシャルデザイン専攻(現 環境都市工学専攻)
博士課程前期課程 2014年3月修了
西田 拓真

研究テーマ

伝統木造構造接合部の力学特性の解明

木造の「塔」が地震に強い理由を力学的な見地から探りました。 木造の「塔」が地震に強い理由を力学的な見地から探りました。

法隆寺の五重塔のような木造の層塔建築は、地震の揺れに強いといわれています。なかでも、地震時のエネルギーを吸収していると考えられているのが、「組物(くみもの)」と呼ばれる、軒下にある木材の集合体。しかし、その構造上の秘密はまだ解明されていません。私の研究テーマは、組物の力学的な特質を、実験と解析を通じて明らかにすることです。実験のため、まず実在する塔の2分の1模型を自作し、地震を想定しながら、模型の桁※に対して水平に力をかけていきました。その後、個々の部材がどのように変形、回転したかなどを測定し、組物の特性を考察。その結果、部材が他のパーツのなかにめり込んだり、表面を滑ったりして力を吸収していること、また、金物で固定せず木製の栓を使って組み立てていることが、衝撃を和らげるのに役立っていることがわかりました。また解析では、めり込む力や摩擦をうまくモデル化し、実験結果とよく合致するシミュレーションを作成することができました。この研究成果は、より複雑な構造をもった建築物の挙動を予測するのにも応用できるのではないかと思っています。

  • ※ 桁(けた):組物の上に水平に渡す部材のこと

伝統工法をヒントに、新たな構造設計手法の開発をめざしています。

独自の免震性を備えた木造の層塔建築は、最近では、東京スカイツリーの「心柱構造」にも応用されるなど、再び注目されています。現在のところ、法律上の制約があるため、伝統工法をそのまま使って新しい構造物を建てることは認められていません。しかし、私たちは古来の木造建築のからくりを解き明かすことで、新しい構造システムへのヒントを見出していきたいと考えています。

建築学科 桝井 健 教授

  • ※この学びのスタイルは2014年度のものです。

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