Kandai Vision150 未来を問い、そして挑戦する。

学校法人関西大学の将来像(20年)

「学校法人関西大学の将来像(20年)」は、20年後の本学を担う若手の大学及び併設校の教育職員、事務職員と担当副学長が中心となり、学園の理念(「建学の精神」及び「学是」)に立ち返り、それを今日的に解釈したうえで、どのような人材を育成するか、どのような学園をめざすべきかを考えるところから始めました。その際、社会の変化に伴う内容の陳腐化を避けるため、将来の環境変化を踏まえつつも、それに影響されない普遍性を持ったものを意識しながら、1年の歳月をかけて完成させました。
「学校法人関西大学の将来像(20年)」の構成は、構成員が今後20年間にわたり、自ら考え行動するための指針として、全体の将来像とそれを基に、「教育」、「研究」、「社会貢献」、「組織運営」のより具体性のある4つの将来像に分けて描いています。

テーマ:多様性の時代を、関西大学はいかに生き抜き、先導すべきか。

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全体の将来像 テーマ:多様性の時代を、関西大学はいかに生き抜き、先導すべきか。

20年後の世界は、情報通信技術や交通網の更なる進展により、多方面にわたる領域でボーダーレス化が加速しているであろう。同時に、グローバリゼーションとローカリゼーションが共存し、均質化と多様化が並列的に進行していると予測される。
日本に目を向ければ、「ヒト・モノ・情報」の首都圏への集中と、一部の地方都市への分散という状況に直面する。加えて、少子高齢化が極端に進んだ社会となり、深刻な労働力不足に陥っていることが懸念される。また、あらゆる分野で国際競争力の強化とグローバル人材の育成が強く求められよう。その一方で、地域における様々な課題を発見・解決し、地域社会に貢献できる人材の育成も必要となるのは間違いない。
このように、20年後は単一の価値観では対応することのできない多様化した社会となり、個々人が主体的かつ自立的に未来を切り拓いていく必要に迫られる時代になると考えられる。
前途に待ち受けている困難な時代状況に対し、本学園としては、自然と調和した、平和で希望に満ちた社会を探究し、それをめざした弛まぬ変革を支え、これらを実現する人材の育成に努めていく。初等教育から高等教育までを担う一大総合学園として、多様な文化とその価値観を尊重し、柔軟かつ幅広い視野で物事を捉え、「考動力」と「革新力」をもって、新たな世界を切り拓こうとする、強い意思を有する人材を数多く輩出することで広く社会に寄与したい。
そのためには、高度な専門分野における教育・研究・社会貢献活動を通じて、様々な学問・文化を体得することのできる環境を整える。同時に、あらゆる面で多様性を重視し、これに対応できる包容力のある学園をめざす。明治初期の日本を法治国家として整備し、市民にも法の精神やその意味を普及させ、新たな時代の礎を築こうとした創立者たちの志を未来に受け継ぐためにも。

教育の将来像 テーマ:変化を続ける社会に、関西大学は
        いかなる人材を送り出すべきか。

生き抜く力

20年後の日本では、異文化と向き合い、それを理解・尊重しながら共存することが求められることになろう。関西大学は、そうしたグローバルな社会を生き抜くために、「考動力」と「革新力」を備えた人材の育成をめざす。
生き抜く力を養うためには、夢を持ち、その夢を現実に繋げようとする、しなやかな、しかし、したたかな意志が必要となる。また、他者への理解と配慮も忘れてはならず、自らの責務を果たしつつ、他者に対して公平に接するとともに、公正な判断が行えなければならない。そのためには、幅広い教養と高い専門性を修得し、人格の陶冶を図るといった本来の教育目標に加え、予測不可能な社会の中で困難を克服することのできる「考動力」と、新たな価値を創造し、多様性を生み出すことのできる「革新力」を身につけさせることが肝要になる。
本学園では、このような「考動力」と「革新力」を養成する教育を展開するため、単なる知識の教授に留まることなく、国際交流や地域交流を通じて多様な価値観の中に身を置き、主体的・協働的に学修する教育プログラムをこれまで以上に整備し、学理と実際との更なる調和を図る。併せて、自らが依って立つ国や地域の歴史と文化に対する理解を土台に、俯瞰的な視野の確立を促す教育プログラムを充実させ、国籍や年齢を超え、本学園に集う全ての人たちに広く提供する。
生き抜く力を育む教育の実践に向け、われわれ教職員は目的を共有し、総力を結集して取り組まなければならない。高度な知識や専門的なスキルを有する教職員が緊密に連携することで、大学・大学院・併設校の各教育方針・教育目標の下、個性ある学生・生徒等の育成に全力を投入できる体制を構築する。

研究の将来像 テーマ:学の真価を問われる時代に、関西大学はどんな知を提示できるか。

知の創造拠点

実績と信頼のある研究機関として、関西大学は、新しい時代を創る研究活動に取り組んでいく必要がある。したがって、多様化する社会の中で、未来を切り拓く研究力を育成・実践する場となることをめざす。
少子化をはじめとする大きな環境変化により、大学間競争が激化している。就職のための技術や技能の習得を含めた教育に重きを置く大学がある一方で、教育と研究の双方を重視する大学もあり、今後は一段と二極化が進むであろう。本学は、これまでの優れた研究実績を更に飛躍させ、豊富な研究体験に支えられた教育を提供する大学であり続けなければならない。
研究活動を通じて得られた成果を教育活動に反映させ、学園全体の教育力の向上を図る。この循環と蓄積により、高い専門性を有する人材を輩出し社会に貢献することが、本学の学是である「学の実化」を実践することになる。既存のフィールドを超えた新たな分野の開拓も含め、多様で独創的・革新的な研究を志向し、地域レベルの研究とともに世界レベルの研究の場を創出していく。
関西には長きにわたる歴史があり、地域の文化、伝統、経済等、あらゆる領域が研究材料として存在している。それらの記録、保存、分析や活用を研究課題として模索し、地域の活性化と発展をめざすことは、大阪の地に根付いた本学の使命である。同時に、その成果を世界の様々な問題の解決のため活用していく。
更に、本学の研究は、総合大学であることの利点を活かして学内外のネットワークを有機的に活用し、国内のみならず世界の動向をより敏感に受け止めて進めていく。世界各地の大学との協定等による大学間連携の推進、研究者交流の活発化、人材育成・共同研究の促進等を図りつつ、未来を切り拓く知の創造拠点を形成する。

社会貢献の将来像 テーマ:社会貢献のあり方において、「関大らしさ」はどこにあるか。

関大社会貢献

関西大学は、社会貢献で得られた成果を教育・研究に付加して新たな社会的価値を生み、多様な連携対象と学内外の資源が相互に循環することにより、自らも成長し続けたいと考えている。したがって、こうした関大型社会貢献を全学挙げて実践していくことをめざす。
社会が多様化・複雑化する中で、本学の社会貢献は、多様な社会的価値を生むものでなければならない。本学のシーズを活用した従来の社会貢献を更に進化させ、本学と社会との間で新たな知識、経験、価値等が行き来することにより、大阪や関西エリアに留まらず、地域や国の枠組みを越えて社会の成長に寄与する社会貢献モデルを構築・実践していく。
「学の実化」を学是とする本学は大阪の地で誕生し、これまでこの地域に育まれてきた。総合学園として幅広い年齢層に対し教育機会を提供するとともに、多様な知識やノウハウを地域社会に還元し、産学官連携を通じて企業や各種研究機関と新たな価値や知見を培い続けてきた。
大阪に所在することは今や本学のアイデンティティとなっているので、世界に誇るべき歴史や文化を有するこの地域への貢献を一段と強化・深化させていきたい。同時に、地域社会への貢献で得られた成果を本学に環流することにより、教育・研究における新たな社会的価値を生むサイクルを確立する。加えて、これらの実績を世界レベルで展開し、他の地域や国・機関の社会的な課題解決にも貢献できるよう、率先してリーダーシップを発揮していく。
本学を拠点として多様な社会的価値が生まれるよう、構成員の「学び」「探究」と社会への「還元」「実践」が循環し、それらがスパイラルアップするような高水準の社会貢献を果たす。

組織運営の将来像 テーマ:より柔軟で堅牢な組織となるために、関西大学はどう変わるべきか。

柔軟で堅牢な組織

関西大学は、永続的な発展を遂げるため、柔軟な組織運営とそれを支える堅牢な財政基盤の確立をめざす。
本学は今後、既存事業の改善を図りつつ、選択と集中により優先順位を決めて迅速に計画・実行する体制、構成員同士が互いに認め合い、絶えず前進する風土を持つ組織を築き上げる必要がある。そのためには、年齢、性別、国籍等にとらわれない多様な人材活用と、意思決定及び施策実行の迅速化を可能とする組織作りが欠かせない。より一層の権限委譲も不可欠であり、緊急の課題に対しては全学挙げて優先的に取り組める体制を構築しなければならない。
また、18歳人口が減少し、回復の見込みがない状況にあって、日本人学生対象の学納金収入が財源の大部分を占めることは、大きなリスク要因となるので、収入源の多様化も重要な課題である。研究と社会連携事業の財政的な自立策も大いに検討の余地があり、外部資金を用いた研究、社会連携のあり方を模索する。
更に、学園機能の大部分が集中する千里山キャンパスは、交通至便の地にあって、広大な敷地と豊かな自然を有している。全国でも指折りの恵まれた教育環境を拡充し、より地域に溶け込んだキャンパス創り、即ち欧米の大学キャンパスに見られるような「地域のキャンパス化」をめざす。
本学は将来に向け、盤石な組織体制と財政基盤を確立することで、高次元の教育・研究・社会貢献活動を支えていく。校友をはじめとするステークホルダーとも一体となった学園を創造するとともに、全ての関大人が固いネットワークで結ばれ、本学への帰属意識や満足感・期待感を高めることで、組織力をより強固なものとする。

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20年後の数値イメージ

【数値イメージの位置づけ】
 ここに記載した数値は、20年後の学園をイメージするために、将来像の文章では表現しづらい内容を間接的に補うものです。そのため、確定的な目標値を示すものではなく、本学園の永続的な発展に向け、将来の環境変化を十分踏まえつつ、構成員が何をすべきかを考え、取り組んでいくための数値イメージです。

 20年後の数値イメージは以下のPDFでご案内しています。

20年後の数値イメージ(クリックで拡大)

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