研究活動

【公募研究班】大阪都市景観の映像表現による再解釈:ワークショップを通して創造する都市景観の芸術的可能性

研究代表者 長谷 海平 総合情報学部・准教授
研究概要

 本研究は大阪市内を舞台とした映像作品の制作を主軸とし、都市空間と映像芸術の相互作用を芸術実践学の観点から探究することを主たる目的とする。具体的には、大阪の都市景観が持つ『歴史的な建造物と現代建築の対比』『街の光と影の表現』『人々の生活様式が映し出す風景』といった視覚的・感性的特質について作品制作とそのプロセスを通じて明らかにし、それらが映像などの表現にもたらす芸術的可能性を実践的に追求する。

 大阪は近代化と伝統が共存する独特の都市景観を有している。その景観に備わっている芸術的価値と映像表現における潜在力を秘めているものの、その魅力は未だ十分に探求され尽くしておらず更なる発掘の余地が大きいと言える。本研究では都市空間を「生きたキャンバス」として捉え直し、作品制作を通じて大阪の景観が映画芸術にもたらす新たな表現の可能性を具体的に提示する。

 本研究では学生を対象としたワークショップ形式で映画など視覚芸術の作品を制作する機会を設ける。ワークショップでは、例えば参加者自身がカメラを持ち、大阪の街を自由に撮影し編集することで従来の認識を超えた新たな大阪像を創出することを目指す。ワークショップ形式で制作された映像作品群を通して大阪の都市景観が持つ芸術的価値を再提示し、その潜在力を最大限に引き出すための新たな可能性を探求する。これらの作品は、多様な視点から大阪の都市景観の魅力を浮き彫りにし新たな芸術表現の可能性を示唆するものになると考えられる。それは、映画には都市景観に備わった価値を客観的に示す機能を備えているためである。

 本研究では、ワークショップで制作された映像作品を、芸術実践学上のアーカイブとし位置付ける。そして、これらの映像作品を芸術実践学に取り組む上で新たな大阪像のデータベースとして貴重な情報源となることを目指す。  

研究分担者

乾 善彦  文学部・教授

研究期間 2025年度~2026年度(2年間)

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