研究活動

【基幹研究班】なにわ大阪研究センターにおける研究成果の可視化と情報公開

研究代表者 林 武文 総合情報学部・教授
研究概要

 2025年度の基幹研究のテーマとして、2024年度から引き続き取り組む①道頓堀五座の景観復元、②鉄炮鍛冶屋敷井上関右衛門家に関する堺市との共同調査に基づく鉄砲ならびに「モノ作り」に関する研究、さらに⑤その他として、幕末から大大阪時代への変遷に関わる地域研究、センター保有資料に基づくデジタルアーカイブ構築とその公開に関する研究を展開する。

 ①については、2024年度に松竹株式会社から提供された大正12年の大阪松竹座図面をもとに、道頓堀松竹座周辺と劇場内部の復元を行う。また、これに並行する形で歴史建築と芝居芸能分野の研究を進める。さらに、前年度までに撮影した大塚克三氏のデザイン画と、既存の山田伸吉資料を組み合わせ、昭和初期から戦後にかけての舞台芸能と可視化に向けた検討を進める。

 ②については、鉄砲の材料の由来と製造工程の解明を目指し、銃身の金属組織と組成の分析研究を本格化させる。和鉄の鍛造加工性およびたたら製鉄原料に由来する化学成分に焦点を当てた調査を通じて、歴史研究の検証を試みる。この結果を、2023年度に完成した鉄砲制作過程のCG映像とデジタルコンテンツによる情報発信に反映させる。

 ⑤については、①の研究に関連するが、道頓堀に留まらず、大大阪の他地域にも視野を広げ、2023年度に寄贈された浪花名所図屏風の調査とその活用方法を含め、地域に密着した研究とその成果の可視化を進める。また、2024年度には、これまでに蓄積された歴史資料のリストをWebサイト上のデータベースとして公開したが、2025年度は画像も含めたデジタルアーカイブ構築に向け、画像データの整理と公開にも取り組む。

研究分担者

乾 善彦  文学部・教授

藪田 貫  関西大学名誉教授

井浦 崇  総合情報学部・教授

橋寺 知子 環境都市工学部・准教授

丸山 徹  化学生命工学部・教授

北川 博子 関西大学非常勤講師

李 信雨  非常勤研究員(松竹株式会社)

奥本 未世 非常勤研究員(大阪歴史博物館)

研究期間 2025年度(1年間)

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