化学・物質工学科 原田美由紀教授が合成樹脂工業協会において学術賞を受賞
氏名
原田 美由紀
所属
化学生命工学部 化学・物質工学科(高分子応用材料研究室)
受賞年日
2018年11月08日
大会・団体名
合成樹脂工業協会
受賞名
学術賞
研究テーマ等
メソゲン構造を導入したエポキシ樹脂の構造制御と高性能化に関する研究
賞の概要
合成樹脂工業協会は、国内の熱硬化性樹脂の製造者による業界団体である。 長い歴史のある業界団体として、熱硬化性樹脂及びその関連製品に関わる環境、製品安全、資源再利用、規格標準化など様々な課題に応えている。 一方で、産・官・学の緊密な連携を活かして、学術誌「ネットワークポリマー」の発刊、講演討論会の開催などの学術活動にも注力している。
代表的なネットワークポリマー材料の一つであるエポキシ樹脂は、耐熱性・接着性・電気絶縁性などに優れており、工業材料として幅広い分野で用いられている。これらの優れた特性を示す反面、機械物性に乏しいことが長年にわたって問題視されている。この要因として、硬化反応過程におけるミクロゲル化など、形成される架橋構造中の欠陥部分の存在によって構造の均一性が欠如していることなどが挙げられる。また、近年では電子材料分野において、高熱伝導・高Tg化の要求が一層高まっている。
原田美由紀氏は、メソゲン基の剛直性と自己組織化能に着目し、三次元ネットワークポリマー構造中に配向構造を形成・固定化することで立体構造制御を試みた。メソゲン構造をエポキシ樹脂硬化物の構造制御の手段として取り扱った研究であり、ネットワークポリマーの新たな可能性を見出した。これにより、従来のエポキシ硬化物では達成されなかった材料物性の飛躍的向上に成功した。